「G.I.ジョー」


観てきちゃいました。
いや、本来はスルー方向だったのですけどね。ソマーズ監督は『ヴァン・ヘルシング』や『ハムナプトラ』の人で、つまらなくは無いけど繰り返し観たくなる作品ではない、個人的には微妙な位置の監督だったわけで。
日曜に観た作品で少し消化不良気味だった事もあり、難しい事を考えないアクション映画を観たくなったと。そんな衝動的な流れでした。


物語はこんな感じ。巨大軍事産業ナノマシンを開発、それを利用した弾頭をNATOに輸送する事になった。その輸送部隊が謎の部隊の襲撃を受ける。輸送部隊は壊滅するも、さらに別の部隊が介入し、弾頭を死守。輸送部隊のたった二人の生存者、デュークとリップコードは彼らを救った部隊「G.I.ジョー」の基地に保護され、入隊を志願する。
だが、敵の行動が先んじていた。再び弾薬を奪還するために、「G.I.ジョー」の基地に奇襲を掛けてきたのだ。


金属を腐食するナノマイト弾頭を巡る争奪戦。両陣営とも、通常兵器を凌駕する装備を持ち、優れた能力を備えた構成員による部隊。ドンパチ系、体術系、陸に海に空にと、上映時間中に次から次へと魅せ続けるのです。もう、アトラクション・ムービーのお手本の様な作品。言ってしまえば「マンガ」ですから、ツッコミたくなる場面もあるし、やり過ぎ感もある。
主人公のデュークを中心とした人間関係のドラマも有りますが、そこは味付け程度に受け止めておくのが無難。とにかくスピード感と爽快感と破壊感に酔いしれ、エンドロールが流れる頃にはちょっとした疲れを感じつつも、少しはストレス解消になったかなと思えれば勝ち。


キャストの人たちは、あちこちの作品で見覚えがある人が多い。とは言っても主役級ではなく、あくまでも脇ばかり。唯一の有名人がイ・ビョンホンくらいか。彼の演じるストームシャドーと、そのライバルのスネークアイズ(『スターウォーズep1』のダース・モール役の人)によるニンジャバトルは見応えありました。ストームシャドーの少年時代を演じてる子は、『トロピック・サンダー』でマフィアのボスを演じてた子でした。有名な子役なんですかね?
スカーレット役のレイチェル・ニコルズは時々ジョディ・ファスターっぽく見えた。


アクション的な山場は、中盤のパリ戦だったと個人的に思う。ここのムチャクチャ振りはホントに楽しかった。
ただ、配給会社の問題なんだけど、一番の魅せカットを予告編やCMに使っちゃうんだよね。自重してほしいさ。


そうそう、キャラクター構成とか雰囲気とか、どことなく『メタルギア』を連想させた。確か、この作品のアニメを日本で放映した時のスポンサーにコナミがいなかったっけか? 少なくともアーケードゲームコナミ製品だったと記憶してるけど。小島監督、多少なりとも影響を受けたのかなぁ。あるいはこの映画版が『メタルギア』の影響を受けたか。


この作品のストーリー自体、敵組織「コブラ」が誕生するエピになっている。副題が「THE RISE OF COBRA」でもあるし。
で、次回作につながる様な伏線も、あちこちに感じ取れる。でも、ヒットするかなぁ? 少なくとも日本ではコケるかと。普通の人が夏の間に2本くらい映画を観に行くとして、これを選ぶ理由が無いもんな。イ・ビョンホンくらい? 
ホント、面白い作品だと思うんだけどね。
で、私の評価は10点満点で8点。可能な限り大画面を推奨。理屈抜きで派手なアクションを堪能してください。