「パリより愛をこめて」


観てきました。この日を逃すとMOVIX川口ではモーニングから外れてしまうので、夜勤明けに帰宅して、食事を摂って慌てて出かけるはめに。


物語の舞台はフランス。駐仏アメリカ大使の補佐官ジェームス・リースは、実はCIAの見習い捜査官だ。ある夜、リースはフランスに入国した捜査官チャーリー・ワックスの運転手を命じられる。この任務が達成されれば、リースは正規の捜査官に昇進する事を伝えられる。喜び、空港まで迎えに行ったリースは、税関でトラブルを起こしている破天荒なワックスと出会う事になる…。


原案はリュック・ベッソン、舞台はフランスで、銃撃戦ありカーチェイスあり肉弾戦あり爆破あり。そう、いつものヨーロッパ・コープ作品です。『TAXI』やら『アルティメット』やら『トランスポーター』やら『96時間』やら。物語性は薄いのですが、軽く爽快感を味わえる作風が多いため、それなりに一般受けしてるんじゃないでしょうか。はい、私も好きです。でも、スクリーンよりもレンタルで観賞する人の方が多いのかもね。
監督はピエール・モレル。前作の『96時間』が個人的にとてもお気に入りなので、本作も楽しみにしてました。
ワックス役のジョン・トラボルタも良かったですね。『96時間』リーアム・ニーソン無双なら、こちらはトラボルタ無双といった感じ。スキンヘッドでヒゲで少し肉の付いた悪いオヤジなのですが、派手なアクションや行動だけでなく、時たま見せる笑顔がとても魅力的なのですよ。このキャラだけでも満足感ありました。そうそう、『パルプ・フィクション』を観た人ならニヤリとさせる「チーズ・ロワイヤル」のネタが仕込まれてました。
ストーリー面は薄いです。余計な肉付けを削ぎ落として、シンプルにした感じ。深みは無い分、テンポは良いですね。95分という比較的短い尺なのですが、体感的にもっと短く感じました。とは言っても、幾つか山場は用意されていますし、ある場面からガラッと展開も変わりますし、全体の構成は結構練られているんじゃないでしょうか。
10点満点評価で8点かな。『96時間』よりは少し落ちますね。あちらが孤高のプロの作業なら、こちらはワイルドとインテリの相棒物ですから。作品の向きが違うんですけどね。難しい事を考えず、時間の経つのも忘れて堪能できる、良質のエンターテインメントだと思います。