「マイティ・ソー」


ユグドラジルが結ぶ9つの世界、その中の一つアスガルド。神々の王オーディンは、息子の一人ソーに王位を継ごうとしていた。
その継承式典の最中、敵である氷の巨人たちが侵入。巨人たちを撃退しただけでは収まらず、ソーは仲間たちを引き連れて、巨人の国ヨトゥンへイムに襲撃をかける。暴れ回るソーたち。再び戦争が引き起こされるその危機は、駆けつけたオーディンによって回避された。
オーディンの怒りに触れたソーは王位継承権を剥奪され、神の力も奪われ、人間の世界ミッドガルドに追放された。
天文物理学者ジェーン・フォスターは、ニューメキシコでの異常現象を観測中に、落下してきたソーを保護する。
一方、ソーを追う様に地上に落下してきたハンマー、ムジョルニア。誰にも持ち上げられないそのアイテムは、秘密機関SHIELDによって隔離、調査が開始されていた。
病院で意識を取り戻し、現状に戸惑うソー。ジェーンの協力を得て、ムジョルニアを回収するために現場へ向かうが…。


というわけで、マーベルコミックのクロスオーバー映画作品、今回は北欧神話を題材にした異色作。原作の絵は何度か目にした事はあるのですが、他の作品と違って内容に関しては全く知らなかったんですよ。
まあ、北欧神話についてはある程度の知識はあるので世界観にすんなり入り込めるかなとは思ってたら…知ってるからこそツッコミたくなる箇所満載だわ。フレイもフレイヤもテュールもノルンも出てこないし。ヘイムダル、なんで黒人なんだよ。
あ、カタカナ表記が日本で多く使われている物と違うので少し抵抗あるかも。ソーは雷神トール、ムジョルニアはミョルニールって書けばわかりやすいかな?


ま、それはさておき。物語の構成はとてもオーソドックス。異世界のゴタゴタ。能力の剥奪と追放。裏切りと追撃。力の奪回と敵の撃退。話の幹だけならシンプル。基本的にはソーさん無双でできてますからね、この映画。神としての力を失っている時でさえ人間相手にはほぼ一方的。力を取り戻したらもう無敵という感じでした。
この作品単体での評価だとソーさんカッコイイしか無いのが弱い所かな。他のアメコミ映画と比較すると地味な印象はあります。クロスオーバーのキャラクター紹介編ですからね。その辺は妥協するしかないか。


さて、リンク部分。おなじみSHIELDのコールソンがムジョルニルを回収、これは『アイアンマン2』のラストにもありましたね。ガンマ線の研究者が行方不明、これは『インクレディブル・ハルク』。ジェレミー・レナー演じる兵士が弓でソーを狙う、このキャラはホークアイっていうヒーロー。オーディンの武器庫にインフィニティ・ガントレットなどがあった、これは『アイアンマン』でキャプテン・アメリカの盾が出てきたのと同じお遊び程度か。で、エンドロール後の映像でニック・フューリーが出てくる、それからコズミック・キューブも。これが『アベンジャーズ』につながるんですかね。


オーディン役のアンソニー・ホプキンスは他の出演作品と比べて迫力に欠けた気がしたな。ジェーン役のナタリー・ポートマンは可愛かった。吹替はやっぱり坂本真綾さん。もう完全に専属声優さんって感じですね。
ソーさんの仲間は、女性のシフさん以外はキャラが弱かった感。その中の一人が浅野忠信さんだったりするのですが。


10点満点評価で7点ってとこですかね。いや、個人的には十分に満足でしたが。3Dはホントに意味が無かったと思う。まあ、とりあえずクロスオーバーの連作なんで、全作品観賞するつもりですから「お祭り」として楽しめれば良いかなと。
次は秋に公開される『キャプテン・アメリカ』ですね。