「グラン・トリノ」

予約しておいたDVDが2本届きました。映像特典も含めて1回ずつ観賞。
まずは『グラン・トリノ』です。
劇場での観賞時のレビューは↓をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/dyna_red/20090425
私が今年観た映画の中で、未だにベスト1の位置が揺るがない作品です。
とは言え、劇場で観た時に比べるとこちらも一歩引いた目で観賞してしまっていますが。
展開に多少の強引さがあったり、この場面はこうだった方が良かったんじゃないかとか、完璧と言える完成度では無いのは確か。
物語が終わっても、実は何も解決はしていない。ウォルトは、若い世代に、自分の出来る方法で、自分の伝えたい事を伝えただけ。それはタオだけにではなく、おそらくギャングの少年たちにも。その応えは、彼ら自身がどういう大人になっていくかで示すしか無いし、ウォルトの魂は受け継がれずに終わるのかもしれない。
それでも、大戦時に少年期を過ごし、朝鮮戦争には従軍し、米国自動車産業の栄枯盛衰の中で生き、ギャップの中で暮らしてきた老人の最後の物語は、何度も繰り返し観賞したくなる、そんな魅力がある。
ただ、ウォルトに共感できるには、ある程度は年齢を重ねている事が観賞する側の条件かもしれない。少なくとも、クソ孫娘やギャング少年たちの方にシンクロできちゃう様な人には、合わない作品でしょうしね。