コンビニに届いていたのを回収。昨年秋に、劇場でも観ている作品。DVDでは公開時に削除されたシーンが追加。とりあえず本編とコメンタリーで2回視聴した。


75年のデストピア作品『デスレース2000』のリメイクとして企画された。そちらは『カーマゲドン』の元ネタだったり、『キル・ビル』のデヴィッド・キャラダインや『ロッキー』で売れる前のスタローンが出ていたり、知っている人も多いんじゃないかと思う。私は高校生頃にテレ東で放送されたのを観たなぁ。

さて、今作は旧作の前章と言う形になっている。とは言え、作品中の年はこちらの方が後だし、ルールも全然違うし、主役とライバルの名前だけが一緒くらいで完全に別物になっている。
物語の世界では失業者が増え、犯罪者も溢れ、刑務所を国が管理する事が限界に達する。そこで民間に委託。舞台となるターミナル刑務所では「デスレース」を開催。それをペイ・パー・ビューで放映し、利益を得ている。参加する囚人は5回優勝すると釈放される。
元レーサーの主人公は妻殺しの罪を着せられ、この刑務所に収監されるが…と言う話。
レース自体はライバル車への妨害有りの、残虐なマリオカート。実際、かなりゲームっぽい雰囲気。


監督はポール・アンダーソン。個人的な評価は、微妙な作品ばかり作る人。『バイオハザード』『エイリアンVSプレデター』『デッドオアアライブ』『モータル・コンバット』…ね? でも『デス・レース』はこの人の作品の中で一番面白いんじゃないかと思ってる。
カット割りが細かくて、テンポが良いんだなぁ。スピード感は少し落ちるかもしれない。コメンタリーでは時速100kmで撮影してると言ってました。音楽も、設定がTV番組なので高揚感はある。
驚いたのがレースシーンやカーアクションは実写なのだと、コメンタリーで監督が自慢気に繰り返していました。中盤で『マッドマックス2』や『バトルトラック』の様なドレッドノートが出てくるのですが、これの破壊シーン、模型だと思ったらこれも実写だと。吹き飛ばされたり潰される乗員や血しぶきだけCGで追加したんだとか。
とにかく、主役とも言える車たちが撃たれ、圧し潰され、空中を回転し、炎上する様は見応えありますね。ばらまかれる薬きょうの爽快感も。ただ、レース中でのライバルの描写をもう少し描き分けたら良かったのにと思う。


主役は『トランスポーター』のハゲ親父、ジェイソン・ステイサム。女所長やコーチやライバルや、出演者も味がある人が揃ってる。ヒロインは、ちょっと仲間由紀恵似でエロカワ。


まぁ、ツッコミ所は多いし、結局はB級の域を出ない。けれど、何も考えずに楽しめるし、細かい部分で結構こだわって作っているのも好印象。中身は無いので、ダメな人はダメかな。残虐なシーンもアチコチにあるし、レース部分もストイックな走りを追及している訳でも無い。
私は10点満点で6.5〜7点あげてもいいかなと思う。