ボーン・レガシー


10月4日に観てきました。マット・デイモン主演『ジェイソン・ボーン』三部作の外伝的な作品です。


物語の時間軸は『ボーン・アルティメイタム』と同時期。ジェイソン・ボーンの行動によりCIAの極秘計画が暴露されようとしている。「トレッドストーン」「ブラックブライアー」の両計画だけでなく、自身の指揮している「アウトカム」計画にまで飛び火しかねないと知ったCIAのリック・バイヤーは「アウトカム」を破棄し、その裏で進めている「ラークス」計画を死守する事を決断した。そして、切り捨てられていく「アウトカム」の実験体エージェントたち。
「アウトカム」計画のエージェントたちは、ステリシン・モルランタ社で精製されている薬を定期的に服用する事によって、身体、精神ともに超人的な能力を発揮する。しかし、服用しなければ死へとつながるのだ。
アラスカで訓練中のアーロン・クロスは、リック・バイヤーが彼を処分するために放ったミサイルをかろうじて回避する。薬も底を尽きたアーロンは、その調達のためにステリシン・モルランタ社へ向かう。
一方、ステリシン・モルランタ社にもリック・バイヤーの手は伸びていた。職員の一人が薬を精製していた部署の同僚を射殺し、自らも自殺したのだ。その事件の唯一の生存者であるマルタ・シェアリング博士の自宅にも工作員が訪れる。同じタイミングでアーロンもマルタ宅にたどり着くが…。


まあ、正直言って微妙な出来ではありました。『ボーン』三部作が安定して面白い出来で完結しているわけで、その旧作と比較されてしまうのは必然で、最初からハードルは高いんですよね。
ボーンが記憶喪失という設定の上に、行動や戦い方も洗練されたエリートエージェントの印象が強かっただけに、今作のアーロンは未完成的で泥臭くて、主役的な印象を受けないんですよね。むしろ主役に差し向けられて、最終的には撃退されてしまう敵役という感じ。
ストーリーに関しても、裏で起こっている『アルティメイタム』に比べると、薬を取りに行くのが目的と小さくまとまっちゃってるし。
ラストの戦いも、相手が「ラークス」計画のエージェントという割には全く凄みが無くてね、正直言って盛り上がらなかったですわ。作品全体を通して見ても、モルランタ社での射殺事件と、マルタ宅でのアーロンの活躍くらいが山場だったかなと。
リック・バイヤーもせっかくエドワード・ノートンなのに、全然知的な存在感を魅せてくれなかったし。まあ、これはその指揮下での「アウトカム」処分の実行班のやってる事が雑すぎるのが要因かな。
まあ、『ボーン』三部作とのリンクという制約がある事を考えると、なかなか上手くまとめるのも難しいと思うので、企画自体がムチャだったのかな。
これは『アーロン』何部作の誕生編って位置づけみたいだし、一応は今後のマット・デイモン出演の可能性も無いとは言えないし、続編はこれより面白くなっている事に期待したいですね。とりあえず『ボーン』三部作を観てない人は観れ。
あ、最後にこれだけ言わせて。ジョアン・アレンの出番、もう少し多くてもいいんじゃない?