「ザ・スピリット」

『レスラー』を諦めたので、他の候補から選んで新宿へ向かう。新宿は中学時代に映画を観に来ていた街。紀伊国屋書店と当時はアニメックがあったのがポイントだった。ミラノと武蔵野館が多かったかな。
で、ミラノに行くと『ザ・スピリット』は昨日からシネマスクエアとうきゅうに移ったと。誤算。
ここはシートはフカフカで前後の間隔も開いている分ゆったりしているのだけど、良い所はそれだけ。劇場内は細長い造りで、スクリーンも小さめ、音響も弱い。真ん中より前に陣取らないとまともに観賞できないのだ。


さて、作品について。こちらはしばらく前に箱○マケプレでプロモーションされていたので、タイトルだけは知っている人も多いと思う。アメコミヒーロー物で、モノクロっぽい中に赤だけが鮮烈に目立つ映像と、サミュエル・L・ジャクソン演じるオクトパスの強烈なキャラの印象が強い感じか。
私としては『シン・シティ』が好きなので、それを連想させる作風と、エヴァ・メンデス目的で観に行った様な物。
シン・シティ』の原作者がこの作品の監督を務めたとの事で期待したんだけどね…
そう、映像は良かった。グラフィック、美術、構図等々、ほとんどのシーンで期待していた通りの映像を魅せてくれた。
でも…


何だ? このバカ映画。
バトルシーンを筆頭に「ドリフ」か「ひょうきん族」を観てる様な錯覚。そう、基本的にコメディだったのだ。いや、コメディってのも言い過ぎか。笑えないから。
笑えない寒いコントを観て失笑する。それを楽しむ感じ。楽しめるならだが。
主人公のスピリットと敵のオクトパスのバトル。オクトパスがスピリットの脳天から便器を叩きつける。半壊した便器がハマり、便器を背負った形になるとか。
ビルから落ち、途中の彫像にマントが引っ掛かったスピリット。抜け出したいが向こう側に届かない。長い物は無いか? ベルトを使う。ズボンが脱げ、パンツ丸出しとか。
スタイリッシュでカッコいいヒーローを観に来たのに、何だこれ? 嫌いじゃないけどね。
女性キャラは良い。どこかしらフェチを漂わせたお姉さんが大勢。
目当てだったエヴァ・メンデス演じるサンド・サレフは峰不二子タイプ。新人警官のモーゲンスターンも表情がコロコロ変わって可愛かった。
一番はスカーレット・ヨハンソン演じるシルケン・フロス。オクトパスの助手なので出番もセリフも多いし、ギャングにナースに和服にナチスにと、衣装も七変化の巨乳メガネっ娘。萌えですよ、萌え!
そうそう、忘れちゃいけない、猫可愛えぇ〜!
冒頭、スピリットの部屋に10匹ほどの猫が登場します。キャットタワーもあったので飼っているんだろうな。
で、キジトラっぽい子が頻繁にスピリットの近くにいるんですよ、いろんな場面で。鳴いたり、振り向いたり、落ちていくスピリットを見ていたり。そう、いるだけ。役に立たない。いいんです。猫は役に立たないのがステータス。主役を手伝うなんて無粋な事は犬族の役目。


客観的に作品としては駄作だと思う。やっちゃった感がある。でもね、許す。許そう。嫌いじゃないよ、私は。
一般向けに評価すると10点評価で4点。ここにバカ映画ボーナスで1点。女性キャラボーナスで1点。猫ボーナスで1点。
合計して、私としては7点です。でもバカも女も猫もボーナスにならない人の場合は4点を参考にしてください。
私はDVD購入予定ですが。


しかし、疲れました。19時間一睡もしない状態で川口、有楽町、新宿と実質3本ハシゴした事になりますね。よく途中で居眠りしなかったよ。退屈しない作品だったのが良かったのかな。