『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班

山下聖良ちゃんの出演する舞台『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班の公演を観てきました。トリプルキャスト構成なので公演自体は全部で24公演、加えてトークイベント回とスペシャルライブ回が1度ずつ。私はそのうち、A班公演8回中7回とトークイベントに行ってきました。公演期間は8月10日の初日〜20日の千秋楽までの11日間。場所は東日本橋のアクアスタジオ。公演7回はいつも最前席を確保。トークイベントの時は3列目の席でした。

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さて、『GO,JET!』シリーズはメイン話と番外編的な話を合わせて10作以上ありますが、私が過去に観ているのは聖良ちゃんが出演した『vol.7』と、
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七海絢香ちゃんが 渚役で出演した『vol.10』です。『vol.10』の方は感想記事は書いてません。

そんなわけで、シリーズ作品をほとんど観ていないにわかが書いた感想ですので、的外れな点などあるかもしれません事をご了承ください。

 

ストーリー面など

物語の舞台はいつものバーで。南の島にリゾートに行きたい、でも結局は誰も行けない、という話題から「せめて沖縄の雰囲気だけでも」とガールズの歌唱。

その歌声に惹かれて今回のゲストキャラの蛍と桜が登場。2人は小笠原の南にある神古島から親善大使としてやって来ていて、島のリゾート施設で働いてくれるスタッフを探していると。その話にメグと大地が乗っかり、さらに秋絵さんも登場して、ガールズ以外は神古島に行けるという流れになり、そこで渚の「神のお告げ」があり不穏な空気が漂い始める…というストーリーでした。

 

さて、めでためでたでほぼ良かったで終わっている様にも思えますが、私は初回を観終えた時から千秋楽までずっと引っかかっている事があります。

神古島は本当にあれで良かったんだろうか?蛍と桜は本当に幸せになるんだろうか?と。

リゾート開発をされる事で外部からの文化流入は加速するでしょう。「2億なんぞすぐ取り返せる」と言っている事からもそこに無茶が通る事になりそうで。秋絵さん、「金の匂いがプンプンするぞ」なんて言っちゃう人だしなぁ。

島民は優しい人ばかりで、記録に残る限り犯罪が無い、そんな神に守られた島は…失われるだろうなと。

 

 

ストーリー面だけで観てみると、これは他の舞台演劇などと比べると、弱いと言うか薄いです。だから、そこを期待してしまう人にはダメなんでしょう。反面、劇中でのライブパートは12曲、そこを込みで楽しめる人ならコスパは良い。キャラ付けもコミカルにされていて観ていて楽しいので、シリーズのファンになれたら何度でも通いたくなる作品だと思います。あるいは、誰か出演者のファンであれば、その人の演技、歌、ダンスを総合的に堪能できますので、来て損は無いと思います。気になる出演者が何人もいるならなおの事。

 

 

劇中に披露される楽曲は12曲ですね。本編の前後にガールズの曲、ガールズそれぞれメインが1曲ずつ。蛍と桜のソロ曲がそれぞれ2曲ずつ。渚、JET、大地のメインがそれぞれ1曲ずつ。

JETメインの『Surfin. U.S.A.』はトークイベントの時にC班あかね役の伊田麻友香さんによる振り付け講座がありまして、できる人は一緒に踊るの推奨でした。私はがんばってみましたが(聖良ちゃんが嬉しそうな顔をするので、踊らない選択肢はありません)最前席で横目で見える範囲では、あまり踊ってる人はいなかったかな。

あと、『vol.7』の時はペンライト(サイリウム、キンブレなど)は本編終わった後の2曲だけ振っていいって事だったのですが、今回は本編でもOKだと言われまして。初日は様子見だったのですが、2回目から蛍と桜のソロ曲で振ってみて、徐々に増やしていって、千秋楽では『Surfin. U.S.A.』以外の曲は渚や大地のメイン曲も含め、全部振ってみました。最大4本持ちで。

とは言え、後ろの席の観劇の邪魔にならない様に高さ的には自分の胸くらいですし、左右の方への遠慮もあったので、劇ドリの時ほど本気は出さず。

ペンライトも蛍と桜には何人か見かけました。他にはミッツへの青と渚への赤を見かけたくらい。ここの常連ファンの人の感覚とペンライト応援文化は合わないのかもしれませんね。

そんな感じでライブパートにも積極的に参加していく事ができるので、私としてはとても楽しい要素でしたね。

 

 

山下聖良ちゃん:桜役

さて、聖良ちゃんが演じるのはゲストキャラの1人、桜。真っ白なワンピースの儚げさ。閉ざされた神古島から30年振りに外界へ出てきた女の子。つまりそれは外の文化や人々と直接に交流するのが生まれて初めてという事で。最初に店に現れた時は蛍の背後に隠れ気味だったり、相手と目を合わせるのが苦手だったり、ちょいおどおどした感じで。

それがソロ曲披露を経て、神古島の話にみんなが興味を持ってくれて、みんなと一緒に歌って踊って遊んで、どんどん明るさが前面に出てくる。そして終盤では自分の意見をはっきりと主張する力強さ。

聖良ちゃんにこの役を振ってもらえて、本当にありがとうと思えるほど美味しくて、そして実力が試される役だったと思います。

 

桜のソロ曲は2曲。まずは原田知世の『天国にいちばん近い島』、神古島のイメージからの選曲でしょうね。同名映画の主題歌。最初は試し試しで歌い出していたのが周囲の反応で次第に乗ってきた感じで。途中、ガールズが親衛隊モードに入って本気応援し始めた辺りではかなり照れからの笑顔が見られるようになります。この変化がとても可愛い。

歌詞の「♩心の海 渡る船が 迷わないようにと Love星が降る Loveその場所に 甘いテレパシー あなた導いて」の辺りがストーリーに少し引っかかる感じかな。

 

そして2曲目は斉藤由貴の『MAY』。こちらも歌っている途中で桜の表情が変化していくのですが、こちらの方が重要。歌詞を聴いていくと桜の心情とリンクしていく。

「♩だけど言えない… どんな言葉もみんなウソなの」「♩でもこれ夢だから 醒めると困るからダメ 教えないわ」「♩ばかね私 あなたを喜ばせたい なのに この夢から出られない 少し うつむいて微笑むだけ…」「♩世界がふるえるほどに いつか この鳥カゴをこわして」

そして、歌っている間に桜自身がこの歌詞にある言葉に気づいて、顔をくもらせ、泣きそうになりながら、蛍をチラチラうかがいながら歌っていく。ここの演技が本当に素晴らしくて。今回の聖良ちゃんのベスト場面は個人的にここですね。

どちらの2曲も元気に歌い上げる曲ではないので、聖良ちゃん自身の素を抑え込んでしっとりと歌う。なかなかに難しかったのではないかと思います。

 

7回観たうち、最初の2回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時はそこばかり追いかけていましたが、3回目からは桜が歌っている時も他のキャラに視線を移して色々な事をしてるのを見比べながら楽しんでました。

そうそう、初日で話がわからなかった時は『天国にいちばん近い島』→映画公開後のニューカレドニア島の独立運動のイメージがあったため、そして「蛍」と「桜」という名前が「死」や「儚さ」をイメージさせる物だったため、もう島は無い、2人も幽霊なのだと予想してました。全然違ったw

 

泉ほたるさん:蛍役

桜とコンビになる神古島のキャラ。桜の目を見てうなづく場面も何回もあるなど、強い意志を感じるキャラでした。ブレない。時には戸惑う桜と違って、ウソをつく事も隠し事も島のために必要な事だと、自分を抑え込んでいるのだと2回目以降はよく伝わってきました。蛍のソロ曲ではその感情をちょっとだけ表したかのような選曲になってますね。

1曲目は菊池桃子の『BOYのテーマ』。後の場面で「愛はいりません」と主張する一方で「お母さんになるのが夢」というセリフ。それが「♩まだ見ぬ人にときめいていた」「♩願いが届くまで あなたを待っていた」と。たぶんもっと幼い少女時代から抱いていた想いなんだろうな、それを今はこの歌を歌って何を思っているんだろうなと。そして相手がBOYなのですから歌ってる主体としてはGIRLなわけです。まだ純粋。

それが次の曲では…

2曲目は薬師丸ひろ子の『Woman』、映画『Wの悲劇』の主題歌で『W』が『Woman…女性』ですので「女性の悲劇」という意味を劇中でほのめかしてる気がします。蛍と桜のソロ曲は4曲とも映画の主題歌なのですが、その中でわざわざ映画のタイトルを出しているのはこの曲だけでしたから、そこに強調したい意図があったのではと思えます。

歌詞の「♩ああ 時の河を渡る船に オールはない 流されてく」「♩行かないで そばにいて」辺りを歌っている時の蛍の心情はどうだったのでしょう。観ていて、とても悲しげに見えました。

蛍というキャラ、桜と対照的で、とても観ていてしっくり来る関係性でした。

 

ここからは台本にあるキャラ並びでいきます。

永井兼介さん:JET役

今回のJETはストーリーにそんなには関わってこないのですが、ライブパートや上手でのガールズたちの場面などで、けっこう色々なことをしてます。桜をメインに観に来ている事もあって、カウンター付近での演技はとても味がありました。騒がせキャラが多いこの作品の中でこういうキャラがいるのは清涼剤として重要ですね。そこをしっかり押さえていたと思います。

あと、何日の公演でしたか、蛍のソロの時に桜に青いペンライトをそっと渡してるのはいろいろな事に気配りできるキャラ感があって良かったです。

それと、『Surfin. U.S.A.』のメインですね。あれはカッコ良かった。

蛍と桜に作ったカクテル。台本には名称が書いてなかったので本人にたずねてみたらオリジナルで考えてるそうで。道理で検索しても出てきませんでした。5回目くらいまでは「ハグミーキスミー」、6回目はたぶん「ラブリーラブリープリティー」、7回目は「スプラッシュなんとか」、千秋楽は「ビトゥイーンなんとか」だったと思います。ちょうど、早紀のセリフがかぶるところなので最後まで聞き取れないのでした。

 

吉田遼さん:あかね役

こちらもJETと同じであまり本筋に深く関わってこないキャラ。でも、同じくカウンター周辺でかなり良い味を出していました。それと冒頭のロハスのくだりのつかみ。

それから終盤ですね。桜の「お母さんになって幸せ?」という問いへの答え。短いですがすごく大事なセリフ。その後の場面で、泣きそうになっているメグにそっと寄り添って肩を抱き寄せてる姿。

実はキャラの中で私が一番好きなタイプで言えば、あかねさんなんですよ。スカジャンにポニテにジーンズのホットパンツ、最強に可愛いです。

 

二宮響子ちゃん:早紀役

過去に2パターンのガールズを観てきて、その印象があったので、今回は何だかすごく美人さんだなぁと思いました。何と言うか、クールビューティー感。でも、舞台が進んでいくうちにそこに混ざってくるへっぽこ感。そして暴力キャラ。そのギャップが新鮮でとても良かったですね。

「聞いてあげようじゃないの」からの身体が動き出して親衛隊モード全力、そこから戻ってきた時の疲れ切った姿とか。

ガチャチェキ、渚衣装の響子ちゃんを引けて、もう見惚れました。巫女服がとても似合うお顔。

 

清家怜緒奈ちゃん:夏代役

ナッツと言うと、私としては聖良ちゃんのイメージ。そして『vol.10』で観た鈴村あすかちゃんのイメージが強すぎなのですが。今回、怜緒奈ちゃんのナッツを観て、すぐ気に入りました。笑顔が可愛くて、泣きそうな時も笑いを取るため変顔気味になる時も、とにかく表情が多彩で魅力的で、観劇中は他のキャラよりも優先的に多く観ていた自覚があります。『vol.10』では別班の渚役だったんですね。

ちょっとこれからも注目していきたいなと思いましたので、聖良ちゃんが出演しない時に『Go,JET』を観に来る機会があれば、怜緒奈ちゃん扱いにする事も多くなると思います。

今回も聖良ちゃんの次に面会しに行ったかな。

あ、イベントの時のジェスチャーゲームで聖良ちゃんとペアを組んだのも怜緒奈ちゃんでした。

 

増野彩夏ちゃん:美月役

今までに観た2回ともミッツは前原未晴ちゃんだったので最初はちょっとイメージ違うかな。聡明で綺麗なお姉さんキャラって感じだなと思って観ていたらどんどん味が出てきて。この人もとても表情の作り方が良くて、セリフの抑揚、立ち居振る舞い、すごく舞台映えする人だなぁと思いました。「あっかんべー」でずっこけるところとか、渚に目を合わせないように壁に張り付こうとしてるところとか、「何かがおかしいんだぉ」の時の表情とか、桜が「MAY」を歌ってる時にとても乙女な事をしてたり。

とにかく要所要所で印象に残る人でした。以前にどこかで観た記憶がかすかにあったのですが、『vol.10』でのメグ役だったと後で気づきました。

 

菅野大地さん:大地役

何と言うか、今回のA班でのMVPじゃないかってくらいインパクトがあって舞台に貢献してたと思います。

ガールズが歌ってる時に下手側、カウンターのところではっちゃけて踊ってるところとか。それに気づいて笑顔がこぼれてしまうナッツの反応も含めて、とても観ていて爽快感がありました。それにところどころで「チリチリ」をアピールしてきたかと思ったら最後に爆発w あれはある意味、本当に「卑怯」だなぁとw そんなおバカキャラなんだけど、「俺が行く」の場面なんかはどこかしらカッコ良くて。ダンスもキレがあるし歌も上手いし、とても良いキャラに仕上がっていたと思います。

 

白尾梨奈ちゃん:メグ役

この子もとても良い表情をいっぱいしていたと思います。印象強いのは登場してすぐの大地のバイトのくだりでの思いっきりの良さと、最後の別れの場面なんでしょうが。大地やJET、あかねと同様、他のキャラが歌ってる時のカウンター周辺での演技とかが楽しかったですね。

別れを告げられる時、大地のソロ曲の時、あの泣き顔と、その後に安心しきっての「いいよ、あげるよ、こんな男」。別れが無くなったとわかったからこそのあのセリフと態度。良い笑顔でした。

 

比嘉ニッコさん:秋絵役

出番こそ他のキャラより少ない感じですが、この人が登場すると物語が展開する印象、重要なキャラ。そして大地と同じくらいにキャラが濃くて、舞台上の空気を全部持って行ってしまう。「動」あるいは「乱」、渚とのキャラ関係性も対照的で観ていて本当に楽しかった。あとは、「金」で動くという濁り感も適度に出ていて、この作品に良い感じでスパイス効かせてくれていましたね。

アフタートークの時だか、イベントの時のトークだったかで聖良ちゃんが「他に演じたいキャラ」として秋絵さんを挙げていました。観たい!

 

桜庭百々天ちゃん:渚役

渚としては七海絢香ちゃんのイメージがあったので、最初に観た印象は「小動物のような可愛さ」でした。基本的に無表情なキャラともあって初日はそれほど注目もしていなく。その時点では歌が上手いなくらいの感じでしたが、決め顔からの落差とか、うつむき加減で歩いてたり、カウンターに座っている時にもけっこういろんな事をしてるなと気づいてから、演技上でも気にかけて観るようになりました。演技に感情を込める事を制限されているキャラですから、難しい事も多々あったんじゃないかと思います。意識し出してからは魅力的で、初舞台という事でまだまだ未熟でもあるだろうし荒削りなんでしょうし、これからの伸び代への期待値という点で、今回のA班キャストで他の舞台などでいろいろな役を観てみたいと思ったのはこの子が一番でしたね。

曲で歌って踊ってる時もポーカーフェイスなのですが、客席に背を向けた時、百々天ちゃんと向き合った人がだいたい笑い出しているので、きっと緊張解いて笑ってるんだろうなと思いましたね。すぐ客席側に顔を向けた時にはまた無表情に戻ってますが。

舞台上ではなかなか伝わらないかもしれませんが、面会時に見せてくれる満面の笑顔や目力はめっちゃ可愛いと思いました。

なので、これからも期待して、舞台や何かしらのイベントへの出演に、私の予定が合えばまた観に行きたいと思います。がんばってほしいです。

 

 

基本的に聖良ちゃんを観に来てるわけで、回数が少なければそこに集中しての観劇になってしまうのですが、今回は余裕があった事もあって、後半の回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時にも他の人に注目して観ている事もけっこうありましたね。

面会も『vol.7』の時は聖良ちゃんだけ、『vol.10』も絢香ちゃんだけにごあいさつしてたのですが、今回は全員にはできませんでしたが、毎回いろんなキャストさんとお話しさせていただきました。

回数を観てれば親しみも愛着もわきますし、他の班を観ていればそちらでも同様に思ったのでしょうが、私はA班キャストさんが全員好きですね。観れて良かった。出会えて良かったと思います。機会があれば、『Go,JET』や他の舞台などでお会いしたいです。

さて、今回はスケジュール調整や生活リズムの点でそれなりに無茶を通しての観劇でした。今後は1回の公演でこれだけの回数リピートできる機会はそうそう無いかと思いますが、とても楽しく充実した日々でした。

 

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物販ではA班全キャストのサイン入り&集合写真付き台本を購入。それと、今回もガチャチェキがあったので運試しの意味で毎回チェレンジしてみました。全部で20枚ほど回して、聖良ちゃんが写ってるのはあかね衣装のスカジャンと、A班全体の2枚を引きました。全体チェキの方の文字は百々天ちゃんだそうです。

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こちらは聖良ちゃん扱いでチケットを予約すると面会時にいただける特典の日替わりブロマイド。8公演+イベント回分で全9枚、私はそのうちの8枚まで集めました。(ちなみにこのブロマイドを撮影したのは、劇団ひまわりの二階堂姫瑠ちゃん)

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今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。

この時期はやっぱりひまわりだろうと。キャラのイメージがわかっていればピンクや白を混ぜる事もできたのですが、前もって発注するとなかなか難しいですね。

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そして今回も花の宛名札に聖良ちゃん直々にメッセージを書いていただいていました。本当にありがとうございました。