「スパイキッズ4D ワールドタイムミッション」


えー、諸々の事情によりレビューがかなり遅れてしまいました。この作品を劇場観賞したのは10月14日でしたか。


物語は前作『スパイキッズ3D』の7年後。諜報組織OSS工作員マリッサは、前作のスパイキッズカルメン&ジュニ姉弟の叔母にあたる。臨月中に犯罪者チックタックを追っていたマリッサは、任務達成の直後に出産、そのままスパイを引退する。彼女の夫ウィルバーにはレベッカ&セシルという連れ子がいるのだが、マリッサと姉弟との距離はなかなか縮まらない。そのきっかけにと、マリッサはレベッカに赤い石のペンダントをプレゼントする。
同じ頃、世界中で時間が加速するという奇妙な事件が発生する。それはチックタックと、そのボスであるタイムキーパーの仕業であった。彼らの狙いは究極の兵器「アルマゲドン装置」、その起動に必要なアイテム「クロノスサファイア」こそ、マリッサがレベッカにプレゼントした赤い石なのだった。やがて、悪の魔の手は姉弟に迫る事になる…


私の大好きなロバート・ロドリゲス監督の作品。今や3D作品が乱発されている映画業界ですが、ロドリゲス監督は前作『スパイキッズ3D』や『シャークボーイ&マグマガール』で赤青メガネの3D作品を撮影しております。で、今作では偏光グラスにバージョンアップ、それに加えてもう一つ「匂い」という要素を加えました。観賞時に渡されるカードに1から8までの番号が付いていて、スクリーンの指示に合わせて指で擦って匂いを体感するという物です。まあ、試みとしては面白いし、チープはチープなんですが…成功しているかと言うと、うーんですなあ。
と言うのも、作品中の現象とカードの匂いがシンクロしてないんですわ。例えばブルーチーズ(作品)がブドウ(カード)、ウンコ(作品)がチョコレート(カード)、鼻くそ(作品)が青リンゴ(カード)の様に。たぶん、監督はスクリーンでウンコの時、カードもウンコにしたかったと思うんですよ。ってか、そうじゃなきゃ意味ないじゃないですか。これ、興行会社側がNG出して改変しちゃったのかなあ?なので、一番の売りになったであろうアロマ要素は何の意味も持たなくなっちゃいました。
3Dに関しては、目新しさも薄れましたし、これより凄い作品は幾らでもあるので、まあ、普通かなあと。バトルの舞台となる時計の歯車が交差する場所、ここはなかなかデザインも迫力も良かったですね。うん、それくらい。
監督がやりたかったと言ってるスパイ犬アルゴも、『キャッツ&ドッグス』なんかの後ではイマイチかなあと。

まあ、ガジェットは楽しいし、本来の対象年齢を考えればかなり良く出来た作品だと思います。さらに、カルメン&ジュニもけっこう出番が多いですし、旧シリーズのファンならぜひとも観賞をオススメします。1作目よりは下ですが、3作目よりははるかに面白かったですよ。
10点満点評価で7点かな。このまま新シリーズとして展開していってほしいです。
そうそう、ダニー・トレホ。一カットだけですが、はっきりと出てるのが確認できますね。チーチ・マリンは残念ながらいないようです。アントニオ・バンデラスも出てるって聞いたけど、私はわからなかったなあ。