「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」


観てきました。地元の川口でも上映していたのですが、あれよあれよと上映スケジュールが冷遇されまして。モーニングから消えただけならまだしも、午後の中途半端な時間帯に1回だけの上映とか、仕事のある日に行くのはちょっと無理があって。川口が先週金曜で上映終了表示、妥協してMOVIXさいたまで日曜日夕方に観賞するかと考えてました。するとスケジュール更新でこちらも金曜で上映終了。あわててネットで検索、新宿ミラノでの朝1回だけの上映が一番条件が良し。仕事明けに出かける事に。川口でモーニング観賞してた場合と比較して、チケット差額と交通費で合計1000円程は出費が加算してしまった訳で。人気無さそうな作品は優先して消化していかなきゃダメですな。
で、新宿ミラノ1。座席もスクリーンも日本最大級の映画館です。Twitterの方でもつぶやきましたが、ここで観賞した事をはっきり記憶しているのは『スターウォーズ ジェダイの復讐』ですから27年前。もしかしたら『スクリーム2』か『ラストサマー』をここで観た気もしますので、それでも13年前ですね。中学時代は映画を観ると言えば新宿を頻繁に利用してました。紀伊国屋書店アニメックの存在が大きかったですし。高校時代からは、マリオンができてからは有楽町がメインになりました。新宿や池袋に比べて周囲の客層の質も良く、劇場自体も綺麗な所が多かったので、快適に観賞できましたからね。


さて、物語は前作から数年後。ドイツの人工衛星基地に侵入した猫によって、極秘のコードデータが盗まれる。その直後、犬と人の生活を守ってきた、犬によるスパイ組織「DOG」は極悪指名手配猫キティ・ガロアからの犯行声明を受信。48時間後に、犬だけを狂わせる電波「野生の呼び声」を流して人との関係を壊し、邪魔者のいなくなった世界を自分が支配するのだと。「DOG」の局長ルーはベテランエージェントのブッチと新米のディッグスを派遣、情報を握っていると思われる鳩のシェイマスを保護に向かわせる。そして、シェイマス争奪戦の相手となった、猫のスパイ組織「ニヤオ」のエージェント・キャサリンも合流し、犬と猫が手を組む事になった…。


正直、物語は良くありません。まあ作品的にも子供向けですからね。細かい事にツッコむのは野暮。犬や猫の可愛さを楽しめれば十分でしょ。
ただ、犬はある程度の演技ができるのですが、猫は性質上からアニマトロニクスやCGの比重が多くなり、ちょっと絵的に不自然な部分が目立ちましたね。猫好きとしてはその辺りが少し残念。
暗殺猫のマクドゥーガル兄弟も、前作のロシアンブルーやニンジャ猫にはインパクトで劣りますね。
それから、前作の犬エージェントたちが登場しているのは世界観の継続としてポイント高し。主役だった子犬のルーが、今回は局長に出世してます。一方で前作の敵ボスだったティンクルズは『羊たちの沈黙』のレクター教授のパロディで登場、部下のキャリコもちょろっと出てます。
吹替の声優さん、ディッグスは浪川大輔さん、ブッチは玄田哲章さん、ルーは子安武人さん、キティ・ガロア勝生真沙子さん、「ニヤオ」のタブ局長は内海賢二さんと、存在感のある配役もなされてましたね。吹替版だったため実際には聴けなかったのですが、字幕版だとブッチの声はニック・ノルティとか、タブ局長の声はロジャー・ムーアだとか、こちらも豪華。
そうそう、一番可愛いのが犬でも猫でもなく、キティ・ガロアのペットネズミのジューシーちゃんなのはどうかと。
キティ・ガロアスフィンクスなんだけど、物語上ではエージェント時代に事故で薬品の中に落ちて全身の体毛を失った設定。このシーンはバートン版『バットマン』のジョーカー誕生を連想させました。
で、『バットマン・フォーエバー』『バットマン&ロビン』でロビンを演じたクリス・オドネルが、ディッグスのパートナーの刑事役で出てるんですな。


評価としては10点満点で5点ってとこかな。前作の方がはるかに面白かったし、コメディ部分にも毒があった。今作はそれを越えていないし、かと言って犬猫の可愛さも十分に描けていたとは思えない。早期に上映終了しても仕方無いですな。