はい、今日のお題は『ゾンビ・ストリッパーズ』です。
ドン引きした人、ゴメンナサイ。


劇場公開時、『ヤンキンアワーズ』でチョロっと紹介されていて、ネットでの観た人の評価も概ね好評だったので興味がありました。残念ながら劇場には間に合いませんでしたが、DVD発売にはチェックを入れてました。で、しばらく前に届いていたのをやっと観賞できたと。
字幕とコメンタリーで本編を2度。未公開シーン&メイキングもキッチリ観賞済みです。


作品ジャンルとしてはおバカ路線のゾンビ物です。まぁ、書かなくても一目瞭然ですが。
ブッシュ政権が第4期まで続いていて、アメリカは世界各地で戦争しまくり。フランス、カナダ、アラスカまで紛争地帯になる始末。
当然の結果として兵士が不足。その解決方法が…もう想像ついたでしょ? 死なないゾンビ兵です。そのために開発されたのがTウイルス(違)。開発中に研究所が汚染され、事態を終息させるためZ分隊が投入。研究所は制圧されたものの、新人隊員バードフルーがゾンビに噛まれて感染。このままでは自分も殺されると脱走。辿り着いた先はストリップバー。ゾンビ化した彼は一番人気のキャット嬢を襲ってしまう。ゾンビ化した彼女はステージへ。何と、このゾンビダンスが客にバカウケ。逆に普通に生きているストリッパーは見向きもされなくなってしまう。1ステージ毎に客が1人犠牲になるも口コミで大繁盛。オーナーは犠牲になった客たちを地下に閉じこめ営業続行。一方、他のストリッパーたちも人気のため、金のため、死に憧れてなど、各々の理由で自らゾンビになったり、なる事を悩んだり。そしてある日、キャットとライバルのジーニーの争いから店は惨劇に。さらに地下の客ゾンビたちも逃げ出し。オーナーたち、ゾンビ化を免れた者たちは立てこもり反撃へ。だが1人また1人と餌食になっていく。そこに、Z分隊が突入した…


まず、ゾンビ物としてはしっかりと作られています。特殊メイクも本格的ですし、ゴア表現も有名タイトルに比べても見劣りはしません。一部、人形にしか見えないシーンもありますけどね。
また、延髄部分が弱点だと作品中で説明されており、結果としてヘッドショット描写が多いですね。
ゾンビ化したストリッパーたちも、日が経つに合わせて身体が劣化していくのを、メイクで段階的に表現しており、ここも好ポイント。
ただ、ラストバトルでのストリッパーの攻撃方法が、それはゾンビじゃねぇっ! とツッコミ入れたくなりますが。


登場キャラが多いのに、しっかりキャラ立ちしているのも良いです。
ストリッパーは7人いますが脱いでいるのは4人。
と言っても、その内の1人のゴス娘リリスは付け乳首だそうで。よく着エログラビアで胸は丸見えなのに乳首に星型のシールを付けてたりするでしょ。あれを、リリスは本物そっくりの偽乳首を付けているんです。見た目は脱いでいるのに実際は脱いでない扱いなんですな。その違いが理解できませんが、私には。
主役のキャット嬢を演じるのは元ポルノ女優で現役のストリッパー。彼女とライバルのジーニーはシリコン入りの人工乳だと思います。硬そうだし、仰向けに寝ても型崩れしないし。
で、脱いでる4人はいかにもアメリカのストリッパーって感じのキツイ顔立ちをしているんですよね。
その反対に。脱いでない3人。新人のジェシーとキャピキャピしたガイアは日本人ウケする可愛い顔をしているし、一番人気が無い設定のブランジェも、個人的には一番好みの顔をしています。でも、この3人は下着止まりでガッカリですよ。
女性キャラなら、Z分隊のラテン系ライカー副長、金髪ビキニのスー、アジア人通信兵で実はカンフー少女なクワンの3人の方が好みだったりする。特にスーはいいね。
男性陣も良いキャラが揃っている。特にオーナー役のロバート・イングランド。『エルム街』のフレディのイメージが強すぎて、私も何作か素面で出演している作品を観てはいるのですが、印象に残っていません。でも、今作ではとても存在感のある演技をしている。
メキシコ人の清掃夫パコもいい。この2人が作品のコメディ色のクオリティを高めていますね。
そして黒人DJのコールと元ストリッパーのマダム・ブラバッキ。終盤の立てこもりは彼ら4人が中心になりますが、私はこの4人バージョンの『LEFT4DEAD』を想像しちゃいましたよ。
そうそう、ゾンビダンスにかぶりつきの客たちの演技も突き抜けたバカっぷり。


って言うか、普通の感性持ってたらゾンビ嬢になんか性的興奮しないって。普通のお姉ちゃんの方がどう考えても綺麗だし。だから、エロ目的で観るのはオススメできません。
ゾンビ物としても、例えばロメロ作品の様な定番路線を求める人にも向かないです。
まぁ、ゾンビ物は大なり小なりコミカルな要素は含まれるのですが、この作品は何度も言う様におバカですし。
グロ度は結構高いですが、ホラー度は低いですね。これも作品の雰囲気上、全然怖くありませんから。って言うか、ゾンビ物でホントに怖いと思った作品って思い浮かびませんなぁ。旧作版の『ナイトオブザリビングデッド』くらいか。個人的には『死霊のはらわた』が一番怖いけど、原題が『The Evil Dead』とは言え、あれはエクソシスト系の悪霊憑依型だからね。
とにかく、タイトルやパッケージから想像される以上に良く出来た作品だと思います。
ゾンビ映画、おバカ映画、B級映画が好きな人はご覧になってみて下さい。


ホントにLEFT4DEADがやりたくなってきた。