「アドレナリン:ハイ・ボルテージ」


待ちに待ってた作品です。
ところが上映館数が少ない。近場では新宿と錦糸町くらい。しかも朝一とかは無いので休みの日に行くしかない。公開初日はちょっと都合が付かなかったので、1週遅れでの観賞になりました。
ってな訳で、行ってまいりました。新宿のバルト9に。


前作の物語はこんな感じ。主役は殺し屋のチェリオス。マフィア間の抗争のゴタゴタの中で、彼は毒を打たれてしまう。その毒には解毒剤は無いが、体内のアドレナリンが毒の進行を止める事を知る。復讐のため行動を開始するチェリオスだったが、あらゆる方法を使ってでもアドレナリンを分泌させ続けなければ、死んでしまうのだ。そして人間版『スピード』が始まる。


で、今作。前作のラスト、チェリオスは死んだ? と思わせる場面の直後から始まる。救急車が到着する前に謎の一団に回収されるチェリオス。
意識を戻した彼は、自分の心臓が摘出されている場面を目の当たりにし、闇の中へ。再び意識を戻し、脱出する。だが、彼の心臓は、他の臓器を摘出するまでの間、一時的に延命させるための人工心臓に替えられていた。機能停止まで2日間。それまでに自身の心臓を取り戻さなければ、今度こそ本当に死んでしまう。
さらに、彼の手元にあるベルト式のバッテリーは容量が少なく、定期的に充電しなければ人工心臓も停止してしまうのだ。
様々な方法で電気を補充しながら、心臓の奪還のため、チェリオスは走り出す。

まぁ、何と言うか。銃と暴力と暴力とエロと銃とエロとバカと銃とエロと暴力とバカとバカとおバカしか無い作品です。楽しんで、観た後には何も残らない作品。
下品な悪ノリと、異常な程のテンションの高さは観る人を選びます。肌に合わない人が観たら怒りだすかもしれません。それ程、一般性に欠けています。
それから、これは前作でも特徴的だったのですが、スローやコマ送りやカットインや、様々な撮影方法が駆使されていて、とても忙しい映像が怒濤の様に攻めてきます。これも、人によっては疲労や酔いを感じてしまうかもしれないですね。
ストーリー自体はあって無い様な物なのですが、何人か前作から引っ張っているキャラもいますので、前作は観ておいた方が楽しめるでしょう。まぁ、前作のシーンをカットインさせたりもしていますが、知らない人には伝わらないと思うし。


主役のチェリオスはジェイソン・ステイサム。このブログでも何度か紹介している、私のお気に入りの人です。『トランスポーター』シリーズでの彼のイメージで、この作品を観に来た人はゴメンナサイ。あれとはベクトルが真逆です。あ、でも尻は拝めますよ。
心臓を奪ったマフィアのボスにデヴィッド・キャラダイン。『キル・ビル』のビル役が一般的に伝わり易いかな。彼はジェイソン・ステイサム主演の『デス・レース』のオリジナル、『デスレース2000』で主演。少し前にアレな状況で他界してしまったんですけど。


10点満点評価で9点。『トランスポーター3』が何となく物足りなさを感じたのに対し、こちらは満足度が高い。いや、上で書いた様に、観終わった後に何も残らないし、人生に影響を与える様な作品でも無いし、一言で言えば無駄な作品なんだけどね。自腹切ってでも無駄を過ごしたい事もあるので。そういう欲求に応えられる、クオリティの高い作品ってのも希少だと思うのですよ。
ゲームに例えれば、『GTA』より『セインツ・ロウ』が好きな人にオススメです。はい、あんな感じです。
あ、ちなみにR18+指定です。前作も含めて地上波じゃ絶対放送できない作品ですな。