今朝5時頃、我が家の愛猫クロ(♂)が天国に帰った。
6匹いた猫たちのうち、3番目に来て5番目に去った。


89年10月19日、野良の子猫を父親が連れ帰ってきた。
身体は痩せこけていて、汚れていた。足のケガが化膿していた。犬か猫かわからないけど、他の動物に噛まれた跡だ。
ウンチからは虫がウニョウニョと顔を見せていたし、病気も持っていた。そのまま野良生活を続けていたら、とても長生きはできそうもない状態だった。
その頃、うちには生後1年の2匹のシャム猫がいた。外の世界も知らず、部屋の中で大切に育てられていた2匹に菌に対する抵抗力は弱く、新しい仲間から感染し、死にかけた。
3匹とも、何とかお医者さんに治していただき、長生きをする事になる。シャムのルウ(♂)とは、それほど仲良くはなく、ある程度の距離を置いていたけれども。
ルウは私に一番なつき、クロは妹に一番なついていた。
野良の経験があったからか、クロは猫たちの中で一番賢かったと思う。ふすまを自力で開けられるのはクロだけだったし、虫などが出現した時も反応して真っ先に狩ろうとするのもクロだった。


クロは昨年から右目が白内障にかかっていた。また、時々くしゃみをすると血が混ざる様になる。
シャム猫たちがとっくに旅立ち、クロの年齢も人間に換算して100才くらいになっているので、先はそれ程長くはないとは感じていた。
今年に入り、クロの身体が次第に痩せてくる。食事も全く食べないかと思えば、がっついて食べる事もある。
水を大量に飲み、そして吐く。何をするかを忘れたかの様に、じっと止まっている。
そんな毎日を繰り返した。
昨日の昼すぎ、咳き込む。身体が少し硬直。さすってあげると落ち着いたが、表情を見ると意識が無い様にも見えた。
妹がずっと診ていて、しばらくすると香箱の姿勢になる。私は夜勤があるので眠らなければならないので妹にそのまま任せたが、内心では峠だろうと思った。
出勤時、のぞいてみると昼と同じ様な態勢でじっとしている。食事は摂らなかった。


明け方、仕事中に妹からメール。朝5時ちょうどだったそうだ。


私が帰宅する時、他の猫たちは大体が寝ている。クロだけはリビングにいて、私が扉を開けると出迎えてくれた。
中から見ていた家族に証言では、鍵を開ける少し前から反応している事が多いと言う。野性的なのか、感覚が鋭いのか、何らかの音で私が帰ってきたのを知るのだろう。目的はエサなのだろうけど。


今朝、もうクロは出迎えてはくれなかった。


残された一匹の猫、コロンはクロがいない事に気付いているのだろうか。今は寝ている。


これから、クロの遺体を霊園に納めに行ってきます。