トランスフォーマー・リベンジ』、観てきました。
天気は雨でしたが、日曜の朝一なのでほぼ満席。私が観たのは字幕版でしたが、20分早く始まっている吹替版も同じ様な客入り状況の様子でした。子供や家族連れは吹替の方に偏ったようで、こちらの客層は大人中心。


ストーリーは前作の2年後。正義側のオートボットは米軍内の特殊部隊ネストと協力して、悪側のディセプティコンと戦っていた。軍事衛星がディセプティコンサウンドウェーブにハッキングされ、ネストの情報が筒抜けに。米軍によって監視されていたメガトロンの残骸が奪取され復活。その頃、主人公のサムは謎の文字の幻覚に悩まされていた…


単純に、面白かったです。話には深みもヒネリも無い、矢継ぎ早に展開して気付いたら2時間40分経っていた感じ。
前作もそうでしたが、迫力のあるロボットバトルが観られれば満足な作品ですからね。
冒頭の上海戦。オートボットと人間の共闘。ツインズ、アーシーなどの新型の見せ場。特にサイドスワイプがカッコイイ。
ディセプティコンの重機型デモリッシャーの迫力。それに対して輸送機から投下されるオプティマス。自由落下中に人型へトランスフォーム。パラシュートを開き、着地と同時にビークル形態へ。そのまま追跡し、接近すると再び人型になって襲いかかる。この一連の流れは最高ですね。作品中で一番の見所かもしれません。
それから森のバトル。予告編などではオプティマスが一方的にボコられている印象だったのですが。強えーよ、オプティマス。
あるいは、小型トランスフォーマーたち。マスコット的なウィーリーに、ドクター、虫型。サムの自宅キッチンの家電たちはまるで『グレムリン』の様。動きが楽しかったです。
今回、新型トランスフォーマーのバリエーションが豊富でしたね。標準的なタイプに加え大型重機、小型、バイク型、合体タイプ、豹型、ある種の偽装型(ネタバレになるので詳しく書けない)、フォールンやジェットファイアの様な古いタイプ、ディセプティコンからオートボットに寝返る者。形も人型に拘らずイロイロといましたね。ただ、数多く出し過ぎた事で、一部のキャラは没個性と言うか、ホントにもったいない感じでした。終盤の戦いでも同型が多数出てきて、この辺のコピぺ的な水増しはいただけなかったですね。
後は、ネストが目立ち過ぎと言うか。米軍の描写は物語にハッタリを加えているとは思うのですが、冗長な感がありますし、先にも書きましたが、こちらはロボットの活躍が観たいのであって、米軍の活躍が観たいんじゃないんですよね。ただでさえ長時間作品なのだから、その辺のバランスをもう少し考えて欲しいとは思いました。
まあ、主人公側のドラマはありだと思います。ミカエラもレオもシモンズも、良い味を出していましたし、そこそこのコメディ要素も、邪魔にならない程度に押さえてある。


何と言っても、バンブルビーだな。前作で魅せられたファンの期待に応えた活躍振り。勇猛果敢な所ももちろん良いのですが、失敗を怒られてガレージに戻るシーンとか、涙を流すシーンは拍手物ですね。
そう言えば前作を観た後、バンブルビーがお気に入りになって、箱○の『ロスルE』で黄色の旧カマロで走り回ったなぁ。


中盤の展開で、私はてっきりロディマスが登場するのかと思ったが、違った。
オプティマスが飛行武装するシーン、もっと細部を見せて欲しかった。ここに限らず、ゴチャゴチャしているデザインでハッキリ見せないのが欠点。これは前作の時から進歩の無い点で、バトルシーンなどは迫力こそあるものの、殴っているのか、掴んでいるのか、切っているのか、一体何をやっているのか判別できない事が多い。両者の色や形が特徴的ならまだしも、場合によってはどちらも銀色メインで、格闘していると言うより、銀色の塊がゴロゴロ転がっている様にしか見えない事もある。
それからデザイン上で欠点だと思うのが、特にオプティマスが目立つと思うのだけど、顔面がブサイクなんだよね。アニメのシンプルで美しいマスクに慣れていると、これは劣化しているとしか思えない。


とにかく楽しかったのは本当。ただ期待以上では無いし、期待以下でも無い。ストーリーが優れている訳でも無いし、余韻が残る訳でも無い。良い意味でアトラクション・ムービーだ。楽しい時間を過ごして、後は忘れちゃっても良い作品。でも、たまに観たくなるかもしれない。例えて言うならゲーム感覚であり、マンガであり。だからこの作品を酷評する人は根本的に判ってないと思う。だって『トランスフォーマー』だよ? 何を求めているの?
私としては、無理やり点数を付ければ10点評価で7点か。でも、たぶんDVDは買っちゃうし、続編があれば過度な期待をせずに観に行きます。そんな感じです。