『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』

山下聖良ちゃんの出演するミュージカル『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』を観てきました。6月22日の初日と、26日千秋楽のマチソワの3回。場所は横浜のO-SITE。

聖良ちゃんの演じた役についてネタバレがありますのでご注意を。

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原作は立野真琴さんの少女マンガで、今年2月に『The Last Valentine』というエピソードが上演され、そちらが好評だったためにシリーズ化。今回は誕生編となる『ファースト』、今後『セカンド』『サード』と続き、来年2月に『The Last Valentine』の再演となる予定のようです。

 

物語としては、主人公の小林少年が探偵に憧れて明智探偵事務所に。しかし探偵だけでは生活できないので夜はホストを副業に…と言うか、むしろホストの方がメイン。探偵の方の仕事も浮気調査のような物ばかりで、ホストクラブのお客さんたちが主な依頼主。そういう設定です。

 

今回の『ファースト』は誕生編という事で、嫌々ながら始めたホストという仕事を、小林君がホストと同じくらい好きになるまでを描きます。実際には独立した3つの短編をつなげた構成になりますね。

 

聖良ちゃんの役はユキ。ストーカーに悩んで仕事を依頼しに来た理恵子の同僚で親友役。ストーリー上では2番目のエピソードのみに出演です。今回は地毛を金髪にしているので今までとは印象もガラッと変わりますね。来ている衣装も身体のラインが出る系なのでレア感があって新鮮でした。

さて、ユキちゃん。ぶっちゃけると、ストーカーの犯人でした。

初日終演後の握手会の時に聖良ちゃんに「犯人ってわかりました?」と聞かれたのですが、このエピソードの登場人物が少なすぎるので他に怪しいキャラがいないんですよね。なので怪しい男に変装している場面も、体格などもヒントになりましたがすぐに聖良ちゃんだとわかりました。

「困ってる理恵子が自分に頼ってくるのが気持ちよくて」というのが犯行の動機でしたが、一方では理恵子の事を好きなのも本当だと思うのですよね。魔除けのお守りを理恵子に渡す事も、後で語られる「自分の中の魔を祓いたかった」につながりますし。その辺りのユキちゃんの二面性が短い出演時間の中でもしっかりと伝わってきたと思います。

その犯行を「誰かに止めてほしかった」と語られますが、真相が明らかにされていく場面でのユキちゃんの表情。戸惑い、不安、そこからあきらめと、少し笑顔が浮かんでくる。こういう演技が聖良ちゃんは本当に上手くて魅力的です。私が聖良ちゃんのファンになった初期から表情の魅力はずっと主張してきましたが、やっぱり改めて実感します。

そしてミュージカルですから歌もあります。真相が明かされた後、理恵子と2人で『ビリーブ』という曲。聖良ちゃんの歌声が聴こえてくると、その声の張りと伸びに聴き惚れました。ファンのひいき目も入ってるとは思うんですが、他の出演者のみなさんと比べてもかなり上位の上手さなんじゃないかと。

それと、女性出演者全員によるバーレスクダンスにもユキちゃんは登場します。これもセクシーで扇情的でとても良かったですね。こういう聖良ちゃん、なかなか他では観る事ができません。初日の席では他の出演者の陰に隠れてしまってあまりよく観れなかったのですが、千秋楽マチソワではほぼ正面の位置からバッチリ堪能しました。

 

他には初日終演後に初日挨拶と、舞台上の集合写真を撮影できる写メ会、物販購入特典の握手会。千秋楽マチネ後の歌謡ショー。千秋楽ソワレ後の最終挨拶で聖良ちゃん充しました。

 

さて、今回のような舞台、メインキャストたちが男性で観客層の主流が女性客、こういう場合の女性キャラって余剰な気がするのですよね。観客の興味外と言うか。ましてメインキャストと恋愛的な展開がなされたりするとかなり視線が痛く刺さる事になって演技がやりにくいんじゃないかと思ったりもします。

でも実際に観てみると男性キャストとはそれほどからまないですし、理恵子との関係だけで完結してるので女性客受けも良かったんじゃないかなと思いました。女性キャラは何人もいますが、印象白紙状態でどのキャラを聖良ちゃんに演じてほしいかと考えたら、やっぱりユキちゃんという役が一番美味しい気がします。

 

さて、この『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』、私は聖良ちゃんの出演する部分だけで十分以上に満足しましたし、作品全体としても楽しかったのは確かなのです。私が女性だったらもっと男性キャストの良さを堪能できたかもしれませんが、同性でも魅力は感じました。

ただ、以前にミュージカル座の『ロイヤルホストクラブ』という作品を観ているのでどうしても自分の中で比較してしまう気持ちがつきまといまして。

ミュージカル要素、ダンスパート、出演者、舞台セットの豪華さ、ホストクラブとホストとお客さんたちの描写、何よりストーリーの巧みさ。そうしたあれこれがどうしてもこの作品は見劣りしてしまうなと。

『ホス探』はまず探偵部分が弱いんですよね。事件の小ささは仕方ないとしても、この3つの謎を解決した先に小林くんが探偵とホストを両方同じくらいに好きになるって展開、そこに説得力を持たせるにはストーリーが弱いと思うんですよ。「誕生編」だから軽くて、続編で次第に盛り上がっていって『The Last Valentine』は大きな山になるのだろうとは思いますが。

それと短編3つがほぼ独立してるのが。一応最初と最後に華子さんが出るとは言っても。

これ、せっかく舞台になってるのだから3つの話を前後に干渉させても良いんじゃないかなと思います。ちょっとでいいから3つ目の伏線を最初から出すとか。ユキちゃんのその後を最後にちょっとだけでも描写するとか。その辺が弱いと思うんですよね。

それと、コミカルな要素のほとんどが瞬間的に笑いを誘うドタバタ系かビジュアル面の物になっていて、そこがもったいないかなと。その辺をしっかり作るのは難しいとは思うし、観客の主流がそれを望んでいるならそれも方向性だとは思うけど。

 

さて、ユキちゃんは犯人として退場してしまいました。原作はまだ読んでいないので、その後が描かれているかはわかりませんが、普通に考えたらもうユキちゃんの登場は無いのかなと。舞台なのだからいくらでも脚色して何らかの形で登場させる事は可能だとは思いますけど。理恵子と和解させて、またお客さんとして来店するなど。

でも、たぶんユキちゃんの再登場は無いなと。他の役を演じる形で聖良ちゃんの続投はあるかな? 個人的な印象ではもう続編への出演の可能性は低いような気がします。

 

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ユキちゃん。左側の大きいのがパンフ。右側が物販のブロマイドセット4枚と、左下の口元にバラのがリピーター特典3回分。(ちなみにリピーター6回で大きいサイズのブロマイド、8回全通で聖良ちゃんとの2ショットチェキが撮れました。劇ドリを切り捨てていたとしても5回しか行けず断念。チケット代の問題もあるけど、仕事あると平日含めて8回ってかなりハードル高いですよねー…)

左側の小さいのがトレーディングカード。主要キャラ12人×2種と直筆サイン入りのレアがランダムで1枚という物。他のお客さんのご厚意で譲っていただけました。

これらの写真と違って、実際の聖良ちゃんの金髪はもっと黄色いです。

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今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。時期的にもピッタリだったので、劇団ひまわりに合わせてひまわりだけで華やかに作ってもらいました。

それと誰よりも聖良ちゃんを応援しているという意味で、ひまわりの花言葉「あなただけを見つめる」も込めて。

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お返しに、スタンド花の宛て札に聖良ちゃんからのメッセージとサインをいただきました。ありがとうございました。

 

『ホス探へようこそ』の原作、聖良ちゃんも読んで好きになったとの事なので、ファンとしては私もいずれはきちんと読みたいなと思います。

『ユニット・ボーカルフェスティバルVol.3 2016 Summer』

山下聖良ちゃんの所属する劇団ひまわりの主催する『ユニフェス』。そこに聖良ちゃんが出演するという事で、5月27日と29日に観に行ってきました。

会場は劇団ひまわりの事務所に隣接するシアター代官山。

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このイベントは劇団ひまわりに所属する人たちがユニットを組んで、自分たちで選曲、振付、衣装、小道具などを選んで演目をゼロから作りだしていくという趣旨ですね。

小さい子から成人まで出演者の年齢層は幅広く、それぞれのパフォーマンスもバラエティに富んでいて、楽しいイベントでした。

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聖良ちゃんは平山沙絵ちゃんとの2人ユニット「ロマンスクール」での出演。2人は昨年秋の舞台「雪の女王−あなたに伝えたい−」のB班とBSP班でそれぞれカレン役を演じていました。

「ロマンスクール」の演目は「セーラームーン」のミュージカルを再現するという物。聖良ちゃんがうさぎ、沙絵ちゃんが亜美ちゃん。亜美ちゃんの留学、未来へ向けての気持ち、2人の絆、そういったテーマを織り込んでの約10分。歌にダンスに演技にと密度の濃いパフォーマンスでした。

沙絵ちゃんのステージは初めて観たのですが良かったですね。「雪の女王」の時に観ておけばと今更ながら残念です。

普段はそれぞれ別のお仕事ですし、内容自体もそうそう他では観る事のできない物なので、また今後のユニフェスにも2人で出演してほしいところです。

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 物販で「ロマンスクール」のブロマイドを全種購入。2ショット、聖良ちゃんピン、沙絵ちゃんピンでそれぞれ3種ずつでした。

『Juliet』

山下聖良ちゃんが出演する舞台、劇団空間演人プロデュース「Juliet」A班を両国のエアースタジオで4月27日、30日、5月2日と観てきました。初日、中日、千秋楽です。

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何年も何度も繰り返し上演されている作品なのですが、思いっきりネタバレで書きますのでご注意を

 

真っ暗の中にナレーションが流れ(実はここでこの作品の重要な真相が語られている)、灯りが点くとそこは高校の演劇部。部員たちが「ロミオとジュリエット」の稽古をしている。

聖良ちゃん演じるのは彩。

ここで部員たちの個性が描かれる。ロミオ役の雄太とジュリエット役の彩が実際に恋人同士で、二人のキスシーンが話題となり、そして稽古が終わって解散。

 

暗転して彩のナレーション。数年後、彩と雄太が結婚している。だが、そこに不穏な雰囲気が流れ…。

再開する彩と元部員達。彩の元に雄太とジュリエットの結婚招待状という気味の悪い物が届き、その事について相談する。

そして、高校時代の回想シーンに違和感を覚え、あの場にもう一人いた事を思い出す彩。部室の片隅に誰かの存在感。

その人物について議論する部員たち。そこに雄太もやってきて、そして今まで登場しなかった女性「恵美」も現れる。

緊迫する舞台上。「恵美」が実は本当の彩で、聖良ちゃん演じる彩は実は本当は恵美だった事が明かされる。自分を彩だと思いこんでしまった悲劇。

 

一転、この後の回想シーンでは冒頭と同じ「ロミオとジュリエット」の稽古なのですが、本当の彩役として福富ゆきさんがジュリエットを演じています。聖良ちゃんは部室の片隅から二人を辛そうに見つめ、プロンプ役務めている恵美。

雄太の事が好きな恵美。彼に恋人がいるのが辛い。だからこそ二人がロミオとジュリエット役を演じる事に苦しむ。自分ならもっと上手くジュリエットを演じる事ができる。彩なんかよりも自分の方が。そういう想いがひしひしと伝わってきます。

 

暗転してまた現代に戻って。どうしても変えられない運命。気持ちが抑えきれず、ナイフを持ち出し雄太への想いに殉じる恵美。

 

ラストは智子と網代がやりきれない表情で会話して終幕。

 

ドタバタ感のある稽古シーンから始まって、観客の気持ちを掴んでから一転してミステリー感漂う不穏な空気。高校時代と成人後を交互に描く演出。

成人後もコミカルな会話が続きますが、これは真相を知っていたみんなが恵美の心を刺激しないように外堀から攻めていた事が繰り返し観ているとわかります。

コミカルとシリアス、喜劇と思わせて悲劇。冒頭で「ロミオとジュリエット」を最初は喜劇だったと語る事が、終幕後ずっと心に余韻を残しました。

繰り返し再演されている事が納得できる、とてもよくできた観応えのある作品だと思います。

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さて、聖良ちゃんの演じる恵美(彩)、実は上演前にロビーでもらえるチラシに役名が記載されているんですね(笑)。私、ネタバレだとは露ほども思わず、初回を観る前にこれで聖良ちゃんの役名をチェックしてしまいまして…。なので、冒頭の稽古シーンで「あれ…?」と違和感が。

 

全員が高校生と社会人の演じ分け。そして劇中劇としての「ロミオとジュリエット」を演じる3人。出演者にとって難しくて楽しくてやりがいのある舞台だったと思います。

 

聖良ちゃんはさらに高校生の時も彩と恵美の演じ分けもあって、ジュリエットも入れると実質5役なのですよね。

高校生彩の時の楽しそうな幸せそうな演技。明るくて。自分たちの事が話題になってるのを飲み物を口に含みながら「ん?」と気にしてる表情とか、バナナを食べてる時とかメッチャ可愛い。

成人彩の翳りのある不安そうな表情。

そして恵美。高校生の時の胸が張り裂けそうな演技。さっきまで彩として演じてた回想とのギャップが強い印象を訴えてきます。

聖良彩のジュリエットの演技が上手かった分(これも恵美自身が捏造した回想なので、実際の恵美の演技が上手いのかは不明なんですよね)、拙い福富彩のジュリエットの演技も演出上で重要ですね。これがあるから余計に恵美のやりきれなさに深みが加わります。

 

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私の観てきた限り、聖良ちゃんは真っ直ぐなキャラを演じてきた傾向にあるので、今作品の様な変化球…精神的に追い詰められてサイコ化、そして自殺という役は新鮮でした。本当に観て良かったと思える舞台でした。ファンとしての喜び。

「劇団ドリームクラブ ホストガールオンステージ#2」雑感

6月25日に新生劇ドリの2回目のライブに行ってきました。

今回の会場も前回と同じ渋谷のRUIDO.K2。

また山下聖良ちゃんの出演する舞台と日程が被ってしまったため、当初は1回のみの参加を考えていましたが、いろいろスケジュールを悩んで昼夜ともに参加する事になりました。

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今回はセッちゃんとマリリンが欠席。それでもホスガ14名+ゲストが揃うのは圧巻でした。

昼と夜では構成やMCに違いがあり、魅杏とナオのソロでは途中でカワオケに変化する演出。

ライブの前半ではほとんどのホスガが自分の持ち歌以外の曲を披露。後半はほぼ持ち歌。ユウエルは「アイドル宣言」のバックと「Noko-ism!」以外に5号店曲の「DragonLady」も初披露でした。

玲香さんは前半ではあすかの人気曲「あなたのそばにいたいのに」を、後半は持ち歌の「ステキなmagician」を。MCでも今回は玲香さんらしくボウリングネタを投入したり、全員並んでる時も隣のノノノや亜麻音ちゃんとよくからんでいて雰囲気出ていました。

 

今回はゲームのホスガ声優さんがシークレットゲストとして出演すると事前にアナウンスされていましたが、それはアイリ役の児玉明日美さんでした。

昼では前半ラストの「コイヲシテイマス」に乱入。夜はMCタイムの後で後半1曲目の「TimeTraveler」をアイリ&ノノノと一緒に歌うという至福のステージでした。

アイリは児玉さんがゲストだという事も相まって、MCなどでもちょこちょこといろんな事をしていて目立っていました。今回の一番のメインホスガだったと言ってもいいんじゃないですかね。

そしてラストのMCタイムの時には当日が亜麻音ちゃんの生誕日という事で、全員でバースデイソングを歌い、セッちゃん特製のケーキでお祝いするという演出。

 

総じて、密度の濃い充実したライブでした。前回で感じた構成の雑さはかなり改善されていて、展開に緩急が付いていましたし、良いライブにしよう、みんなを楽しませようという意思は強く感じました。2ヶ月でキャストさんたちの成長もあちこちに感じましたし、この勢いの先は期待できると思います。

ただ、今回のライブ単体で評価すると、休止前に感じられたライブを続けるだけの停滞感からは脱していませんので、B評価。100点満点で80点には届いてないかなというのが私の評価です。そして、今回のいろいろと盛りだくさんのさらに上を行くのは難産だとは思います。でもきっと完成度を高めて楽しいライブに作り上げてくれる事を期待していますし、上の評価とは別に、ホスガの皆さん今回は本当に良かったです。

 

さて、7月8月は対バンを積極的に行うらしいです。つまり他の地下アイドルイベントなどにゲスト出演してアピール活動をすると。動員1万人のためにはより知名度アップが必要なのでがんばってほしいところです。

そして定期ライブとなるはずだった8月はお休み。#3としては10月開催になるらしいです。その代りに9月は特別な会場でのイベントが予定されているとの事で。詳細は明らかにされてはいませんが、2年前にやったアレですね、たぶん。

 

 

今回もピュア紳士有志一同でお花を贈る企画がありましたので、私も参加しました。

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物販。前回とは違う新作ブロマイド。玲香さん、玲香さん役の澁谷えりかさん私服、アイリ、アイリ役の桜羽萌子さん私服の4セットを購入しました。

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そして、夜の部のMCに影響されて、理保役の寿々木はるかさんのCD「コロナループ」も購入しました。

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「劇団ドリームクラブ ホストガールオンステージ#1」雑感

また更新が滞ったまま時間経ってしまいました。簡単にではありますが記事にしておきたいと思います。

 

さて、昨年の春から劇団ドリームクラブの活動が一時休止していましたが、3期メンバーのオーディションが告知され、活動再開が近いと期待されていました。

そして3月の中旬に配役が伏せられた状態での3期メンバーと、活動1発目となるライブの開催が発表されました。

続投したキャストさんは魅杏役の柳瀬晴日さん、ナオ役の青木満理子さん、魔璃役の柚木成美さんの3人。13人が入れ替わるという大幅な変更が行われたわけです。

3期メンの中で2人は以前に舞台で観た事がありますが、それ以外の人は全くの初見なのでイメージがつかめず。まあ、その辺は最初の舞台の時の1期メンと一緒ですね。

で、3期メンが発表された日の時点でパッと見で受けた印象だけで、この人が玲香さんだったらいいなと思ったのが澁谷えりかさん。当たりました。小板さんの時も当てましたが、玲香さんにだけでもアンテナが働いてホッとしました。他はあすか役の鈴原紗央さんしか当てられなかったんですけどね。

 

で、当日。いつもは昼夜公演両方に参加するところなのですが、山下聖良ちゃんの出演する舞台と日程が被っているために昼のみの参加となりました。夜の方だと先代セッちゃんの姫野つばささん&先代みおさんの黒須みらいさんの卒業挨拶イベントも付いてきたのですけど、片方観るなら一番最初を見届けたいなと思いましたので。

 

さて、今回の会場は渋谷のRUIDO.K2。同じ系列だからかREXと似た印象。客席側はあまり広くなく、もしチェキ会をやるなら待機場所などかなり狭く感じるだろうなと。

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さて、ライブ開演。歌われなかった楽曲は4曲のみ。ほとんどのホスガが全員曲以外に2曲以上披露。加えて今回も5号店楽曲から「ノコイズム」も。

ライブとしてはボリュームたっぷりでしたが、その反面で詰め込みすぎな感もありまして、息つく間も与えられずに矢継ぎ早に展開される構成は正直言って喉も腕も疲れました。この辺りはもう少し緩急が必要だと思いましたね。

3期メンの印象は良かったです。元から劇ドリの運営側の眼は信用してるので、それほどイメージ狂う事は無いだろうとは思っていましたが。ただ、やはり先代たちと比較してしまう感覚もありまして。そこは先代たちも繰り返しの公演と長い時間をかけてイメージを積み重ねてきたわけで、ある程度の長いスパンで3期メンの成長を見守りたいですね。

 

澁谷玲香さんは素敵でした。他のキャストさんと比べて長身なのと、メイクの感じや立ち居振る舞いが小板玲香さんに似てるようにも感じました。2次元から3次元へのイメージの落とし込みはどうしても近くなるのかもしれないですね。

歌は申し分ないどころか、かなり上手くて聴き惚れました。客席に対するMCもけっこうできてたと思います。振り付けは多少ぎこちなかった気がしました。

2代目玲香さんとして期待できるので、これからも微力ながら応援していきたいと思います。

 

さて、新生劇ドリとして活動予定も発表されました。定期的なライブ活動を続け1年後にはミュージカル公演を目標にすると。そこでは新曲も投入。ただしミュージカル公演を実現するためにはそれまでのトータル動員数1万人達成が条件と。達成できなければ劇ドリはそこで解散と。現状ではそこまで持っていくにはハードルが高い気もしますが、いい方向に結果が出ればいいなと思います。

 

今回もホスガ全員宛てとしてピュア紳士有志によるスタンド花を贈る企画が立ちましたので、例によって私も賛同させていただきました。

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物販。玲香さんとアイリのブロマイドセットを購入。1回500円で回せるランダムのドリガチャはセッちゃんのチェキ2枚、るい先生のチェキ1枚を引きました。

『蜘蛛の巣 〜SPIDER’S WEB 〜』


両国のAir studioで劇団空感演人プロデュースの舞台『蜘蛛の巣〜SPIDER'S WEB』を2月20から22日の3日連続で観てきました。
私がイチ推ししている山下聖良ちゃんがトリプルキャストのA班に出演していました。
原作はアガサ・クリスティーの戯曲で、一部に変更やカットがありますね。例えばサラ・バーチ判事は原作だとヒューゴー・バーチという男性だったり、クラリサが煙草を吸ってたり。セリフもあちこち削られてる。

物語の舞台は外務省役人の邸宅。そこで主人ヘンリーと離婚した元妻の再婚相手オリバーの死体が発見される。死体を発見した後妻のクラリサはある理由から事件との関係を隠蔽する事に。知人たちを説得して死体を運ぼうとした矢先、殺人事件通報を受けた警察がやってくる…という話。
殺人事件を中心にしたミステリーではあるのですが、第3幕までは誰が真犯人なのか?、その動機は?など深く追求される流れにはなりません。第1幕では事件自体を無かった事にしようとしますし、第2幕では事件への関与を否定して警部の事情聴取をかわしていく様子が中心になります。
そのため、証拠隠しのドタバタと警部との間の駆け引き的会話劇が、時にはコミカルな味付けもされていて、各キャラの発言がそれぞれに影響を与えて二転三転して連鎖していく様子がとても面白い作品でした。まさにラストでクラリサが引用するウォルター・スコットの詩から引っ張ってこられた『蜘蛛の巣』というタイトルがピッタリな展開でした。
初見の時は第3幕であるキャラがある行動を取るまで真犯人はわからず、別のキャラが犯人だと思っていました。けれど真相がわかった上で2度目に観た時には、もう序盤から真犯人が怪しい行動や反応を見せてるのがわかりましたね。そのあたりの緻密な伏線や小道具の配置は流石クリスティーです。2時間近い上演時間を短く感じさせてくれるほど、中だるみもせず、どの場面も楽しく観る事ができた作品でした。


聖良ちゃんの演じたのはクラリサ。ポジション的には主役と言っても良いと思います。頭の回転が速く、想像力豊かで、いたずらっぽい性格で。でもしっかりしていて、前妻の娘ピパへの優しさにあふれていて、とても魅力的なキャラでした。
そして圧巻だったのがクラリサのセリフ量。多くの場面で畳み掛ける様にセリフを発し、物語の流れをどんどん変えていく影響力。この舞台の中でのクラリサというキャラの魅力は(私のひいき目があるのを差し引いても)結構な比重があったのではないかと思います。
少し気になったのはセリフが早口気味になっていたので、そこをその時の状況で緩急が付けられていたらとは思いました。でも、前述した様にセリフ量が多いので、勢いとリズムが損なわれるともしかしたらセリフを続けるのが難しくなっちゃうのかもしれないですね。この辺りはシーンごとに撮影できる映像と、全て通しで一発演技の舞台との違いなのかもしれません。
聖良ちゃんの舞台を観るのは昨年の『雪の女王』以来ですが、その間に事務所のレッスンで女優として一段と成長したのを感じました。特に今回は出番もセリフも多く、純粋に演技力が必要な役だったので一層その事を感じる事ができたのだと思います。他のキャラを翻弄したり、ピパに対する思いやりやヘンリーに対する愛情。オリバーに対する毅然とした態度。事件に動揺した時。警部を翻弄する時。真面目な時。「もしも」に浸っている時。そういった場面場面での役作りがしっかりと出来ていて表情も多彩でした。これだけセリフや出番が多ければ精神的重圧も大きいでしょうに、それをやり切ったのは流石です。あらかじめセリフは入れていたでしょうが、実際の稽古が10日ほどだったそうで。その短期間でここまで仕上げるのは本当に大変だったでしょうし、大きな経験にもなった事と思います。


劇団ドリクラをきっかけに聖良ちゃんと出会ってから1年半ほど。どんどんその魅力に引き寄せられて、今では一番期待していて応援していきたい女優さんです。
他の劇ドリのキャストさんたちも今がんばっていて、メディアに名前が出てきたり大きなお仕事をつかんだりけっこう知名度が上がってきている人が何人もいるのですけど、そんな中で聖良ちゃんは着々と土台を作っていて。
今回の観劇の時に劇場ロビーで「主役って聖良って子?知らなーい」って会話を実際に耳にしていますが、その一方で聖良ちゃんの事を「初めて観たけど良かった」って感想をツイートで見かけたりもしました。チケットの集客や面会は私みたいに必ず足を運ぶファンや知り合い主流なのかもしれませんが、でも確実に少しずつでも広く評価はされてきていると思うのです。
1つ公演を観るたびに以前より良くなっているところが感じられて、今回も良かったと思えて、次も観たいと思わせてくれて。
舞台というのはその作品の脚本や演出に感想が引っ張られていくのだと思いますし、この「蜘蛛の巣」もそこは重要でしたが、山下聖良という若手女優のポテンシャルを引き出してくれたこの作品に出会えて、そしてこの難しい役に挑戦してやり遂げた聖良ちゃんは本当に素晴らしかったと思います。
千秋楽の翌日からまた事務所のレッスンに参加しているとの事ですし、まだまだこれからも経験値を積んで成長していくのだと思います。それを楽しみにできる事はファンとしてとても幸せです。ありがとうございます。


今回、ピュア紳士仲間で有志を集ってスタンド花を贈らせていただきました。

「雪の女王−あなたに伝えたい−」

このブログではまだ触れる機会がありませんでしたが、劇団ドリームクラブの2代目アイリ役の藍乃聖良ちゃん(今年の春に劇ドリから卒業しています)が今年に入ってから劇団ひまわりに所属する事になり、芸名を本名の「山下聖良」に戻して活動を続けています。
9月の22、23、27日に、その聖良ちゃんの劇団ひまわりでの初の大きなお仕事とも言えるミュージカル公演「雪の女王−あなたに伝えたい−」を観てきました。公演の各地ごとに出演者も別で、さらに東京公演でもトリプルキャストになっていて、聖良ちゃんは東京B班での3公演での出演でした。3公演で合計6時間ほどではありますが、それこそ氷雪の下で春を待つふきのとうの様に、本番に備えて稽古を続けてきた聖良ちゃんの想いがたくさん込められた舞台でした。


この作品はアンデルセンの作品を原作と表記してますが、実際にはほとんど関係ないですね。もちろん雪の女王は両方にいますが、女王は原作の方ではむしろ空気でほとんど登場しないですし。雪の女王が誰かを連れ去り、残された者がそれを取り戻しに行く。そういうアウトラインだけ共通という感じですね。この舞台版だとRPG的な味付けもされている印象も受けました。
ただ、ストーリー的には勢いで流している展開もいくつか感じられ、3回観てもどうしてそういう事になるのか理解できない場面もありました。それでも、断片的にキーワードはちりばめられていて、ある程度は物語の隠れている部分を想像する余地はあります。そういうのを意図して書かれた脚本とも思えませんが、ガチガチに構築した割りには破綻するよりは、観る側の感性に委ねるというのもありかもしれません。設定の説明を延々とする作風ではないですから。



聖良ちゃんの役はカレンという少女。妹のアンナと仲の良い姉妹で、そのアンナが雪の強い日に行方がわからなくなって。幼なじみのフランツと一緒に彼女を探している中、盗賊たちに襲われたり、そこをラップランドの領主の息子一行に救われ、彼らと一緒に雪の女王の居城を目指す。そういう流れです。
ポスターやパンフ、あるいは物販での比率などから見ても男性出演者たちが前面に出されていて。その事からもこの作品の主役は領主の息子のクリスなのだろうとは思います。雪の女王の送り込んだ「影」と戦うのは彼らでしたし、クライマックスでもクリスがとても重要な役割を担います。
しかし、聖良ちゃん演じるカレンも人間の中では妖精と通じ合う事のできる唯一のキャラで、それが状況を先に進めるきっかけとなり、アンナへの想いやクリスたちとの交流などの描写もよく描かれていて、感覚としては全体の6割くらいの場面では舞台上にいたのではないかと思います。もう1人の主役でしたよね。これは実際に観劇した人の多くが感じた事だと思います。
最初に出演発表された時はまさかここまで大きな役だとは思っていなくて、聖良ちゃんは出番も多くはない大勢いるキャラの1人なんだろうと受け取ってました。それがチラシの真ん中に聖良ちゃんの顔写真が来て、これはもしかしたらと期待していたら…配役が発表されたら思いっきりメインじゃないかと。うれしくて心躍りましたね。


アンナを演じる北島楓ちゃん。純粋なカレンと違って内面に少し尖った部分も持っているキャラで、コミカルな部分も多く柔らかい印象のカレンとの対比で感じられる硬質な演技の個性が素晴らしかったですね。特に女王とのからみは会話もダンスも華があって輝いてました。アンナもカレンと同じく重要なキャラですから、選ばれた楓ちゃんも実力は際立っているのが観ていてわかりましたね。


舞台セットは高低差があって中央が広い階段になっていて、それらを活用した動きのある場面が多かったですね。
また、傘を様々な見立てに使い、ある時は雪が舞う様、あるいは鏡、武器や灯りやソリや扉など。また高低差と組み合わせて傘を境に氷に覆われた大地の上下を表現するなど、演出面の工夫が素晴らしかったです。
それに、やはり雪や氷やクライマックスの明るさなどが印象に強く残るほど、光の明暗の演出としての照明が綺麗でした。
ミュージカルでもありますから音にもこだわっていて、音響も良かった。
それと、劇団ひまわり公演なので幼い子役も大勢出演していて、みんなの表情がとてもキラキラしていてまっすぐで、とてもパワーを感じました。この子たちも成長して実力をつけて、そうした「夢」や「未来」への想いもこの作品には込められている象徴なのだと思いました。
ただ、子役たちの登場する妖精パートと、男性陣の活躍するアクティブな殺陣パートとで作品の統一感が乖離している気もしますね。カレンがより多く登場して活躍するのは前者なので、後者の方は一歩引いて観てた感はあります。私はダンス系の場面も観るのは好きなので良いアクセントになって楽しめたと思いましたが。3班のうちBSP班の公演は子役が一切出てこない(フランツや、クリスの弟のカイも)ので大幅に展開が変わっているみたいですし、そちらなら作品の統一感は強く出ていたのかもしれません。


さて、聖良ちゃん。彼女の事を知ってからこの1年ちょっとで会場規模も様々な公演をいくつか観てきました。そんな中で魅力を感じてファンになったきっかけというのが「静」の演技だったわけです。表情だったり、ささやかな仕草だったり。特に表情は笑顔が可愛いのはもちろん、泣き、戸惑い、不安などが内面から抑えきれなくなって出てくる表情がとても魅力的で、この子はスゴいなと感じていたのですね。そして、このカレン役では舞台上をアチコチに動き回ったり、コミカルな場面もいくつもある事から、聖良ちゃんの「動」の演技も多く堪能できて、この点は劇団ひまわりに入ってからのお稽古の日々で一気に伸びた部分なのかもしれないですね。ミュージカルという作品の特徴にも引っ張られた点はあるかもしれませんが、手足の先まで全身を使って躍動感ある演技をしていましたし、顔や姿勢も場面によって大きく動いていて。ただ単に舞台上に立っていて台詞を発しているのではなく、「演技」という物を聖良ちゃんなりに咀嚼して動いているのが伝わってきた気がしました。まあ、今まで私が観た聖良ちゃんの役はあまり動き回るキャラではなかった事からの受ける印象の違いが大きいのかもしれませんが。
歌唱力、昨年の夏秋頃の音源だと弱いなとは思うのですが、ボーカル教室に通っての今年1月の発表会では格段に歌が上手くなっていましたし、その延長で経験値を積み重ねてきたのが今回ははっきりわかりましたね。だいたいミュージカルって主役級キャラのソロが聴きどころにもなると思うのですが、その期待に応えてくれる素敵な歌声でした。特に「幸せを探して」という曲は聴き惚れて歌詞も自然に憶えてしまいましたね。また、全体で歌っている時でも良い意味で「混ざってしまわない」、けれども必要以上に表にも出過ぎない、それでいて聖良ちゃんをはっきり感じられる歌唱だったと思います。
ダンス関係も良かったですね。女の子としては身長ある方なのでアンナや妖精たちとからんでいてもメリハリが効いているし、よさこいや劇ドリでの経験に加えて劇団ひまわりのお稽古で大きくステップアップした印象でした。
聖良ちゃんがこの舞台と役に出会えた事は、聖良ちゃん自身にとっても、私らファンにとっても本当に幸せな事なんだなと思いました。
何か、ほめてばかりな気もしますが。
ただ、私は聖良ちゃんのカレンしか観ていないわけで。当然他の2班のカレンもそれぞれの個性があって素晴らしいと思うのですよね。その2人のカレンと比較してこそ聖良カレンの良い所もイマイチな所ももっとはっきり見えてくるのではないか、そこを自分は見逃してしまってるんじゃないかとも感じるのですよ。ファンとして「可愛い」「良かった」だけでもいいのかもしれませんけど、「女優」としての聖良ちゃんを表面だけではなく、もう少し深く観たいじゃないですか。他の2人のカレン役はそのための良い比較対象だったかな。だから、他の班の公演も1回は観ておくべきだったかなーと、千秋楽が終わった後に思ったり。次にダブルキャスト、トリプルキャストの機会があったら、予定組めそうならそちらも観てみたいなと思いました。



劇ドリ以降、いろいろな舞台の感想などで「ありがとう」について言ってる気もしますが、今回も思いました。「ありがとう」は言うのは少し照れくさいかもしれないけど、想いを素直に伝えられて、相手を幸せにできる言葉なんだなと。
この「雪の女王」の中でも「ありがとう」という言葉は効果的に印象的に使われていますね。その趣旨を汲んで私もこれからも積極的に使っていきたいと思います。
素敵な作品、素敵な聖良ちゃんを観せていただき、ありがとうございました。



ちなみに私事ですが、今回初めて聖良ちゃんにスタンド花を贈らせていただきました。