「アンストッパブル」「キック・アス」


さて、今年初の劇場観賞となりました。元々の予定は『キック・アス』だけで。渋谷での観賞を考えていたのですが、三郷のMOVIXでも上映している事が判明したのでこちらへ。『ウルトラマンゼロ』の時にもらった招待券があったので、交通費分を差し引いても格安で観られるってのがポイントでしたね。渋谷だと混む気もしましたし。
で、三郷に行くのは初めてでした。いつも流山に仕事に行く時に通過している駅で、ララポートとかがあるのは見知っていました。
しかし、誤算だったのは立地。パッと地図で見た時は歩ける距離だと思っていたんですが、間に立ち塞がる団地とかで方向感覚が狂いまして、迂回、迂回で予定以上に時間がかかり。到着したのが『キック・アス』上映時間の20分後と。11時台の次は16時台なんですわ。うわ、5時間近くもどう時間つぶそう…。そこで上映時間をチェックして、観たい作品の中で時間的に都合の良い物から選択。保留してあった『アンストッパブル』を観る事にしました。


アンストッパブル』の物語は単純明快。無人のまま暴走してしまった列車777号、積荷の中には毒性の強い溶剤が含まれており、脱線すれば周辺は大惨事となる。そして、列車は田園地帯から市街地へ突入。39両800Mの圧倒的な質量は、鉄道会社の対応を次々に蹴散らしていく。777号と同一線上に牽引車1206号があった。新人車掌のウィルとベテランのフランクは接続していた貨車を切り離し、777号を追い始めた…。


ストーリーも単純、登場人物も類型的。しかし、そこはトニー・スコット監督。スピード感あるカット割りと演出で暴走列車の重量感と迫力をこれでもかと描き出している。展開も観る者の予想の範囲に収まり、ラストも安心感のあるまとまり方。後に何も残らないとは言え、上映時間中はスクリーンに引き込まれる、アトラクション・ムービーとしては完成度はかなり高い。
10点満点評価で7点という感じか。何度も繰り返し観るタイプの作品では無いし、劇場で観賞すべき作品だと思います。


キック・アス』、主人公のデイヴはアメコミヒーローオタク。ヒーローになりたい想いから、ネット通販でヒーロースーツを購入、街の自警に乗り出す。しかしデイヴには身体的能力も特殊装備も無い。悪党に立ち向かえるはずもなく、瀕死の重傷を負い全身に金属が埋め込まれ神経の異常から痛みを感じなくなった。再びヒーロー活動を始めたデイヴ。満身創痍になりながらも暴漢を撃退した彼の姿は、周囲の野次馬たちによってYouTubeにアップされ、「キック・アス」という名のヒーローは一躍有名になった。
そんな中、憧れの同級生の女の子ケイティと親密になるデイヴ。彼女の悩みを聞いた彼は、不良のボス、ラズールのアパートに乗り込む。だがやはり反撃を受け、生命の危機に陥る。そんな時、ラズールの胸に刃物が深々と突き刺さる。登場したのはヒーローコスチュームをまとった少女。彼女は「本物」だった…。


昨年秋の映画祭で絶賛、その評判が口コミで拡がり、年末の公開で少ない上映劇場に観客が集中、徐々に上映館を増やしていった作品です。年末年始ではTVでもそこそこ紹介されていた様ですね。
アメコミヒーローのパロディ的作品で、キック・アスと、もう1人の素人ヒーロー…レッド・ミストの対比に、その要素がよく出ていると思います。そして「本物」、ビッグ・ダディとヒット・ガールの父娘。こちらは復讐のために鍛練を重ね、銃器を準備し、悪人を殺す事をためらわない。
いや、もうね。ある意味、美味しいところを全部ヒット・ガールが持っていっちゃった。中盤から以降は彼女が主役って感じでしたよ。
そうしたキャラの魅力もたっぷり、展開やら演出やらのエンターテインメント性も満載。見所だらけで何度も繰り返し観賞したい作品でした。
一方で。グロ描写は容赦無いです。悪人の殺され方、ヒーローたちの痛めつけられ方。そういう痛い場面に免疫の無い方は避けた方が無難です。後は性的な表現もあちこちにありますね。序盤からデイヴはパソコンを前にパンツを脱いでセルフバーニングですから。
それから、ニコラス・ケイジ演じるビッグ・ダディの静かなる狂気とか。11歳のヒット・ガールが躊躇いも無しに悪人を殺戮しまくるとか。この辺りの描写は抵抗ある人も多いんじゃないかと。
「有害作品」として槍玉に上げられてもおかしくない作品だと思いますので、あまり有名になるのもどうかなと。カルト作品はカルト作品でファンが楽しむ物であってほしい気もします。
個人的にはかなり気に入りました。10点満点評価で9点つけます。今年はいきなり凄いのを観ちゃったなと。まあ、作品自体は昨年公開なんだけど。これはディスク購入決定です。
あ、パンフは品切れでしたがヤフオクで落札しました。