『INTRABORDER』

f:id:dyna_red:20180625100045j:plain

f:id:dyna_red:20180625100048j:plain

疾駆猿の第漆回公演『INTRABORDER』を観てきました。場所は池袋のシアターKASSAI。16日の『魔笛』と『希匣』、20日の『斜陽』、21日の『希匣』、23日の『斜陽』と『魔笛』。3エピソードをそれぞれ2回ずつの計6回の観劇でした。

推しの山下聖良ちゃんが出演していない舞台をこれだけリピートするのも私としては珍しい方で、それだけ疾駆猿が気に入ったという事でしょうか。疾駆猿と出会った経緯などは別記事に連ねてみましたので、そちらも合わせて目を通していただけると嬉しいです。↓

dyna-indigo.hatenablog.com

 

物語の主人公は考疑徹(コウギトオル)という作家、本名は浦越徹路。彼が「入源堂(ニュウゲンドウ・Nirgendwo)」という店で目覚める事から物語は始まります。記憶の一部を失くした彼は、謎の女店主に誘われ、自分の過去を辿っていく事になる… 

生まれた時に母を亡くし、戦争で兄を亡くし、やがて作家として成功し、幾人もの女性と出会い、そして堕ちていく人生を… 

 

 

では、話題があっちこっちに揺れて飛ぶかもしれませんが、思いつくままに感想を連ねていきます。

 

 

 

今までの疾駆猿の公演がほとんど『VAGUENIGMA』シリーズだった中で、そのタイトルを冠さない新作。ところが当日パンフのキャスト表を見てみると、シリーズのレギュラーキャラや前公演で登場したキャラなどが数人、さらに平成『VAGUENIGMA』に登場するシステム系のキャラも見受けられました。これは事件としては深く関わらないにしても、世界観の繋がってる外伝的な位置付けなのかもしれませんね。

あとは、主人公の人生に合わせて1作品の中で20年以上のスパンで描いていくという構成なのも『VAGUENIGMA』とは違った独特のテンポを作っていて。

それと、今まで『VAGUENIGMA』でも『ソラリネのユメ』でも佐藤信也さんは基本的には1作品内で1キャスト1役できっちりイメージを固めて物語を作っていた印象で、キャストさんに複数の兼ね役を振ったり、名前の無いモブ的な役やアンサンブル系は配置してこなかった様にも思います。その辺の作風を意図的に変える事であえて『VAGUENIGMA』とは別枠にしているのかなとも思いました。

 

 

舞台セットは中央に大きな円形のメインの台。その両サイドに小さな半円が付いて段差に。天井にはたくさんのランプ。メインの台上には横方向におそらく溝があって、そこを引き戸の様な形で大きな板がスライドしていきます。これが壁だったり格子戸だったり窓だったり木だったり、これによってその場を様々な情景にスピーディーに変えていく事ができます。仕組みとしては簡単なのですがとても効果的でアイディアとして秀逸だと思いました。それ以外の背景は黒一色。照明を暗めにする事で人物が影の中から浮かび上がってきたり、また飲み込まれる様に消えていったり、物語上の「影」というテーマと密接に結びついて、多種多様な光の演出と合わさって、まるで箱庭の様な、ランプの中に映し出される幻影の様な、魅力的な美術観のある舞台でした。

 

 

主人公の考疑徹は、観た人の多くが連想すると思うのですが、モデルとなった人物は間違いなく太宰治で、もちろん一致しない設定も多いのですが、関係する女性たちだとか入水心中する事だとか実際の太宰と重なって描かれていますね。師匠の井辻滝治先生もおそらく井伏鱒二がモデルかなと。

そしてこの作品の公演期間中の6月19日がちょうど太宰の忌日である「桜桃忌」でもあります。

また、エピソードタイトルの『斜陽』はもちろん『斜陽』、『希匣』は『パンドラの匣』、『魔笛』は『葉桜と魔笛』と、それぞれ太宰の作品から個別エピソードの着想を得ていると思われます。

 

 

この作品では「水」のイメージがとても印象的です。冒頭の雨音の中で水に飛び込む音とともに現れる考疑先生(これは終盤での展開に繋がるのですが)、劇中でやたらと雨が降っている。入水する川。金魚。そして登場人物たちの多くが名前に水を連想させる文字、さんずいの付く文字が使われています。さらに蓮上先生と漸黒さんの傘。

「水」から受ける印象は何でしょう? 浄化、境界、多様性、雨の場合は哀しみ、そして源。当たっているかはわかりませんが、演出からそうしたイメージを受けました。

 

 

夏祭り。もっとも好きな場面の1つです。キャストさんたちが舞台上に大勢登場して一人一人を見ているのも楽しいのですが。考疑先生と夕余さん、若旦那と照梅さんの2組が本来は別の場所にいるのにセリフがシンクロして交錯する演出。夕余さんの赤い私服と照梅さんの和服がまるで金魚の様に見えて、地面に落としてしまった金魚の儚さ、牢獄に囚われた様な、代替の効く存在という不安定さ、そんな金魚が2人の女性の姿に重なる象徴性。短い夏の賑やかさ、それが夕立によって突然終焉を迎えてしまう運命性。そうした物がこの1つの場面にまとめられている様で、とても好きなんです。夕余さんと照梅さんの対比も2人にこの後に訪れる運命、その意志と行動の比較という点でも重要ですし。

あと、ここで若旦那が急に帰ろうとするのは照梅さんと一緒にいるのを誰かに見られた事に気づいたからでしょうね。

 

金魚と言えば、彼津さんに連れられて行った料亭の格子戸に付いてるシルエットが蝶と金魚で。蝶はもちろんプシュケーで考疑先生、金魚は夕余さん。格子がまるで牢獄の様で、そこに2人が囚われている事を隠喩している様に感じました。この場面では考疑先生が夕余さんの幻に囚われていますし。

 

 

システムたち。私はまだ平成『VAGUENIGMA』における彼らをよく理解できていないのですが、『シブヤフィフティーン』に登場するピースシステムに似ているところがあるかなとちょっと思いました。

一昨日、ブロマイドをながめてて気づいたのですが、狭間黒槍さんの額のペイントが3本脚のヤタガラスの様に見えて。ヤタガラスは案内役で太陽の化身とも言われてますから、火のランプを手に考疑先生を導く黒槍さんのイメージに合っているのかなと。同じカラスでも傘を手に雨を引き連れている様なイメージの漸黒さんと対照的。考疑先生への接し方も、黒槍さんが優しさや慈愛や哀しみを感じる女神の様な印象を受けるのに対し、漸黒さんの方は嘲笑したり煽ったり楽しんでいる様なサイコパス的な印象で。でも漸黒さんも最後は「いってらっしゃいませ」と丁寧に送り出しているから、悪意ではないんですよね。

黒槍さんを演じる江口逢さん、冒頭からラストまで考疑先生を導くガイド役として、この舞台の世界観を象徴する存在としてとても素晴らしかったです。

漸黒さんを演じる那須美奈子さん、こちらも所作も表情もとても迫力があって見入ってしまうカッコ良さがあって、最高でした。

2人とも『VAGUENIGMA』の過去作で演じてきた役とも全然違って、演技の幅が凄いなと。

 

考疑先生の高校時代の友人、暮内アカヤ。私は彼がとても気になります。演じる義積雄大さんの技量もあって、底に何かが潜んでいる様な深い意味のあるキャラに感じました。

考疑先生の記憶から彼の名前が欠落していた事。彼の事を思い出していた時に頭痛に襲われた事。魂が入れ換わる「眠り流し」の話題の唐突感。父親の隠し子だったという流言飛語も同じく唐突感があります。小説について語りリンゴをかじる高校時代の徹路とシンクロする演出の意味。高校時代と大人になったアカヤが別人の様に印象が変わっていたという事。彼と夕余さんの姉弟2人にだけ同じ言葉「2度と会うまい」が発せられた意味。

黒槍さんが「誰かと入れ替わっていたのかも」と言っていますが、普通にミステリー作品として考えるなら高校時代に2人は入れ替わってるパターンなんですよね。ただ、それだと以降の展開につながらないので。モヤモヤが残るだけで私にはそれ以上に考察が進みませんでした。

 義積さん、薪場さん役との演じ分けが素晴らしいですね。編集部での場面、舞台の奥で指導されてたり、井辻先生や考疑先生と初対面になる場面でのゆるさ、何度観ても笑ってしまいました。

 

 

なにわえわみさん演じる照梅さん。若旦那と恋仲の芸妓さん。考疑先生の人生とはニアミスしているだけなので、本来なら無い物をあえて加えたという感じで、そこに重要な意味があって。前述した夏祭りの場面もそうですが、心中という行為を考疑先生に意識させるにはまず前例が必要だったと。そこで効果的に舞台上を彩るのが照梅さんでした。最初に描かれる、若旦那が来店したと聞いてぱあーっと表情が少女の様に輝く照梅さん。そして夏祭りで今の幸せと先への不穏を描き、別れ話からの無理心中という流れ。とても観応えのある場面でしたね。自らの意志で相手を刺し無理心中を遂げる照梅さんと、心中してくれと考疑先生に言われても泣き崩れ「生きましょう」と訴える夕余さんの対比。

若旦那を演じる福丸繚さんも、若旦那というイメージ以外の何者でもない若旦那的優男感にあふれていて良かったです。

 

 

2回目を観た時だったか、この作品の裏テーマとして「母」を軸に読み解く事もできるんじゃないかと思って。その片翼が桜井ゆるのさん演じる夕余さん。

前後しますが、ラスト間際で語られる、7歳の徹路が幻燈屋で見かけた母だと直感した女性が夕余さんそっくりで。「母の面影を追いかけていたのかもしれない」という様なセリフもありました。生い立ちでもまず「僕を産んで死んだ」と語り、「なぜお母さんがいないの?」という疑問。

初めて夕余さんと出会った時に徹路に衝撃が走ったという一目惚れ。これも単なる恋愛ではなく彼の心の中にある「母」にようやく巡り会えたのだと、それだけ大きな事だったのだと思います。だからこそ夕余さんは考疑先生の中でも特別で、唯一人本当に愛していた相手だったのかもしれません。裏切られた事に激昂し、堕ちていく転機になる。

別れた後も夕余さんの幻を見て取り乱し、アカヤが料亭みなとで働いていると聞くと夕余さんの行方を尋ねてしまう。待子さんへの不満も夕余さんとの比較から生じているわけですし。

そう、「母の面影」。あんな事が無ければ、夕余さんと末長く幸せに暮らしていけた人生もあり得たかもしれませんね。

桜井ゆるのさんはとても魅力的に夕余さんを演じてました。母性、にじみ出る優しさ、幸せそうな笑顔、前述した祭りの場面などの寂しさ儚さ、翔塀に手を握られた時の一瞬驚きからの微かな戸惑いの表情、考疑先生との最後の対話の場面の熱演も素晴らしかったです。(桜井ゆるのさん、3年半前の『ソラリネのユメ ふるこーす』で初めて観て、その後も数回舞台を観ていたのですが、今回ようやくご挨拶させていただきました)

 

 

 

 で、「母」という裏テーマの軸のもう片翼が石塚みづきさん演じる井辻英。

考疑先生の作家デビューにつながる作品の、プロ作家としての最初の「読者」として、ファンとして、そして担当編集者として、彼女は熱心に献身的に親身に本気に応援し支えてきました。そこに恋愛感情があったのかまでははっきりとはわかりません。でも、考疑先生に接する時の笑顔や目の表情は本当に輝いていて幸せそうでした。

そして「審判」の時。井辻先生の後ろで場のやり取りを哀しそうに辛そうに耐えている姿。あの時、英ちゃんは何を考えていたのだろう。

「作家の産み落とした作品を取り上げる」それが担当編集者としての役目。

考疑先生はおそらく夕余さんとの破局以降は作家としての自分こそが自分なのだと思っていたのでしょう。黒槍さんに名前を読み上げられた時にも「それは本名だ」と筆名こそが自分なのだと訂正してますし。

考疑先生が入水心中から川辺に這い上がってきた時、そこに英ちゃんが居合わせた事こそ運命。水の中から救い出される事、それはおそらく「分娩」の暗喩。一度、死の世界に旅立とうとした者が再び生まれ直した。あの描写はそういう事なのだと思います。そしてそれは徹路という1人の人間ではなく、考疑徹という作家、そして作品。

遺作を託された事で英ちゃんは文壇に名を残す考疑先生とその作品の「母」となり、夕余さんに殺してもらえなかった考疑先生はようやく英ちゃんに殺してもらえて生きる苦しみから解放され、考疑先生が死んで今後は二度と新しい作品が生まれない事により彼の担当編集者としての英ちゃんも死ぬ。

あの場面はそういう今までの全てが1つに結実する、真の「心中」の場面だと思うのです。ここの熱演、その後日談となる百華ちゃんとの対話場面、英ちゃんを演じる石塚みづきさんは凄いなと思いました。『VAGUENIGMA』でのヒミコも凄かったですが、この演技の幅。今後も期待したいです。

英ちゃん、この作品の中で私は英ちゃんが一番好きなキャラかもしれません。

 

 

「母」という点で女性たちを考えると、林真由美さん演じる姉の船子さんと、沖田桃果さん演じる女中さんは徹路の母親代わりだったのだなと。太宰も確か子守役の女性が母親代わりだったんですよね。

で、船子さん。役割としては地味な方ではあるんですけど、要所要所で良い表情をしていて流石です。こういう役に確実なキャストさんが配役されると安心して観ていられますね。林さん、『星降夜』の時も姉役がとても良かったですし。

 

 

三浦沙織さん演じる待子さん。旧姓は「海原」って字でいいのかな? この役も報われないというか、辛い事だらけですね。献身的に務めて平穏でいる場面では本人にとって幸せだったのかもしれませんけど。山本周五郎作品に出てくる様な芯のしっかりした女性を演じきって、沙織さん素敵でした。隙の無さ、考疑先生の求める夕余さんにあった「母性」とは違ったんだろうな。それが不幸。夕余さんとの対比としての重要性。

 

 

沖田桃果さん演じるテツコさん。この人はお腹の中の子の母親となってしまった事で、考疑先生の「母」からは脱落してしまったんだろうなと。

ただ、作品執筆に対する活力となったと語られていますので必要な存在ではあった。

水瀬ちゃんとは全然違う「小娘」感が出ていて、浦越家の女中との演じ分けもよかったです。

 

 

maicaさん演じるサキエさん。この人は終始、自分が大事であり、他者との比較であり、そもそも「母」の資格を持っていなかったんだろうなと。考疑先生の事もどれだけ本当に愛していたのか? だから考疑先生と入水心中をする権利を得ても、結局は水流に引き離され、1人で死んでいく事になった。運命が繋がっていなかった。

maicaさん、『VAGUENIGMA』の時に凛としてカッコ良さのあるお嬢様を演じてたイメージがあったので、それとのギャップもあって今回も観てて楽しかったです。

 

 

齋藤伸明さん演じる老人。この作品で一番不気味で表情も怖い。ツイッターである方に教えていただいたのですがディオゲネスが元ネタだそうで。よくセリフを聞き取ってみると確かにディオゲネスって自分で言ってました。セリフの意味などもいろいろ考えてみたのですが、この場面が挿入された理由がまだよくわかりません。薬の影響か、臨死体験による幻覚か、単に考疑先生の記憶から引き出されただけの、あまり意味の無い物だったかもしれませんが。

 

 

 回替わりエピソード。基本的には小説の題材探しのために取材するという形。

『斜陽』。元華族の物語。『VAGUENIGMA』でおなじみの高池順子さんから百華ちゃんルートと、彼津先生から考疑先生ルートで話が持ちかけられ、双方集まってという流れ。3編の中でもコミカルさに舵が切られ、振り回される考疑先生の挙動が新鮮。

「母」の息子への、死んでほしくないという愛。

植松はちこさん演じる順子さんも可愛いが、妻木尚美さん演じる まゑさんも可愛くて素晴らしい。百華ちゃんの百華ちゃんらしさ。

そんなコミカルな作風で、彼津先生のクズっぷりが描かれる。これは本編部分ではわからない事。

ところが、明るくは終わらず。借金のトラブルから彼津先生は新宿のサラギ組(『VAGUENIGMA』で出てきた暴力団ですよね?)に刺殺される。人生の無情さ。

 

 

魔笛』。私はこれが一番好き。英ちゃんからのルートで『VAGUENIGMA』の『絡糸』に登場した細維千早ちゃんへの取材。あちらが高校三年生だったのに対し、こちらでは一年生。

千早ちゃんの姉の遅美さんの性格、行動、手紙、そして事故死。厳格な父親と、娘を失った嘆き。姉妹の母は亡くなっていて、父の想いはそれだけ娘たちに向けられていたのだろう事が語られる。

ケセラセラ なるようになるさ」という歌。

千早ちゃんを演じるのはもちろん井上玲奈さん。『絡糸』の時のキリッとした性格と比較してずいぶんと柔らかい印象。姉を失って、自分が代わりにならなければという決意が生まれたのでしょう。そして、学園で更紗様への憧れへと繋がるのかなと。

『絡糸』で千早ちゃんが一番好きでした。だから今回その前日譚という感じで千早ちゃんのバックボーンが語られたのはとても感激でした。『絡糸』の時との演じ分け。とても期待できる女優さんだと思います。

遅美さんを演じるのは小宮弘子さん。所作が上品で、でも固くなく自由奔放さもあって。そして強い意志性もあって。とても可愛いです。歌声も素敵。

(小宮弘子さん、この方も3年半前の『ソラリネのユメ ふるこーす』で観て、そこで演じてたフユコ役がとても好きでした。ようやくまた舞台で観る事ができて、初めてご挨拶できて、とても嬉しかったです)

この細維姉妹と友人、こういう少女たちの可愛さも『女学生』などに見られる太宰作品の魅力の1つだと思います。この『魔笛』にはそれを感じました。

そして本編部分では良い印象のあまり無い飛垣翔塀。ここでは彼の性格の良い部分も少し語られています。考疑先生も翔塀に対してかなりのトゲトゲしい対応をしていてこれも新鮮。

 

 

『希匣』。薪場さんからのルートでサナトリウムまで出かけていって闘病患者の鳥羽オウイチの話を聞く事に。オウイチの恋心、その長い闘病生活の最後に少しだけ思い出が作られ報われ、そして死んでいく。

実は今回の事には真相があったのではないかと、ミステリー作品も書く向島さんが例えばの可能性として推理するのだが。これが真実だとするとオウイチは報われないなと。その代わりに、若くして死んでいく息子のために動く「母」の想いは描かれるのだけど。

本編では「審判」場面以外ではほとんどハッチャケてる向島さんの推理するという意外な面が見られますね。

 

 

物販では『VAGUENIGMA』シリーズの過去パンフを大人買いしまして。

あとはブロマイドの全種収納セットですね。これ、グッズ告知された時はその画像が印刷された物だと思い込んでいたのですが、実際は3段のフォトアルバムにブロマイド全種が収納されている物でした。バラで買うと7600円なのが4000円になりますし、元から20種類以上は買うつもりだったのですぐ飛びつきました。

f:id:dyna_red:20180625100027j:plain

まあその他にもバラでけっこう買ったんですけどね。

f:id:dyna_red:20180625100037j:plain

f:id:dyna_red:20180625100032j:plain

そちらには終演後のキャスト面会の時にご挨拶してサインをいただきました。6回のチャンスで11人にいただけたのはかなりがんばったと自分でも思います。しかもこのうち8人の方とは初めてのご挨拶でした。時間があればもっと他のキャストさん、特に男性キャストさんたちにもご挨拶したいところだったのですが、また次の機会を待ちます。

 

というわけで、観劇しながらいろいろ考えていた事を思いつくままに書き連ねてみました。出演者はみなさん誰もがとても魅力的でしたが、一部の方しか感想として書けなくて申しわけないです。

 

 

『INTRABORDER』はとても面白かった、そして、何度繰り返し観ても新しい何かに気づける作品でした。『VAGUENIGMA』と同じく内容的には人を選ぶ、好みの偏った作品だとは思います。でも私にとっては本当に楽しめたし、面白い作品を観た、凄い作品を観た、良い作品を観たと思いました。

『INTRABORDER』としてのシリーズは続くかどうかわかりませんけど、『VAGUENIGMA』と同様、これからも疾駆猿の公演を楽しみに待ち、佐藤信也さん、運営・案内スタッフのみなさん、出演者のみなさんの今後の活躍をまた楽しませていただける事を期待したいと思います。

ありがとうございました。

疾駆猿

「疾駆猿(シックザール)」という演劇集団があります。主催で脚本・演出を担当する佐藤信也さん、運営スタッフの高原薫さん、役者の高本愛子さん、林真由美さん、三浦沙織さん、大山カリブさんが所属していて、ここに多くの客演キャストを加えて『VAGUENIGMA(ベイゲニグマ)』シリーズを中心に公演を行なっている団体です。

私、最近ここにハマってまして。で、千秋楽を迎えたばかりの第漆回公演『INTRABORDER』の感想を記事に書こうとしたのですが、ついでに、疾駆猿にハマった経緯を簡単に別記事にまとめてみようかと思った次第なのです。そちらに一緒にするとかなり長い記事になっちゃいますから。

 

 

 

さて。私が疾駆猿と佐藤信也さんを知ったのは2014年の12月まで遡ります。

 私の推し女優の山下聖良(当時は藍乃聖良)ちゃんが『ソラリネのユメ』に出演したのでもちろん観に行ったのですね。↓ 

dyna-indigo.hatenablog.com

佐藤信也さんはこの『ソラリネのユメ』というシリーズでも脚本・演出を担当しています。

この作品は3編のオムニバスという形をとっていますが、実はそれぞれが密接にリンクしていて、単編でも問題なく楽しめますが、3編とも観れば1つの年代を越えたまとまった物語になるという見事な構成で。で、私はこの作品を大いに気に入りまして、佐藤信也さんと疾駆猿の名前をおぼえたのです。

(余談ですが、この『ふるこーす』で好きになった役を演じていたのが疾駆猿の三浦沙織さん、後に『VAGUENIGMA』を観始めるきっかけとなる家永惠理さん、『INTRABORDER』にも出演している小宮弘子さん、同じく桜井ゆるのさんでした。もうこの時点で釣り針が大きいw そしてこの時の受付スタッフが疾駆猿の高原薫さんでしたね)

 

で、以後。聖良ちゃんが出演する事は無かったのですが、他の観劇予定とかぶらない時に思い出した様にちょこちょことつまんで、今まで公演5回10編ほど観ています。

作風は『ふるこーす』で感じたのと一緒で、2編とか3編の違った脚本での同時公演、それぞれの単編で完結した物語として問題なく楽しめるけれどモヤモヤする部分もあって、実は隠されているリンクがあって両方観るとより理解が深まって楽しめる。それと、作品全体から人の欲や闇や心の弱さが描き出されていて、場合によっては結構エグい事もある。けれど優しさや愛も根底にしっかり流れている。そんな感じですね。

佐藤信也さんのそういう作風はとても気に入りました。疾駆猿の公演もちゃんと観に行きたいなとは思いつつ…(『ふるこーす』上演の時点で疾駆猿は第三回公演まで終えてました)他の観劇予定との兼ね合いもありの、上演されてる『VAGUENIGMA』という作品がシリーズ物だと知り、いきなり観て理解できるのかとハードル上がりので、観ないままズルズルと公演回数が重なっていきました。

 

 

さて、そんなこんなで2年以上が経過しての2017年春です。当時の私は劇団ドリームクラブに所属していたキャストさんたちの観劇を優先していたのですが、某キャストさんが「疾駆猿に出演する事になりました」とツイートされます。とうとう巡り合わせが来たかと。とりあえず観る予定リストに入れておいて詳細告知を待ちます。

…ところが来ない。公式からキャストが発表されてもその人の名前が無いので追加発表になるのかなとそれとなく本人にリプで訊ねてみたら…「降板した」と…あらら。

でも、気分的には観るつもりになっているので、『ふるこーす』で観た家永惠理さんと、劇団フェリーちゃん公演で観た なにわえわみさんと、同じくカプセル兵団公演で観た工藤沙緒梨さんの出演する第五回半公演『VAGUENIGMA -Wheel of Fortune 恐道』を試しに観てみる事にしました。これが私の初の疾駆猿、今からちょうど1年前の6月24日でした。

 

 

で、『恐道』。かなり楽しめました。設定上わからない事もまあ脳内予測で補完できて、そんなに疑問に思う事なく堪能できました。設定もキャラも世界観も好み。キャストさんたちも魅力的な人ばかりで、ああ、これはハマるわと。

妖怪とか怪異とかは好きですし、そこに探偵や刑事が絡んできて、まるで『京極堂シリーズ』っぽい印象も受けて。

刀の付喪神なんかは流行りの『刀剣乱舞』かなとか『ジョジョ』のアヌビスかなとか思ったり、厨二病っぽさとか、西尾維新っぽいキャラ名とか、やりすぎると痛い要素はたくさんあるのですが、私から見れば良いバランスで構成されていて、好きな作風でした。

さっそく『恐道』に出演されていたキャストさんのツイッターアカウントを全員フォローして。(あ、この時に竹切讃岐造を演じていた那須美奈子さんを特に気に入ったのですが、実は『ソラリネのユメ Vol.9 ふぁみりー』で観ていた事に後で気づく)

こうなったら他編も観たかったのですが、休みとかとってないので今回の公演はもうこれ以上は観れないと。

で、次からは各編1回ずつは必ず観ようと。まあ、流石に第陸回公演の時の回替りエピソード差異までは追いかけきれませんでしたが。

で、第陸回公演は3編を1回ずつ観て。3人のキャストさんにご挨拶して。ブロマイドたくさん買って。パンフ2種買って。

第陸回半公演は2編を2回ずつ観て、ブロマイドもどっちゃり買って。

この時、たまたま財布にお金入ってたのと勢いで、少しずつ買い集めていこうと思ってた過去公演台本全部を大人買いするという暴挙に。今ちょっとずつメモとって整理しながら勉強してます。

f:id:dyna_red:20180624080114j:plain

そして、今ですね。第漆回公演『INTRABORDER』、3編をそれぞれ2回ずつ計6回観ました。こちらの感想は改めて別記事に書きますが、本当に面白くて好みに合った作品でした。↓

 

今回は『VAGUENIGMA』の第弐回から第伍回までのパンフを大人買いして集めて。

f:id:dyna_red:20180624080125j:plain

この1年で本当、沼にドップリ浸かっちゃいましたね。

エビスSTARバーでの『週一店長』シリーズも『VAGUENIGMA』と作品の方向性は違いますが『VAGUENIGMA』とリンクしていて、物語の内容も面白いですし。

そう言えば疾駆猿のバー1日店長イベントで佐藤信也さんと少しお話させていただいて嬉しかったですね。

 

佐藤信也さんの外でのお仕事などなかなか全部は追いかけきれないとは思いますが、これからも疾駆猿のみなさんのご活躍と公演に期待してます。

『INTRABORDER』の感想記事はこちらです。↓

 

dyna-indigo.hatenablog.com

 

『ウソトリドリ』

山下聖良ちゃんの出演する舞台、Flying Trip vol.13『ウソトリドリ』を観てきました。場所は東池袋のあうるすぽっと。初日の14日、17日のマチソワ、18日のソワレ大楽の計4回。うち17日マチネは前日に決めて当日券で入った回でした。

f:id:dyna_red:20180318051941j:plain

刀剣乱舞』ミュージカルの人が出演するとの事は聞いていて、それ以外にも人気ありそうなキャストさんがゴロゴロいて、聖良ちゃん本人も「チケットの争奪戦が予想される」とツイッターでおっしゃっていたわけですが、劇場がそこそこ大きかった事も幸いしてか、チケット難民になる事は回避できました。とは言っても、予約開始から10分くらいはカンフェティの予約ページに繋がりませんでしたし、繋がった時には大楽のS席は完売と。人気のほどがうかがえます。それでも当日券は毎回の様に出ていましたから観に行き易い舞台ではあったかなと。

 

 

それでは本編の内容を大まかに。

 

主人公の阿久津が目隠しをされ両手を背中で縛られ座っているところから始まります。どうやら2人の刑事から拷問混じりの不当な取り調べを受けてる様子。そこからOPを挟んで時系列が戻って。

物語は大学を中退した阿久津がコンサルタント教材詐欺に引っかかり、その会社でのし上がっていくパートと、売れない小劇団演劇役者たちのパートを交互に観せていきます。

劇団員の三木が阿久津に契約説明を受ける事で両者は繋がり、同じ劇団員で阿久津の幼馴染だったみさことの再会でさらに物語は転がって。

非情に業績を上げていく阿久津。バイト掛け持ちで慎ましい生活に耐えながら舞台稽古に頑張るみさこ。ある日、三木の紹介という形でみさこが教材の契約をしてしまう事で阿久津の心が揺らぎます。

そして刑事に確保監禁される阿久津。コンサルタント会社の総会と、劇団の存続を賭けた公演が結末へ向けて収束して行きます。

 

阿久津は真っ当な仕事で地道に働く事を決め、借金を背負ったみさこは劇団を抜けて夜の仕事へ。劇団は存続が決まったもののベテラン2人が役者を辞めるという決意を。

この先にハッピーエンドが待っているかの保証も無く、阿久津は寂しそうな笑みを浮かべつつ今はもう何の意味も無い肩書きの入った名刺を宙に放り投げて幕。

 

 

意外にも、初回観劇前に予想していた物と違いストレートプレイを正面から作ってきたなと。特撮出身俳優だったり2.5次元ミュージカルだったり声優だったり元アイドルだったりするキャストを何人も集めていて、戦わせない歌わせない踊らせない。吉田翔吾さんなんてアフタートークの時にはバク宙を披露してたりもするのに、そんな個々人の武器を安易に本編に投入する様な媚びた演出をしない。そういう姿勢はとても好感を抱きました。

 

コンサルタント教材詐欺をテーマに、被害者から加害者へと立ち位置を変え、次第に人間性を失っていく事。プライドと嫉妬。悪意と善意。序盤では別個に進んでいたコンサルタント側と劇団側がやがて交差し、それによって阿久津の意識に変化を生じさせ、最後は阿久津の現実と劇団公演の虚構をリンクさせる。そうした構成がとてもよく練られているなと思いました。一度の観劇でも楽しめますが、リピート観劇する事で細かい部分に気づけたり、考察の手がかりを得られたり。身近な、誰でも巻き込まれる可能性のある被害を描く事で観客が自己を投影して解釈できたり。そうした内容面でも面白く、観て満足度の高い舞台だったと思います。

 

 

劇団アポロの劇中劇、『過去の巣の中で』というタイトルらしいですが、まず気づくのはコンサルタント側とリンクする事。

最初に外敵として登場するカーネルおじさんは純粋に利益のためにヒヨコ達を狩るわけですが、その後に登場するウソつきカラスは利益ではなく「騙す」という行為に悦楽を覚える様なトリックスターであり(「火」を使う事などは『ニーベルングの指環』のローゲのイメージが少し入ってるかな?)、これは「一線」を越えた阿久津を囚えようとする「悪意」と重なって見えます。そうすると途中で不可視化される妖精は「理性」か。

ちょっと興味深いのが、ヒヨコの兄妹も現実で被害に遭う三木とみさこがちい兄ちゃんと妹なわけですが、パチンコで借金まみれの小暮が「生き方の上手な」お兄ちゃん、詐欺の勧誘で信頼を失う三木が「みんなに信頼されてる」ちい兄ちゃんと、まさに彼らの現実が逆になっていたわけで。そうすると「天真爛漫」な妹のみさこが現実では何を失うのか。

 

それから、ヒヨコが空を飛ぶのを夢見る事。ヒヨコは飛べない現実を受け入れて親鶏になる事。そして次の世代のヒヨコを産み育てる事。お兄ちゃんの様に飛ぶのをあきらめるか、ちい兄ちゃんや妹の様にそれでも飛ぼうとするか。この辺りの描写は小劇団演劇の世界を描いてる様にも感じました。小劇団でそこそこのファンを得て、苦しい生活ながらそこに居心地の良さを感じて役者を続けるのか。あるいはメジャーの舞台を夢見てリスク覚悟で上を目指そうとするのか。

コンサルタント詐欺の面でも、教材が売れずに断られ避けられる三木の姿が手持ちチケットが売れない役者の姿にも見えましたし。「1人の客を掴めばそこから世界が広がる」という「客」が「ファン」に置き換えて聞こえましたし。

小劇団が作品内に登場する事から受ける印象もあってか、そういうメタな意味が込められてる脚本に感じましたね。

 

 

演じるキャストさんたち、皆さん本当に観ていて素晴らしいと感じる人たちばかりでした。その中から何人かについて。

 

 

まずは聖良ちゃん演じる前島葵さん。プレミアミッション側のNo.2的なポジション。クール系で終始キャラが崩れる事は無い、聖良ちゃんには珍しいタイプの役。三木を勧誘する場面で阿久津や糸川までもズッコケる事があったのですが、ここでも葵さんだけは崩れなかったのはチェックしておくべきポイントだと思いました。

衣装、下だけチェンジ、白のパンツと黒のスカート。上は胸元のレースが上品さをひきたてていました。

わりと舞台上に出ている場面も多いのですが、セリフはそんなに多くなく、黙って場の様子を見て待機しているという状況が多いです。

出演女優さん4人の中では印象も薄く地味な役かもしれません。劇場を沸かせるギャグやユーモアのある場面も無く、強烈なキャラクター性も無く。ですが、その凛としたカッコ良さは他の3人の女性キャラとは明らかに違う個性が出ていたと思います。ツイッターでも聖良ちゃん好印象の感想をいくつも見かけましたし。

立ち居振る舞いも表情も仕草も、演じる姿に観客の視線を引きつける魅力があります。

個人的にも「悪役」や「冷酷な役」も聖良ちゃんにはいつか演じてほしいと思っていただけに、今回の配役はとても嬉しいですね。それに、何と言っても演じる役の幅が広がっていく事は今後のお仕事への期待にも繋がりますし。

仕事モードに自分をガチガチに固めた印象でほとんどの場面で冷たい雰囲気。でも「焼肉おごりなさいよ」の時と道に迷う話題の時、ラストの阿久津との会話場面ではちょっと柔らかさ優しさが出ている。むしろこちらが葵さんの素の性格なのではないかと感じました。

糸川に対する「心の檻に早く鍵をかけなさい。嫉妬という獣が暴れ出している。一度檻を出たら最後、あなたの理性を飲み込むわよ」というセリフはカッコ良くて印象に残るのだけど、冷静に考えたらかなり厨二病的で芝居がかっている。こういう言葉が普通の会話でスラスラ出てくるものなのか?というのも引っかかって。教材詐欺という仕事を非情に徹してこなすために「デキルオンナ」を意識して演じてるキャラなのではないかと思いました。だからプライベートとは性格を切り替えてるのかも?という印象。

物語の後、葵さんの人生はどうなるのでしょう。今後も沖田についていくのかもしれませんね。今まで多くの人を不幸にしてきた事でしょうから、それなりの報いが待っているのかもしれませんが。

アフタートークの聖良ちゃん出演回は残念ながら逃してしまいましたが、カーテンコール時の日替わりキャストあいさつは観る事ができました。本当に可愛くて眼福です。

それと、有名で人気な出演者が多いから終演後の面会は無い物とあきらめていたのですが、嬉しい事に、面会ありまして。毎回お話しさせていただいて、握手してもらって、目の前で笑顔を見れて、幸せでした。

 

 

阿久津。高橋健介さん。『ウルトラマンX』で毎週見ていて、『ウルフェス』のステージでも生で一度観ていました。今回ストレートで初めて観て、とても舞台映えする人だなと。スタイル良いし背も高いし、何より感情的になった時の演技が素晴らしかったです。アフタートーク時も魅力的でしたし、こりゃ人気出て当然だなと。

物語上は、やっぱりみさことの関係性ですね。ダメな子だと思って軽く見ていた相手が被害に遭おうとする場面に直面して、初めて大切な相手だったと気づく。それが「一線」を越えてしまった阿久津をこちらの世界に引き戻すきっかけとなる。最後の名刺の場面も、みさこに舞い降る桜の花びらと重なって見える。

阿久津が越えた「一線」のラインが何なのか考えてみたのですが、メインターゲットが学生で、たぶん最終的には親族などが助けてくれるのを前提としてたんじゃないかなと。それで自分たちの罪悪感は軽減される。ところが相手が破滅しようがなりふり構わず契約を取る事を優先する方向に意識が変わってしまった。それが「一線」を越えた、そういう事なんじゃないかなと。刑事が断定した「悪意」の域まではまだ行ってなかったとは思いますが。このまま続けていれば、引き返せないところまで堕ちてしまっていたかもしれません。

 

 

みさこ。岡田彩花さん。初回で観た時の最初の印象はちょっと訛りが煩いかなと。でも、観ているうちに気にならなくなって、表情も豊かで、ちょっと大げさに感じる動作もキャラ性に合っていて。華がある人だなと思いました。衣装も多いですし。

とにかく笑顔笑顔のキャラなのですが、契約の時の阿久津の取り乱す姿を見てからはその笑顔が曇る、ここの演技好き。みさこは契約の場に来る時までは阿久津の事を本当に信じて疑ってなかったと思う。でも阿久津の姿に違和感を覚えて、それでも信じたい気持ちと、以前の阿久津に戻って欲しい気持ちがあってか。それでの契約だったのだと思う。この契約で力になりたい相手が、三木から阿久津に変わった様な印象。まるで殉教者。結果的に、それが阿久津を変え、救う事になるわけで。「貧乏は嫌だ」という理由付けを告白してるけど、阿久津への気持ちの方が大きいんじゃないかな。

あと、ちょっと思ったのが阿久津とみさこの関係性に既視感があって、初回観た後からずっと考えててやっと思い至ったのが「スイートプリキュア』のセイレーンとハミィ。異論は認める。

みさこは自分がダメな子だってのは自覚していて、それをずっと耐えて笑顔で隠してたんですよね、きっと。

 

 

沖田。この人もビジネスに徹した様な役で、その内面が見えてこない言動が続く。それが最後の最後で泣きわめく様に「金があれば一流の教育や医療が受けられる」と本心を吐露してくる。たぶん未成年時代はそういう底辺の生活を送っていたんだろうなと。阿久津のセリフにあった「親のスネをかじる学生」を基本的にターゲットにしてるのはそういった沖田の生い立ちからの復讐なんじゃないかと思いました。

演じる相馬圭祐さん、私は『シンケンジャー』以降はお仕事を観れていなかったんですが、とても良い役者さんだなと。舞台上にいるだけで空気が変わる、そういう存在感のある演技でした。

 

 

糸川。藍原直樹さん。プレミアミッション側の中でも、とても人間臭さの出てる魅力的なキャラだなと思います。「人間性」が小さい。嫉妬も自己顕示欲もマウンティング願望も、観ていて感情移入できる人でした。だからこそ、確かな演技力のある役者さんが必要な役なのだなと。

三木の契約時の阿久津への「フォロー」、その時の葵さんとの細かいやりとり、そこからの「嫉妬という獣」のセリフを突きつけられるまでの一連の場面、とても好きです。

 

 

今回も楽しめた舞台だったなと。基本的に私は聖良ちゃんの舞台はなるべく初日と中日と千秋楽を観るつもりでチケット買ってて、今回も3回分を予約していたのですが、初日の公演を観て気に入って、それでもっと行きたくなって当日券で1回分増やしたと。

そう思える舞台に出会えるのは嬉しい事です。ぶっちゃけ、聖良ちゃんのお仕事を観れればそれで満足できますが、推しのキャストさんを観たいという欲求だけでなく、その作品自体を何度も観たくなる、そういう舞台に聖良ちゃんが出演してくれた事、聖良ちゃんを出演させてくれた事、本当に心から感謝です。

聖良ちゃんのお仕事仲間の方や知人の方が何人も観に来ていたらしい事、私の観劇仲間も何人か観に来ていた事、初めて聖良ちゃんを知って気に入っていただけた方が何人もいた事。私みたいな一ファンが言うのもおこがましい事ではあるのでしょうけど、本当にありがとうございます。

 

 

f:id:dyna_red:20180319111904j:plain

物販。ブロマイドがあると期待したのですが、残念ながら聖良ちゃんのは出ていなくて。パンフだけ買って、DVDを予約しました。

 

f:id:dyna_red:20180318051936j:plain

今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。

公演1週間くらい前に聖良ちゃんがツイッターで役のイメージに合わせて「ピンクラメグラデーション」「オーロラ姫」と言っていたのでピンク中心で作っていただきました。葵さんの役のイメージなら白中心でも合っていたかもですね。

f:id:dyna_red:20180318051930j:plain

そして今回も花の宛名札に聖良ちゃん本人からサインとメッセージを書いていただいてました。ありがとうございました。

 

 

余談ですが、男性キャスト宛に贈られていたスタンド花の数々、女性のファンが発注した物だろう事もあってか、とてもアイデアに溢れていて凝ったデザインの物が多かったですね。眺めていて参考になりました。私もいつかはお花屋さんお任せじゃないオーダーで出してみたいと思いました。

『DANCE CONNECTION 2017 守破離』

旧年中に更新できず失礼しました。

 

劇団ひまわりの『ダンコネ』に聖良ちゃんが出演するとの事で観に行ってきました。12月の22日19時、23日12時、24日15時半の3回。場所はいつものシアター代官山。

f:id:dyna_red:20180101012231j:plain

夏の『ダンス フェスティバル』の方はチームも出演者も多く、それぞれ1曲か2曲披露という感じでしたが、こちらの『ダンコネ』は4チームで複数曲を合わせて20分強ずつって構成でした。全体としては1時間30分ほどの公演時間。

 

 

聖良ちゃんは2番目に出演するチーム「DANCE LARGO」に参加。全体としては8曲で、聖良ちゃんはそのうち4曲で踊っていました。

1曲目の『Working song』、最初はしゃがんでいて、順番に立ち上がって踊り始めるという幕開け。ダンスの動きや曲調がなんとなくアラビアっぽい雰囲気で不思議な感じ。

2曲目の『The first steps』は眠っているところから目覚めて、4人でバレエの様に優雅に。

6曲目の『Red plogue』は1、2曲めの時の白い衣装から一転して黒い衣装に赤いポイントが入って。曲調はとても重く、ダンスもアングラの様な感じで力強く、動きを止める時もピシッと。

8曲目の『Rise』は鮮やかな赤いドレス、ちょっとムード歌謡的な雰囲気もまとって、大人なセクシーさも醸し出している感じでした。

 

『プリパラ』や『GO,JET!』など、演劇としての舞台の中で聖良ちゃんのダンスは観る機会も時々はあるのですが、ダンスだけをたっぷり観賞できる事はまれですので、思いっきり堪能できました。セリフに頼らず全身の動きだけで表現するという点においても役者としてとても意味のある事だと思いますし、こちらでもしっかりと実力をつけてきているのだなと実感。しなやかさ、体幹やバランスという身体能力、共演者との間の取り方、優雅さと激しさの緩急、生き生きとした表情。そうした物を間近で連続で観られて、とても楽しかったです。ストレート演劇でも、こうしたスキルは強い武器になると思います。

 

 

他のチーム。1チーム目「fun fun funnys」、こちらは他のチームよりも小さい子が多かった印象で。6曲のどれも和風か、衣装に和の要素を取り入れていた感じですね。とてもキラキラしてヒラヒラして華やかでした。

 

3チーム目「nest」、こちらは大人っぽい印象の人が多かったかなと。9曲、ストリートダンス系でカッコいい感じ。それが最後の曲中に衣装の変化があり、一気に華やかに。この演出はとても観応えがありました。

 

4チーム目「でぃめんしょん」、私はチームとしてはこちらが一番好きでした。曲数こそ5曲と、他チームより少なめですが、こちらの意表を突く意外な構成で、どう魅せてくれるのかワクワクしてくる、こちらを楽しませようとするエンタメ性を強く感じました。衣装は小さい男の子はマリオやルイージだったりドラキュラっぽかったり。女の子たちはガールズアイドルやちょっとメイドっぽい可愛い衣装で。それでああいう動きをするのか!と初見では驚きました。

これはどのチームもそうですが、同じ振りを踊っていても個々人で表情や指先に表現解釈の違いが見られるのですが、特にこの「でぃめんしょん」ではその個性を強く感じました。

 

 

観ていて楽しくて、テンション高まって、年末にふさわしいイベントだったと思います。聖良ちゃん以外にも何人か良いなと思った出演者がいて。ツイッターとか見つからないので、とりあえず名前をおぼえておこうかなと。いつかまた「ユニフェス」などのイベントや他の舞台などでお目にかかる事もあるかもしれませんので、みなさん、がんばってほしいですね。

 

というわけで、2017年の推し事納め、聖良ちゃんに会えた最後のイベントでした。

2018年も聖良ちゃんのご活躍に期待し、応援させていただこうと思います。

 

 

 

『まわれ!無敵のマーダーケース』チームP

山下聖良ちゃんの出演している舞台、ラ・セッテ×イヌッコロ コラボ公演『まわれ!無敵のマーダーケース』を観てきました。今年の春公演を少し形を変えての再演という事の様です。場所は新宿御苑のサンモールスタジオ。Wキャストで聖良ちゃんの出演するのはチームP。

10月15日17時、16日15時(追加公演)、18日19時、20日19時の4回観劇。全てチームP。18日と20日には終演後にアフタートークイベントもありました。

 

f:id:dyna_red:20171105063631j:plain

 

一応これも書いておいた方がいいのかなというのがチケット争奪で。

私はもう完全に舐めてて、チケット発売日の夜にのこのこと接続してみたんですね。そしたらチームPが完売だらけで、なんとか1回分だけ一般席を確保しました。チームKの方はどの回も残ってたのでPの方の出演者のどなたかが集客とんでもなかったんでしょうか?

で、カンフェティの方が数日後に支払期限が来るので、その直後のタイミングでキャンセル分が復活すると狙ってて1回分確保。さらに聖良ちゃんが「時々(カルテットの方で)チケット復活してるみたいです」とツイートされてたのでそちらも定期的にチェックして1回分確保。そして後で追加公演も出たのでこちらは難なく確保。

チケット発売前は「特典あるから2回はスペシャル席だな」くらいに悠長に構えてたのが嘘みたいで、結局全部一般席に落ち着きました。追加公演のキャンセル復活時にスペシャル席を見かけてるのですが、その回は既に一般席を取ってましたからあきらめ。

さらに困った事に、今回はチームPには土曜公演が無いので、私の固定休日(毎週土曜なのです)が活用できず、シフト希望休みを全振り&観劇後に急いで帰って出勤という条件で、4回行ければいっぱいいっぱいだなという感じでした。まあ、それでも聖良ちゃんの出演するアフタートーク回を両方押さえられたのはラッキーでした。

はい、舐めてましたね。ここまで人気だとは。人気があっても即日完売などは全く予想外だったので。公演始まるまで当日券が出る事は告知されてなかったと思うので、あるのか無いのかわからない当日券に賭けるより他の公演の予約しちゃいますよね。だから聖良ちゃん目的のピュア紳士界隈の観劇仲間もほとんど行けてなくて、私の知ってる限り当日券で1人だけですね。他にフォロワーさんがたぶん2人と、他の劇場で見かけた事あるフォロー外の人が2人。それから聖良ちゃんのお仕事仲間である女優さんが3人くらいかな。私のアンテナにかかってきたのはそのくらい。

 

前置きが長くなりました。では、改めて。公演終了してますので多少のネタバレは含まれています。あらかじめご了承ください。

 

 

開演の暗転からいきなりの映像パート。作家の藤澤智彦先生密着特集番組という設定。ここで藤澤先生の性格と担当編集者の末國との関係性が少し伺えます。それに加えて、ドラマ化された『東京の中心でラブをバケーションする(通称とちゅラバ)』のダイジェスト映像。津田寛治さんとか藤田玲さんとかの出演、映像パートのナレーションも須賀貴匡さんだったりと、ライダーファンとして歓喜物。内容も大爆笑必至で楽しい物でした。イメージ的には90年代のトレンディドラマな感じ。『東京ラブストーリー』とか『ロングバケーション』とかをツッコミ所満載に仕上げた風な。で、このドラマのイメージが実は藤澤先生の心に傷跡を残している…というのが映像と舞台との大事なつながりで。(藤澤先生や末國がダブルキャストなので映像パートもチーム別、こちらのチームPの映像にはチームKのキャストさんも出演されています)

映像パートが終わるとスクリーンが回収され、藤澤先生が登場。軽いイントロダクションからの舞台パートが幕開け。

 

舞台は大まかに分けて4つのパートに分かれています。

 

藤澤先生のペンションに友人たちが招かれてパーティー。携帯の電波も届かない、道も土砂崩れで遮断され、ペンションは陸の孤島状態に。近くで起きた未解決の連続殺人事件、その殺人鬼がペンションに現れ、次々にその凶刃の犠牲となっていく… そこで藤澤先生の「カット!」の声。

実は藤澤先生が新作としてサスペンスを書くため、その創作のインスピレーションのヒントになるためという理由で3人の知人にドッキリを仕掛けようという趣旨。末國以外は依頼した劇団員たちで、ここまではそのリハーサル場面。

まずは台本通りという事で、緊迫した空気もかなり出ていましたし、その後の打ち合わせへの流れでキャラの性格なども把握できるようになっていて、つかみバッチリでしたね。

 

そして、本番。1人目のターゲットは作家の小山田先生。作家の観察眼とかツッコミ性とかがしっかりと出て、そのおかげでシナリオの序盤からことごとく台無しにしていく。ああ、もうね、藤澤先生の作品の中に別の作品の主役が乱入して全部持ってっちゃう感覚。あれほどスムーズに流れていたリハーサルが完全に否定されていく展開が最高に笑えました。携帯の電波が届かないと聞いて自分のスマホを確認したり、窓の外の警官役の登塚の存在や固定電話に気づいたり、観ていて爽快感すらありました。

 

で、仲間に加わった小山田先生が台本に修正を入れドッキリ続行。藤澤先生がトイレのために不在、リハーサル中に2人目のターゲットの斎藤さんが現れドッキリを知られてしまう事に。

しかたなく斎藤さんにはドッキリにかかった演技をしてもらい、藤澤先生に逆ドッキリを仕掛ける方向に。

一方、藤澤先生と末國はペンションを訪れた本物の殺人鬼と出会うも、そうとは知らずに代役だと思い込んで応対。

2回目のドッキリがスタート。今回はグダグダな流れ、チラチラ台本を見たり「ヤバイ!」しか言わない斎藤さんの不自然さがとてつもなく良い味を出していて、小山田先生の時とは全く異なった笑いの持って行き方。ここまで気持ち良く思い切りのある棒演技はとても難しいんじゃないかと思います。斎藤さん役のゆかわたかしさん、凄いなと。

で、この斎藤さんパート、ドッキリとしてはスムーズに運んで成功したはずですが、藤澤先生はすんなり納得できず。

 

2回目にダメ出しを加えつつ打ち合わせ、そこに本物の殺人鬼が再登場。みんな感違いしたまま受け入れ、殺人鬼役だった谷川は管理人役へ。

そして3回目のドッキリ。今回は藤澤先生の従姉妹のさとみさん。現役の女刑事。

最初は笑顔だったさとみさんでしたが、場の不自然さに表情が曇り、末國が刺された後の会話のチグハグさに不審、「ドッキリでしょ⁉︎」と藤澤先生に追及、激昂して部屋を退出。

次々と犠牲者が出る中、実は事態を察していたさとみが戻り、藤澤先生の機転もあって何とか事件を終わらせる事ができたという流れでした。

 

 

間の2つがかなりコメディ色を強くして、それを前後のサスペンス色強いパートで挟み込む、とても観応えのある舞台でした。

 

まず、脚本と演出がとても優れ物だと思うんですよ。同じ事を繰り返しつつも前とは違った展開を描く、所謂「ループ物」の変形なのですが、それを観客に飽きさせずダレずに観せていく。その都度、伏線を撒いておいたりそれを回収したり。ドッキリが失敗する様々な理由。キャラが感違いするための会話の齟齬と誤解とズレ。後の行動につながるキャラ間の関係性と認識。初見では見過ごしていた部分でも、キャラクターたちがしっかりと意味ある行動をしていた事に気づけたりもする。とにかく練りに練られたお見事な作品でした。4回観たんですけどね、もっと観ていたかった。このくらい満足できる作品なら全通する価値あるなと思えるほど。

そうそう、演出面でね、照明の使い方とか、窓を効果的に使って外にチラッと見えたり、逆に窓の外からこちらを覗かれていたり、その辺の演出がヒッチコックとかブライアン・デ・パルマっぽく思えました。

 

 

演じるキャストさんたちもね、皆さん本当に素晴らしかったです。

 

桑野晃輔さん演じる藤澤先生、ツイッターでも言いましたがとにかく萌えキャラでした。勝手で情けなくてダメっぷりで、でも芯は捨てないでいるからこその最後の活躍が活きて。本当に可愛いキャラでした。末國や小山田先生との接し方も良いし、劇団員たちがレモンを取り出して媚びアピールしたり逆にレモンを捨てた時の反応とか。そして殺人鬼さんとの対話も。

 

佐野大樹さん演じる殺人鬼さん。シリアスな面とゆるくなった面との落差、それぞれの魅力が本当に愛おしい。怖い時は本当に怖くて、そうでない時は本当に可愛くて、それがスイッチの様に切り替わる。この作品の中で一番好きなキャラでした。まるで西尾維新作品の零崎みたいな雰囲気が出てましたね。

 

作家と編集者との関係性がとても活きていた末國さん。三者三様の個性が際立っていたターゲットの小山田先生、斎藤さん、さとみさん。広野さん、今北さん、成田さんの劇団員たちはそれぞれが要所要所で存在感を発揮し。谷川さん、登塚さんのヘッポコっぷりダメっぷりはコメディとしての味つけに無くてはならない要素。オーナー、この人も本当に緩急の切り替えが素敵で、殺人鬼さんとの関係も納得でした。

チームKの方は観れてないのでキャラ解釈の違いとかはわからないのですが、どのキャラもこのキャストさんならではという配役だと思えました。

 

 

さて。山下聖良ちゃん演じるさとみさんを改めて。

安藤さとみさん。女刑事。コメディ色の強い作品の中で唯一コミカルな描写がほぼ無いキャラ。大人の女性役という点では過去に『蜘蛛の巣』のクラリサや『御手洗さん』の妾などもありましたが、一番クール系で「大人」を感じさせる役でしたね。衣装もダメージデニムをはいていてアクティブ感ありましたし。はっきり言って私の好みのタイプでした。強気で凛々しくてカッコいい。

役としては、例えばセリフが無くてちょっとした表情や目線で演技しなくてはならないところがいくつもあって、しかもそれが伏線になってもいるわけで、大変だったと思います。観劇2回目以降で、登塚やワインにしっかり反応してる事がわかりましたね。(いや、本音を言えば初見で気づきたいところなんですけどね。何回観ても、やっぱり見逃してるところはたくさんあるんだろうなと。毎回が唯一無二の本番なのに)怒って部屋を出て行くところも、2回目からは誇張された演技なのだとわかりますけど、でも演技だというわざとらしさが前面に出ちゃったら台無しなわけで、加減が難しかっただろうなと。

それと、1人だけブレの無いシリアスキャラという事で、他のキャストさんとの空気感や温度差も違う部分あったでしょうからね、役を仕上げるのに苦労した点もいろいろあったのかもしれません。

あと、銃を構えて殺人鬼を威嚇してる場面。ちゃんとそれらしく見えましたし、小道具の銃がどれだけの重さかわかりませんが、あの姿勢を維持したままの会話はけっこう大変だったんじゃないかと思います。

いい役でした。3年くらい前の時点では聖良ちゃんがこういう役をこなせる日が来るとは私も想像してなかったですし、この数年間での女優としての成長と、聖良ちゃん自身が大人っぽくなってきている印象がとても映える役でしたね。

それと、舞台の出演者的に観客の8割以上が女性客だった感じだったのですが、そういった層にも聖良ちゃんの印象が良かったという反応をツイッターでもいくつか見かけて、ファンとしても嬉しいかぎりでした。

たぶん今年の最後の舞台になるのだと思って、こんなにいい役で締められて、本当にありがとうございましたと。今年の出演の4舞台、どれも良かったんですけど。

 

アフタートーク。聖良ちゃんは2回出演し、そのどちらも観る事ができました。どちらも聖良ちゃんらしさが出ていて、ゲストへの質問に対しての司会の佐野さんから美味しいコメントをいただいたり、畠山さんへのバースデイサプライズの前振りで「棒演技」を久々に観れたり。本当、この回のチケット取れて良かったです。

 

 

とにかく、楽しい舞台だったなと。たっぷり笑えて、背筋ゾクゾクして、脚本の出来も良くて面白くて、出演者の皆さんがとても素敵で。

そして何より、推しの山下聖良ちゃんが素敵で。最高で。その舞台を演技を観られて、本当に良い女優さんだなと思えて。次も観たいなと期待できて。

贅沢を言えば、多くの聖良ちゃんファンにも、私の観劇仲間にも、もっと多く観て欲しかったのですけどね。

『まわれ!無敵のマーダーケース』、ありがとうございました。

 

 

f:id:dyna_red:20171105062823j:plain

物販ではパンフとTシャツを買いました。Tシャツ、2色あるうちのチームPの方の黒。心臓の位置にハートが描かれ、そこにナイフを。可愛いデザインですよね。

 

f:id:dyna_red:20171105063637j:plain

f:id:dyna_red:20171105063643j:plain

今回、劇場のスペースの関係からスタンド花がNGでしたのでアレンジメント花を贈らせていただきました。白とピンクでのハート型を。ただ、狭くて密集してる事もあって実際にロビーに置かれてる状態では埋没してしまってますね。なので、お花屋さんから送っていただいた画像も載せます。

配達後に、聖良ちゃんからメッセージカードを宛て札に付けていただいてました。しっかり回収させていただきました。本当にこういうご好意は嬉しいです。ありがとうございました。

それと、お花の大きさもそうですが、アレンジ花だと宛て札も小さくてロビーで目立たせるという点ではやっぱりスタンド花だなと思いました。このキャストさんにはスタンド花が届いてる、ってのは観客や演劇関係者に「山下聖良」という名前を憶えてもらうのに有効なんですよね。今回みたいなのだとそれの期待値が下がってしまいます。

 

『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班

山下聖良ちゃんの出演する舞台『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班の公演を観てきました。トリプルキャスト構成なので公演自体は全部で24公演、加えてトークイベント回とスペシャルライブ回が1度ずつ。私はそのうち、A班公演8回中7回とトークイベントに行ってきました。公演期間は8月10日の初日〜20日の千秋楽までの11日間。場所は東日本橋のアクアスタジオ。公演7回はいつも最前席を確保。トークイベントの時は3列目の席でした。

f:id:dyna_red:20170822190148j:plain

さて、『GO,JET!』シリーズはメイン話と番外編的な話を合わせて10作以上ありますが、私が過去に観ているのは聖良ちゃんが出演した『vol.7』と、
dyna-indigo.hatenablog.com

七海絢香ちゃんが 渚役で出演した『vol.10』です。『vol.10』の方は感想記事は書いてません。

そんなわけで、シリーズ作品をほとんど観ていないにわかが書いた感想ですので、的外れな点などあるかもしれません事をご了承ください。

 

ストーリー面など

物語の舞台はいつものバーで。南の島にリゾートに行きたい、でも結局は誰も行けない、という話題から「せめて沖縄の雰囲気だけでも」とガールズの歌唱。

その歌声に惹かれて今回のゲストキャラの蛍と桜が登場。2人は小笠原の南にある神古島から親善大使としてやって来ていて、島のリゾート施設で働いてくれるスタッフを探していると。その話にメグと大地が乗っかり、さらに秋絵さんも登場して、ガールズ以外は神古島に行けるという流れになり、そこで渚の「神のお告げ」があり不穏な空気が漂い始める…というストーリーでした。

 

さて、めでためでたでほぼ良かったで終わっている様にも思えますが、私は初回を観終えた時から千秋楽までずっと引っかかっている事があります。

神古島は本当にあれで良かったんだろうか?蛍と桜は本当に幸せになるんだろうか?と。

リゾート開発をされる事で外部からの文化流入は加速するでしょう。「2億なんぞすぐ取り返せる」と言っている事からもそこに無茶が通る事になりそうで。秋絵さん、「金の匂いがプンプンするぞ」なんて言っちゃう人だしなぁ。

島民は優しい人ばかりで、記録に残る限り犯罪が無い、そんな神に守られた島は…失われるだろうなと。

 

 

ストーリー面だけで観てみると、これは他の舞台演劇などと比べると、弱いと言うか薄いです。だから、そこを期待してしまう人にはダメなんでしょう。反面、劇中でのライブパートは12曲、そこを込みで楽しめる人ならコスパは良い。キャラ付けもコミカルにされていて観ていて楽しいので、シリーズのファンになれたら何度でも通いたくなる作品だと思います。あるいは、誰か出演者のファンであれば、その人の演技、歌、ダンスを総合的に堪能できますので、来て損は無いと思います。気になる出演者が何人もいるならなおの事。

 

 

劇中に披露される楽曲は12曲ですね。本編の前後にガールズの曲、ガールズそれぞれメインが1曲ずつ。蛍と桜のソロ曲がそれぞれ2曲ずつ。渚、JET、大地のメインがそれぞれ1曲ずつ。

JETメインの『Surfin. U.S.A.』はトークイベントの時にC班あかね役の伊田麻友香さんによる振り付け講座がありまして、できる人は一緒に踊るの推奨でした。私はがんばってみましたが(聖良ちゃんが嬉しそうな顔をするので、踊らない選択肢はありません)最前席で横目で見える範囲では、あまり踊ってる人はいなかったかな。

あと、『vol.7』の時はペンライト(サイリウム、キンブレなど)は本編終わった後の2曲だけ振っていいって事だったのですが、今回は本編でもOKだと言われまして。初日は様子見だったのですが、2回目から蛍と桜のソロ曲で振ってみて、徐々に増やしていって、千秋楽では『Surfin. U.S.A.』以外の曲は渚や大地のメイン曲も含め、全部振ってみました。最大4本持ちで。

とは言え、後ろの席の観劇の邪魔にならない様に高さ的には自分の胸くらいですし、左右の方への遠慮もあったので、劇ドリの時ほど本気は出さず。

ペンライトも蛍と桜には何人か見かけました。他にはミッツへの青と渚への赤を見かけたくらい。ここの常連ファンの人の感覚とペンライト応援文化は合わないのかもしれませんね。

そんな感じでライブパートにも積極的に参加していく事ができるので、私としてはとても楽しい要素でしたね。

 

 

山下聖良ちゃん:桜役

さて、聖良ちゃんが演じるのはゲストキャラの1人、桜。真っ白なワンピースの儚げさ。閉ざされた神古島から30年振りに外界へ出てきた女の子。つまりそれは外の文化や人々と直接に交流するのが生まれて初めてという事で。最初に店に現れた時は蛍の背後に隠れ気味だったり、相手と目を合わせるのが苦手だったり、ちょいおどおどした感じで。

それがソロ曲披露を経て、神古島の話にみんなが興味を持ってくれて、みんなと一緒に歌って踊って遊んで、どんどん明るさが前面に出てくる。そして終盤では自分の意見をはっきりと主張する力強さ。

聖良ちゃんにこの役を振ってもらえて、本当にありがとうと思えるほど美味しくて、そして実力が試される役だったと思います。

 

桜のソロ曲は2曲。まずは原田知世の『天国にいちばん近い島』、神古島のイメージからの選曲でしょうね。同名映画の主題歌。最初は試し試しで歌い出していたのが周囲の反応で次第に乗ってきた感じで。途中、ガールズが親衛隊モードに入って本気応援し始めた辺りではかなり照れからの笑顔が見られるようになります。この変化がとても可愛い。

歌詞の「♩心の海 渡る船が 迷わないようにと Love星が降る Loveその場所に 甘いテレパシー あなた導いて」の辺りがストーリーに少し引っかかる感じかな。

 

そして2曲目は斉藤由貴の『MAY』。こちらも歌っている途中で桜の表情が変化していくのですが、こちらの方が重要。歌詞を聴いていくと桜の心情とリンクしていく。

「♩だけど言えない… どんな言葉もみんなウソなの」「♩でもこれ夢だから 醒めると困るからダメ 教えないわ」「♩ばかね私 あなたを喜ばせたい なのに この夢から出られない 少し うつむいて微笑むだけ…」「♩世界がふるえるほどに いつか この鳥カゴをこわして」

そして、歌っている間に桜自身がこの歌詞にある言葉に気づいて、顔をくもらせ、泣きそうになりながら、蛍をチラチラうかがいながら歌っていく。ここの演技が本当に素晴らしくて。今回の聖良ちゃんのベスト場面は個人的にここですね。

どちらの2曲も元気に歌い上げる曲ではないので、聖良ちゃん自身の素を抑え込んでしっとりと歌う。なかなかに難しかったのではないかと思います。

 

7回観たうち、最初の2回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時はそこばかり追いかけていましたが、3回目からは桜が歌っている時も他のキャラに視線を移して色々な事をしてるのを見比べながら楽しんでました。

そうそう、初日で話がわからなかった時は『天国にいちばん近い島』→映画公開後のニューカレドニア島の独立運動のイメージがあったため、そして「蛍」と「桜」という名前が「死」や「儚さ」をイメージさせる物だったため、もう島は無い、2人も幽霊なのだと予想してました。全然違ったw

 

泉ほたるさん:蛍役

桜とコンビになる神古島のキャラ。桜の目を見てうなづく場面も何回もあるなど、強い意志を感じるキャラでした。ブレない。時には戸惑う桜と違って、ウソをつく事も隠し事も島のために必要な事だと、自分を抑え込んでいるのだと2回目以降はよく伝わってきました。蛍のソロ曲ではその感情をちょっとだけ表したかのような選曲になってますね。

1曲目は菊池桃子の『BOYのテーマ』。後の場面で「愛はいりません」と主張する一方で「お母さんになるのが夢」というセリフ。それが「♩まだ見ぬ人にときめいていた」「♩願いが届くまで あなたを待っていた」と。たぶんもっと幼い少女時代から抱いていた想いなんだろうな、それを今はこの歌を歌って何を思っているんだろうなと。そして相手がBOYなのですから歌ってる主体としてはGIRLなわけです。まだ純粋。

それが次の曲では…

2曲目は薬師丸ひろ子の『Woman』、映画『Wの悲劇』の主題歌で『W』が『Woman…女性』ですので「女性の悲劇」という意味を劇中でほのめかしてる気がします。蛍と桜のソロ曲は4曲とも映画の主題歌なのですが、その中でわざわざ映画のタイトルを出しているのはこの曲だけでしたから、そこに強調したい意図があったのではと思えます。

歌詞の「♩ああ 時の河を渡る船に オールはない 流されてく」「♩行かないで そばにいて」辺りを歌っている時の蛍の心情はどうだったのでしょう。観ていて、とても悲しげに見えました。

蛍というキャラ、桜と対照的で、とても観ていてしっくり来る関係性でした。

 

ここからは台本にあるキャラ並びでいきます。

永井兼介さん:JET役

今回のJETはストーリーにそんなには関わってこないのですが、ライブパートや上手でのガールズたちの場面などで、けっこう色々なことをしてます。桜をメインに観に来ている事もあって、カウンター付近での演技はとても味がありました。騒がせキャラが多いこの作品の中でこういうキャラがいるのは清涼剤として重要ですね。そこをしっかり押さえていたと思います。

あと、何日の公演でしたか、蛍のソロの時に桜に青いペンライトをそっと渡してるのはいろいろな事に気配りできるキャラ感があって良かったです。

それと、『Surfin. U.S.A.』のメインですね。あれはカッコ良かった。

蛍と桜に作ったカクテル。台本には名称が書いてなかったので本人にたずねてみたらオリジナルで考えてるそうで。道理で検索しても出てきませんでした。5回目くらいまでは「ハグミーキスミー」、6回目はたぶん「ラブリーラブリープリティー」、7回目は「スプラッシュなんとか」、千秋楽は「ビトゥイーンなんとか」だったと思います。ちょうど、早紀のセリフがかぶるところなので最後まで聞き取れないのでした。

 

吉田遼さん:あかね役

こちらもJETと同じであまり本筋に深く関わってこないキャラ。でも、同じくカウンター周辺でかなり良い味を出していました。それと冒頭のロハスのくだりのつかみ。

それから終盤ですね。桜の「お母さんになって幸せ?」という問いへの答え。短いですがすごく大事なセリフ。その後の場面で、泣きそうになっているメグにそっと寄り添って肩を抱き寄せてる姿。

実はキャラの中で私が一番好きなタイプで言えば、あかねさんなんですよ。スカジャンにポニテにジーンズのホットパンツ、最強に可愛いです。

 

二宮響子ちゃん:早紀役

過去に2パターンのガールズを観てきて、その印象があったので、今回は何だかすごく美人さんだなぁと思いました。何と言うか、クールビューティー感。でも、舞台が進んでいくうちにそこに混ざってくるへっぽこ感。そして暴力キャラ。そのギャップが新鮮でとても良かったですね。

「聞いてあげようじゃないの」からの身体が動き出して親衛隊モード全力、そこから戻ってきた時の疲れ切った姿とか。

ガチャチェキ、渚衣装の響子ちゃんを引けて、もう見惚れました。巫女服がとても似合うお顔。

 

清家怜緒奈ちゃん:夏代役

ナッツと言うと、私としては聖良ちゃんのイメージ。そして『vol.10』で観た鈴村あすかちゃんのイメージが強すぎなのですが。今回、怜緒奈ちゃんのナッツを観て、すぐ気に入りました。笑顔が可愛くて、泣きそうな時も笑いを取るため変顔気味になる時も、とにかく表情が多彩で魅力的で、観劇中は他のキャラよりも優先的に多く観ていた自覚があります。『vol.10』では別班の渚役だったんですね。

ちょっとこれからも注目していきたいなと思いましたので、聖良ちゃんが出演しない時に『Go,JET』を観に来る機会があれば、怜緒奈ちゃん扱いにする事も多くなると思います。

今回も聖良ちゃんの次に面会しに行ったかな。

あ、イベントの時のジェスチャーゲームで聖良ちゃんとペアを組んだのも怜緒奈ちゃんでした。

 

増野彩夏ちゃん:美月役

今までに観た2回ともミッツは前原未晴ちゃんだったので最初はちょっとイメージ違うかな。聡明で綺麗なお姉さんキャラって感じだなと思って観ていたらどんどん味が出てきて。この人もとても表情の作り方が良くて、セリフの抑揚、立ち居振る舞い、すごく舞台映えする人だなぁと思いました。「あっかんべー」でずっこけるところとか、渚に目を合わせないように壁に張り付こうとしてるところとか、「何かがおかしいんだぉ」の時の表情とか、桜が「MAY」を歌ってる時にとても乙女な事をしてたり。

とにかく要所要所で印象に残る人でした。以前にどこかで観た記憶がかすかにあったのですが、『vol.10』でのメグ役だったと後で気づきました。

 

菅野大地さん:大地役

何と言うか、今回のA班でのMVPじゃないかってくらいインパクトがあって舞台に貢献してたと思います。

ガールズが歌ってる時に下手側、カウンターのところではっちゃけて踊ってるところとか。それに気づいて笑顔がこぼれてしまうナッツの反応も含めて、とても観ていて爽快感がありました。それにところどころで「チリチリ」をアピールしてきたかと思ったら最後に爆発w あれはある意味、本当に「卑怯」だなぁとw そんなおバカキャラなんだけど、「俺が行く」の場面なんかはどこかしらカッコ良くて。ダンスもキレがあるし歌も上手いし、とても良いキャラに仕上がっていたと思います。

 

白尾梨奈ちゃん:メグ役

この子もとても良い表情をいっぱいしていたと思います。印象強いのは登場してすぐの大地のバイトのくだりでの思いっきりの良さと、最後の別れの場面なんでしょうが。大地やJET、あかねと同様、他のキャラが歌ってる時のカウンター周辺での演技とかが楽しかったですね。

別れを告げられる時、大地のソロ曲の時、あの泣き顔と、その後に安心しきっての「いいよ、あげるよ、こんな男」。別れが無くなったとわかったからこそのあのセリフと態度。良い笑顔でした。

 

比嘉ニッコさん:秋絵役

出番こそ他のキャラより少ない感じですが、この人が登場すると物語が展開する印象、重要なキャラ。そして大地と同じくらいにキャラが濃くて、舞台上の空気を全部持って行ってしまう。「動」あるいは「乱」、渚とのキャラ関係性も対照的で観ていて本当に楽しかった。あとは、「金」で動くという濁り感も適度に出ていて、この作品に良い感じでスパイス効かせてくれていましたね。

アフタートークの時だか、イベントの時のトークだったかで聖良ちゃんが「他に演じたいキャラ」として秋絵さんを挙げていました。観たい!

 

桜庭百々天ちゃん:渚役

渚としては七海絢香ちゃんのイメージがあったので、最初に観た印象は「小動物のような可愛さ」でした。基本的に無表情なキャラともあって初日はそれほど注目もしていなく。その時点では歌が上手いなくらいの感じでしたが、決め顔からの落差とか、うつむき加減で歩いてたり、カウンターに座っている時にもけっこういろんな事をしてるなと気づいてから、演技上でも気にかけて観るようになりました。演技に感情を込める事を制限されているキャラですから、難しい事も多々あったんじゃないかと思います。意識し出してからは魅力的で、初舞台という事でまだまだ未熟でもあるだろうし荒削りなんでしょうし、これからの伸び代への期待値という点で、今回のA班キャストで他の舞台などでいろいろな役を観てみたいと思ったのはこの子が一番でしたね。

曲で歌って踊ってる時もポーカーフェイスなのですが、客席に背を向けた時、百々天ちゃんと向き合った人がだいたい笑い出しているので、きっと緊張解いて笑ってるんだろうなと思いましたね。すぐ客席側に顔を向けた時にはまた無表情に戻ってますが。

舞台上ではなかなか伝わらないかもしれませんが、面会時に見せてくれる満面の笑顔や目力はめっちゃ可愛いと思いました。

なので、これからも期待して、舞台や何かしらのイベントへの出演に、私の予定が合えばまた観に行きたいと思います。がんばってほしいです。

 

 

基本的に聖良ちゃんを観に来てるわけで、回数が少なければそこに集中しての観劇になってしまうのですが、今回は余裕があった事もあって、後半の回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時にも他の人に注目して観ている事もけっこうありましたね。

面会も『vol.7』の時は聖良ちゃんだけ、『vol.10』も絢香ちゃんだけにごあいさつしてたのですが、今回は全員にはできませんでしたが、毎回いろんなキャストさんとお話しさせていただきました。

回数を観てれば親しみも愛着もわきますし、他の班を観ていればそちらでも同様に思ったのでしょうが、私はA班キャストさんが全員好きですね。観れて良かった。出会えて良かったと思います。機会があれば、『Go,JET』や他の舞台などでお会いしたいです。

さて、今回はスケジュール調整や生活リズムの点でそれなりに無茶を通しての観劇でした。今後は1回の公演でこれだけの回数リピートできる機会はそうそう無いかと思いますが、とても楽しく充実した日々でした。

 

f:id:dyna_red:20170824182301j:plain

物販ではA班全キャストのサイン入り&集合写真付き台本を購入。それと、今回もガチャチェキがあったので運試しの意味で毎回チェレンジしてみました。全部で20枚ほど回して、聖良ちゃんが写ってるのはあかね衣装のスカジャンと、A班全体の2枚を引きました。全体チェキの方の文字は百々天ちゃんだそうです。

f:id:dyna_red:20170824182254j:plain

こちらは聖良ちゃん扱いでチケットを予約すると面会時にいただける特典の日替わりブロマイド。8公演+イベント回分で全9枚、私はそのうちの8枚まで集めました。(ちなみにこのブロマイドを撮影したのは、劇団ひまわりの二階堂姫瑠ちゃん)

f:id:dyna_red:20170822190155j:plain

今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。

この時期はやっぱりひまわりだろうと。キャラのイメージがわかっていればピンクや白を混ぜる事もできたのですが、前もって発注するとなかなか難しいですね。

f:id:dyna_red:20170824182310j:plain

そして今回も花の宛名札に聖良ちゃん直々にメッセージを書いていただいていました。本当にありがとうございました。

音楽劇『御手洗さん』

山下聖良ちゃんの出演している舞台、音楽劇『御手洗さん』を観てきました。劇団ひまわり・シアターカンパニー「Smash」と表記。脚本・演出のなるせゆうせい氏による作品を劇団ひまわりキャストを中心に再演という形。

4月8日19時A班、9日13時A班千秋楽、同17時B班千秋楽の3回観劇。場所はおなじみシアター代官山。

f:id:dyna_red:20170506093424j:plain

f:id:dyna_red:20170507045658j:plain

 

大まかな物語は…。小さい頃からイジメられ続け引きこもってた御手洗さん、大手美容関連会社に採用されるも、彼女をイジメてきた九頭龍冴子営業部長と再会、反撃を決意。そして矢継ぎ早に怒涛の展開(以下略)という感じ。

「音楽劇」という事で、随所に御手洗さんを中心に歌唱が入る、ミュージカルみたいなものだと思えばそうイメージにズレはないです。

まず観ていて感じたのは、御手洗さんを筆頭に登場人物は性格破綻してたり歪んでたりするキャラばかり。名前のあるキャラでまっすぐなのは発展途上国のリッチちゃんくらいですかね。あと経理の一二三さんもかな。一見まともな熱血くんも「イジメをやめないとイジメるぞ」とか言っちゃうキャラだし。

主役の御手洗さんは特に前半はとことんクズで(心の中の天使と悪魔が出てきて葛藤する場面で、天使1人に対し悪魔3人だしw)、でも対する冴子さんの酷さも描かれてる事から御手洗さんには感情移入できちゃう感じですね。それに後半は御手洗さんは美人に見えてきて性格も改善されてきてるように思えますし。

 

何度も笑って、ちょっと泣いて。2時間という上演時間が全く気にならないほど舞台に気持ちが入り込んで楽しめた作品でした。最後は良い話で終わってるように勘違いして清涼感ありますが、冷静に考えるとかなり酷いストーリーだよなと。お下劣なネタも暴力描写もかなり過激で、劇団ひまわりのイメージ的にどうなのよ?と思うレベルでしたが。

それでもすんなりとアクの強い作品世界に入っていけたのはテンポ良い脚本や演出の巧さと、キャストさんたちの演技がマッチして、良い結果が出たのだろうと思います。とても楽しめた舞台でした。

 

 

AB班のWキャストですが、出演者のほとんどはアンサンブルも含めて両方に役を変えて出演していますね。パンフを確認してみると片方だけなのはA班熱血くんの柴田さんくらいでしょうか。

御手洗さんや栄CEOなんかはそれぞれの個性が際立っていてまるで別キャラのようにも感じました。

私はA班を先に2回観た事もあって、配役のイメージ的にもこちらの方がしっくり来ますね。B班も受ける印象はかなり違って別物だったのですが、好みではどちらかと言えばA班。

 

 

さて、聖良ちゃんです。A班では目の見えない妾、B班ではアンサンブルでの出演となっています。A班で妾さん以外だと、冒頭の面接志望者(?)、窓際課のOL、新商品発表会でのマスコミ。B班ではそれ以外に、TVでの新商品紹介担当女性、発展途上国の女性、夜のお店での女性、といったところでしょうか。

 

妾さんの出演場面は終盤近くなので、初見の時には一体いつ登場するのかと少し戸惑ったくらいでした。

妾さんを演じるに当たって聖良ちゃん的には初めてだろう事が3つあって、かなり大変だったのだろうと思います。

まず、和服。普段から着慣れている洋服と違って立ち居振る舞いなども大変だったろうと思います。動きも制限されるでしょうからね。

次に目の見えない事。サングラスなどで隠せているわけではなく目をさらしているわけですから、対峙する相手に視線を合わせない事、視線を揺らさない事、それらが不自然になっては目の見えない設定に説得力が出ませんから。

そして、ネタバレで明かせませんが◯◯する事。近い状況は『Juliet』でもありましたが、とうとうやっちゃった。

それらの事柄もあり、出演時間こそ長くはありませんが、妾さんは演じていてとても面白い役だったのではないかと思います。

まず静かな演技、そしてチラチラと見えてくる隠していた「毒性」、感情の吐露、他人に対して自然に出てしまう尽くす態度、抑えていた物が外れた時の激しさ。

WキャストでB班の妾さんは桃井絵理香さんが演じていて、地に堕とされた様な幸薄さや生々しさを感じさせる妾さんで、そちらも素晴らしかったのですが。

聖良ちゃんの妾さんは、いろんな物を諦めてしまっていて、でも御手洗さんと出会えた事でちょっと光が射した様な、影が薄い透明感のある妾さんでした。

桃井さんと比較できた事で、両方良かったですし、聖良ちゃんがどういう方向に役作りしたり拘りを込めているのかとか、そういう部分が感じ取れた気がして満足できました。

 

 

あとは、そうですね。桃井さんもそうですし、矢野くるみさんとか、その他にも以前にユニフェスで観て名前と顔をおぼえているキャストさんが何人もいたので、そういう部分も楽しかったです。

知らなかったキャストさんの中ではA班九頭龍冴子さんの織上真衣さん、キレイで表情も良かったです。

今回のキャストさんたちも印象に残った人は記憶しましたので、またどこかで観劇の機会があればと楽しみにしたいと思います。

 

 

f:id:dyna_red:20170521070039j:plain

無料配布のパンフはフルカラー8ページと贅沢な作り。全キャストさんの「“美”とは?」の質問に対するコメント。稽古中の写真もたっぷりあって聖良ちゃんも何枚か写ってますね。

f:id:dyna_red:20170521070042j:plain

そして、物販でブロマイド販売。ユニフェスの時と違い販売しているキャストさんは少なかったのですが、聖良ちゃんは4種類。A班での妾さんとB班での夜のお店の女性でした。

 

今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。場所が場所だけに劇団ひまわり関係者の多くの人の目に入りやすいんだろうと、かなり内心ドキドキしてました。

 

f:id:dyna_red:20170506093419j:plain