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梅棒 2nd Act『ウチの親父が最強』

梅棒というダンスエンターテインメント団体の2回目の単独公演、『ウチの親父が最強』を観てきました。1月25日と、昨日2月1日、そして今日の東京公演最終日にも行ってきます。今回はこの舞台について少し書いてみたいと思います。
ただ、私が今まで舞台を観劇したのは両手の指に足りない程度ですし。ダンスに関しても、そういう要素のあるアニメ作品から少し興味を持ち始め、扉を開いて中をのぞいてみた程度ですので、勢いだけでけっこう的外れな事とかを書くかもしれませんが、その辺はご了承ください。

以前に「舞台ドリームクラブ」と、そこで玲香さんを演じていた小板奈央美さんをこのブログで紹介した事を憶えていますでしょうか? 微力ながら彼女の活動を応援しているのですが、その過去の活動の中で何度も梅棒の公演に参加されているのですね。それでこの団体の名前を憶えて興味を持っていたわけです。
で昨年の11月でしたか、小板さんが梅棒の公演への出演をTwitterで告知されまして、私は仕事の休憩中だったのですが速攻でチケットフォームにアクセスして行けそうな回のチケットを予約しました。それからはもうずっと公演を楽しみにしていましたね。



さて、『ウチの親父が最強』という作品。梅棒の公演ですからダンス主体になります。普通に演技をしていたり静な場面の溜めはあるのですが、それすらもリズムに組み込まれてると錯覚するほどダンス尽くし。
そして、ここ重要ですが、ほとんどセリフがありません。と言うかキャストの皆さんは口パクをしているのですが、そのセリフが聞こえる事はまず無いです。実はダンスにかかる音楽としてJ-POPが次々に流れていくのですが、その歌詞がキャストの演技と口パクにピッタリとハマるのですね。この演出に最初に気づいた時はホント感動しました。
この作品の物語自体はとても単純で、五十嵐家が幾つものトラブルに巻き込まれながらも頑張る。そのトラブル相手となるヤクザ屋さんの下っぱ瀬名君と、五十嵐家の長女あられさんのロマンス。基本的にはそれだけです。でもその簡略化された筋が逆に効果的になっていると思うのですよ。セリフが無く、そもそもセリフでの語りや説明を必要としない。その分、ダンスや全身を使った感情表現、そして表情、そうした視覚からの情報がダイレクトに伝わってくるのです。言語を介して一度咀嚼する必要が無い分、観客の笑いや泣きといった感情も素直に引き出されているんじゃないですかね。そこに、前述したJ-POPの歌詞が沁み込んでくる。とても効果的だと思いますし、だからこそ観ていて、体験していて気持ちよい。観た人たちが皆さん絶賛しているのも不思議ではないです。
物語は単純と言いましたが、タイトルにある親父、そして家族。一応、テーマはそこになるんでしょうけど、たぶんですね、その「家族」って括りには縛られてないと思うのですよ。もちろんそれは血のつながった家族でもあるのですが、それが好きな人だったり、友人だったりね、あなたにとっての大切な人。そういう人とのつながり。その人の笑顔のためなら頑張れる。その人と一緒に笑顔でいられるならどんな困難が立ち塞がっていても生きていける。そういう気持ち。たぶんそういう事じゃないかな。だから五十嵐家と瀬名君だけではなく、最終的には敵対してたヤクザ屋さんたちも大切な「家族」になって、一緒にハッピーエンドを喜べる。そういう気持ち良さが観ている側に伝わって、演じたキャストの皆さんも、観客の皆さんも、最後は笑顔で帰っていける。そんな素敵な作品なんですよ。


それからですね、自分の視野ってのは限られていて、ステージの一方に集中していると逆サイドってのは認識しづらいのですよ。一回目で追いきれなかった側を意識して観ると、そちらでも細かい芝居がされてたりね。そういう見逃してしまった所を改めて観たくなります。
それだけではなく、一回目に観た時と比べて明らかに演技が変わってる場面もいくつかありました。それどころか、確か2人のシーンだったはずなのに今日は3人になってたりとか。そういう感じに公演を重ねる毎にどんどん書き換えられていってるんだな、舞台ってのはやっぱり生きてるんだなと思いましたね。
そして、この作品はトリプルキャストになっているのです。東京公演でAとBは梅棒のメンバーが4人ずつプラス9人、それとは別に大阪公演では梅棒8人プラス5人という構成なんですね。そして、それぞれが演出やキャラ設定が変わってくる。つまり3パターン違った内容になるって事で。…小板さんが出演されるって事で3回ともAキャストでチケットを取りましたけど、これを知ってBも観たくなりましたね。そして大阪にも行きたかった。うーん、残念。
演出が違うと言えばですね、劇中にドラマ「ロングバケーション」のセリフ音声がそのまま流れる場面があるのですよ。キムタクと山口智子の人気ドラマですね。ああ、それで彼氏役の下の名前が「瀬名君」な理由がわかりました。なかなか下の名前としてはあまり聞かないですからね。
で、Bキャストの方の彼氏役の方も下の名前を見ると「完治」w こっちは「東京ラブストーリー」を使ってるって事ですよね。
そしてワンちゃんの名前もAとBで違う。これも明らかに演出が別って予想つくじゃないですか。
大阪公演の方も、あられさん演じる小板さん自身が「似ても似つかぬ全くの別人になります」と発言されてて、めっちゃ気になりますし。
両方を観れる人がホントうらやましいです。
こんな感じで、基本設定としての人物配置は同じでも、実際にはそれぞれが別物になっていて、それで何度観ても楽しめる作品になってるんですね。と言うか、実際に同じAキャストを観ていてもとても簡単には消化しきれないですわ。前売りチケットが完売するのもうなづけますし、リピーターがたくさん出てくるのも当然という気がしますね。


そうそう、公演前から小板さんが御自身のブログで共演者の方々を紹介されていまして。特にAキャスト、梅棒以外の8人。顔と名前とどういう方なのか、それを実際に観劇する前に予習できたのはとても助かりましたね。その情報とパンフでの紹介である程度の下地ができていましたので、すんなりと舞台に集中できました。とは言っても、こちらの予想を超える形で実際のパフォーマンスを魅せてくれるわけですが。
では、何人か特に強い印象に残った方について触れてみたいと思います。



まずは何と言っても小板奈央美さんです。あ、パンフにサインをいただきました。
一家の長女のあられさん役。前述した通り、瀬名君とのロマンスもある実質ヒロインですね。そうした軸があるために恋心を表現した可愛らしさ、関係が引き裂かれる事による泣き、家族…特におじいちゃんやパパに向けられた優しさ、そして終盤展開での力強さ。コミカルな所もあり、スマートさも感じさせ、時には凛々しい。そしてラストの美しさ。見所だらけのキャラだったと思います。
瀬名君との出合いからつき合うまでのあれよあれよと物語が進んでいくところはステキでした。
私は最前列と2列目で観れたため、コロコロと変わる表情もかなりはっきりと確認できたのですが、ホントに見ていて楽しかったです。
しぐれお兄さんが受験生(おそらく大学)なので、あられさんは高校生くらいでしょうか?恋に恋する様な子で、家族思いでもあり、まんま少女マンガの主人公といった印象ですね。


菊池祐太さん、彼氏の瀬名君役。ダンス未経験との事ですが、それを全く感じさせなかったです。そして演劇系との事もあり、表情がとても良かったです。板挟みになって苦悩するシーン、あられさんとの恋に揺れる微妙な表情とかもきっちり伝わりました。
と言うか、あられさんと瀬名君の二人のシーンは全部良かったですよ。西野カナの「会いたくて 会いたくて」をバックに踊るシーン、二人で踊ってるのにずっと背中合わせだったりすれ違ったりして向き合わないのね。ここ、泣けました。
メインの役以外でもピエロとか受験生とかの役で表情が本当に印象に残りましたね。特に受験生、しぐれお兄さんよりも印象に残る演技で、あの場面での、瀬名君とはまた違った役作りはとても魅力的でした。


Mayukaさん。小板さんと同じ就職氷河期のメンバー。一家のお母さん役。ある意味でこの人が最強と言えるくらい存在感あるキャラでしたが、冒頭でのお父さんとの出会いの場面はとても優雅でしたし、脚もあんなに上がるのか流石だなーと思いました。そして「サウダージ」をバックに演じるシーンはとても良かったですね。家族の中で誰よりもパワフルな存在感を見せる一方で、可愛らしい一面も見せてくれる。魅力的でした。


美優ちゃん、中学生の子。あられさんの子供時代の役。大人たちの共演者に混ざっても全く見劣りしないほどダンスも演技もスゴかったです。そして何より可愛い。この子も表情がとても豊かで魅力的でしたね。同級生に手袋をもらって鉄棒をするシーン、好きです。


野田裕貴さん。しぐれお兄ちゃん役。わりと飄々とした演技のキャラかと思えば、いきなり激しくなったり、コミカルさと、一家を鼓舞する様な熱さと、そのギャップが見ててとても楽しい人でした。


角田大樹さん。ヤクザの構成員の一人、メガネキャラで一見クールでインテリ風。キャラの設定上、暴力的なダンスが多かったのですが、そのパンチとかキックとか系のモーションがとてもカッコ良かったです。無駄な動きがあまり無く、スパッと決まってる感じなんですよね。ラストの方で小板さんとからむ場面がありまして、おいしく目立ってましたね。


パイレーツオブマチョビアンさん、おじいちゃん役。静と動の緩急激しく、コミカルな演技も泣きの演技も強い印象を残してくれました。過去を回想するシーン、観てるこちらの心にジーンと響いてきましたね。かと思うと赤ふん一枚で激しいブレイクダンスを魅せてくれたり、いきなり空中をグルングルンと回転したり、こちらの目をずっと釘付けにしてくれました。またどこかでこの方のパフォーマンスを堪能したいですね。


IGさん、ヤクザのボスの情婦役。女装してますが男性です。そのビジュアルのインパクトも卑怯wですが、ポールダンスの優勝経験もあるとの事で、実はステージ上でポールダンスを披露する場面があるのです。ここのスゴさには瞬きするのも惜しいほど見入ってしまいました。この場面では完全にIGさんが主役でしたね。このパフォーマンスだけでも観る価値は十分にあると思いました。


津田勇輝さん、ヤクザのボス役。大学新体操日本一だったとの事で、ステージ上で所狭しとアクロバットを披露しまくる。とにかく派手でしたね。その軽やかなパフォーマンスとは一転して、役柄上かなり迫力のある雰囲気を発していまして、その幅がより印象に残りました。


客員キャストの紹介だけになってしまって申し訳ないです。梅棒の方も全員が魅力的でした。

あ、小板さんと一緒に写真を撮らせていただきました。せっかくなので、お見苦しいとは思いますが私の顔を晒します

そして、今回の公演で小板さんにスタンド花を贈らせていただきました。
名札のとこ、小板さんのお名前より私の方が大きくなってしまって、実際に現物を見た時「ええええええーーーーーーっ!?………」と絶句してしまいましたが。普通、逆でしょー…私が目立ってもしゃーないやん…
でも、小板さんはスタンド花を贈られたのが初めてだったとの事で、御自身のブログでも紹介していただけました。はい、小板さんが笑顔で喜んでいただけるなら、もうそれで十分です。でも、次の機会がありましたら気をつけねば。


さて、また長くなっちゃいましたので、この辺で。今日の千秋楽で小板さんたちのAキャストを堪能してきます。


大阪公演は2月6日(木)〜2月9日(日)、大阪市北区HEP HALLで行われます。こちらはまだまだチケットに余裕があるとの事ですので、行ける範囲で興味とお時間のある方はぜひご覧になってください。


詳しくはこちらをどうぞ→梅棒 2nd Act『ウチの親父が最強』公式サイト


そして、CSテレ朝チャンネル1『SOLD OUT!』にて『ウチの親父が最強』がノーカットで放送されるとの事です。
3/16(日)24:00〜、3/22(土)23:00〜

詳しくはこちらをどうぞ→『SOLD OUT』公式サイト