「バイオハザードIV」「ナイト&デイ」


台風の中…と言っても実際にはちょっと雨に振られた程度で帰りには止んでいたのですが…2本ハシゴで観てきました。
まずは『バイオハザードIV』。3D吹替版での観賞です。なかなか気が乗らないで先延ばしにしている中、アチコチで上映スケジュールが減っていって、慌てて消化した感じですね。
まあ、シリーズ作を観ている人なら実感するでしょうが、作品を重ねる毎に微妙になっていってまして。加えて3Dでの割高料金ですからね。正直言って観なくても…と思ったのですが、やはり全部観てますからね。スルーすると居心地が悪い気がして。


物語は前作のラストから続いています。アリスは自分のクローンたちを開放し、共にウェスカーのいるアンブレラ東京本部に奇襲。だがクローンたちは掃討され、ウェスカーにも逃げられてしまう。そこでアリスは、ヘリでアルカディアに向かったクレアたちと合流するためにアラスカへ。そして、無人のアラスカでアリスを襲ったのは、胸に謎のディバイスを付けられ記憶を失ったクレアだった…。


えーと。映画版独自のストーリーを突っ走っていますので、ゲームではなく映画の方をしっかり追いかけていないと置いてきぼりですね。特に冒頭のアリスクローン軍団なんて、もう少し描き様があったと思いますし。
前作から引っ張ってきたアルカディア、クリスの登場、ウェスカーとの決着、何と言うか全体的に雑な作りなんですな。そしてラストも次作に続くのを前提にした終わりかたをしてますし。いや、連続物の真ん中としても、こんなに地味な「承」や「転」は無いだろうと。
映像的には、最初から3Dありきで製作しているため、構図や臨場感は良く出来ていると思う。ただそれを魅せるためのアクション演出はとても古くてダサい。今どき『マトリックス』かよと。まぁ、本家のゲーム作品の方も似た様な物なので、そこにツッコむべきではないかもしれないが。
敵キャラとして『5』からマジニを採用しているので、ゾンビの印象が弱い。大量に出て一気に掃討される紙クズの様な扱い。感染といった特徴も描かれず、一番強い印象を残すゾンビが冒頭の東京で登場する中嶋だというのがね。だから、まあ、「ゾンビ映画」では無いよな。
エンドロールの後に日本語キャストがクレジットされたのを見て「?」と思ったのがジルの名前。え?何処に出てた? まさかエンドロール中にインサートカットされた彼女? 次作って、そんな展開なのかよ…うーん。
私はダメ映画やバカ映画に耐性がある…と言うか、喜んで観るタイプなのでむしろ嫌いじゃないんですが、この作品、観た人の何割くらいの人がガッカリしただろうな。期待しないでダメな所にツッコんでやろう的な観賞姿勢が正しいと思います。逆に面白い映画が観たい、入場料分の元は回収したいと思っている人は避けた方が無難です。そんな作品。いやあ、いつまで続けるんだろうね、このシリーズ。
10点満点評価で5点ってとこかな。




で、気分を変えて『ナイト&デイ』。トム・クルーズキャメロン・ディアスの共演。あ、タイトルの「ナイト」は「K」の付く方です。
カンザス州ウィチタ空港からボストンへ帰る飛行機に搭乗しようとしていたジューンは、素敵な男性とぶつかる。機内で会話を交し、彼に好印象を抱いた彼女は、彼…ロイから冗談の様な告白を受ける。「パイロットは僕が殺した。このままでは墜落するから僕が操縦して不時着させないと…」。彼の言葉に大爆笑したジューンを置いて、ロイは操縦席へ。機体の揺れと共に客席から倒れてくる乗客たちの死体。そしてパイロットたちも死んでいた。パニックに陥ったジューンをなだめ、ロイはトウモロコシ畑に不時着させる…。


スパイ物。仲間の裏切りによって自分が追われる身となってしまったロイが、空港のゲートを通過するためにジューンを利用した。ところが結果としてジューンの身まで危険にさらされる。そこでロイは彼女を守るために一緒に行動をする事を選ぶ。そんな展開です。
トム・クルーズでスパイ物と言えば『ミッション:インポッシブル』が連想されますが、こちらはもっとコメディ色が強い感じ。素人であるジューンにペースを乱され、それでも冷静に対処していくロイ、その2人の対比がなかなか良いバランスになっています。もちろんアクションもラブロマンスも十分に散りばめられていますね。
まあ、物語的展開もこうなるだろうなと予想通りの流れで、意外性は全然無いんですけど。安心して観られて、で観賞中は飽きずに、観終わった後は爽快感だけを残して他には何も残らない感じ。
後は、セリフのセンスとかも良かったですね。ラストシーンもそれが活かされていて、私はとても好きですね。
結構あちこちの場面でバカやってて、それも好評価。
10点満点評価で8点。うん、これは間違いなくDVDが出たら買います。面白かった。