「それぞれの空に」


2008年の作品。
イラクからの帰還兵、退役のチーヴァーと30日休暇のTKとコーリー。アメリカに戻ってきたものの、大停電の影響で飛行機が欠航。目的地が近い3人はレンタカーを借りて陸路で同行する事になる…


戦地で心身共に傷を負った帰還兵。だが休暇で戻った祖国の人々も、誰もが彼らをあたたかく迎え受けてくれるわけではなかった。で、お互いにすれ違い、理解し合い、それぞれの目的地を経て再び戦地へ。
よくあるロードムービーの基本から大きくズレていない安定した作りですね。戦地での命の危険性も、冒頭だけではなく、地味にアチコチにちりばめられている感じ。戦地と安全な祖国のギャップ、そして3人それぞれが抱える問題、そうした描写が3人のキャストの良さも引きだして、とても良質の作品に仕上がっていますね。
ロードムービーならではの、いろんな風景をパアーっと映してくれるのも見応えがありますし、適度にトラブルが起きるのも、飽きずに観賞できる良いテンポになっています。
ただ、戦争関係の悲惨さとか非人間性だとかは薄めというか軽めというかなので、イラクネタだからと言って『ハート・ロッカー』や『グリーン・ゾーン』みたいな作品を期待すると肩透かしです。

この作品でレイチェルの演じるのは女性兵士のコーリー。DVDには吹替音声は収録されていませんでした。で、軍人さんなので性格は粗野で行動も割と大ざっぱなのですね。英語の細かいニュアンスは判別できませんけど、言葉使いもかなり男っぽくなっているんじゃないかと思います。3Pだのバイブだの、アダルティな話もバンバンするし。このタイプのキャラを演じるのは珍しいですね。って言うか、唯一の激レアじゃないですか。『ホット・チック』の中身が男のパターンとも少し違うし。
で、髪をまとめてる時にはそれなりにりりしい表情作りなんですけど、髪をほどくとムチャ女の子らしく可愛くなるのよ。この作品でのレイチェルは個人的には上位だな。


というわけで、レイチェル・マクアダムス出演作品、国内で普通に観賞できる分に関しては視聴コンプリートしました。劇場観賞時に一度レビューしている3作品は後回しにするとして、次のレビューは『きみに読む物語』か『きみがぼくを見つけた日』ですな。来週には『恋とニュースのつくり方』のセルディスクも発売されるので、これで12作品のディスクが手元に揃います。好きな俳優女優でビデオとかLDとかDVDとかを購入する事も多いんですが、全部揃えたのはレイチェルが初めてですわ。監督作品とかなら過去にも何人か達成してるんですけどね。それだけレイチェル・マクアダムスが好きなんですな。
今後も何作か出演している作品が判明しているので楽しみでなりませんわ。まあ、とりあえず、ウッディ・アレンの『Midnight in Paris』を早く公開しろと。