「インセプション」


ようやく観てきました。2時間半越えの長尺なので、平日のモーニングだと出勤前の睡眠時間が厳しくなっちゃいますし、Dシネマ映画祭なんかもありましたのでね、なかなかスケジュールを合わせられませんでした。で、休日シフトのタイミングでレイトを狙いました。今度は上映終了して帰宅するのが日付変わった後なんて事になっちゃいましたけどね。


主人公のコブは夢を利用して他人の潜在意識に侵入し、情報などを盗み出すプロ。任務に失敗し逃亡するコブたちの前に、そのターゲットであったサイトーが現われ、仕事を依頼する。それは「インセプション」。対象から奪うのではなく、アイデアを植え付ける事。はるかに困難な任務だが、コブの犯罪歴を消し、自分の子供たちに会える様にするという報酬に魅かれ、彼は任務を受ける。そして任務達成のためにチームを編成し、ターゲットに接触するが…。


これはかなり面白かった。いや、もう監督の名前だけでずっと期待はしていたんですけどね。
他人の夢の中にダイブして何かをするって、それ程珍しいテーマでも無いと思うんですが。
夢が幾つも入れ子構造になってまして。現実と、第一層の夢と、第二層の夢と…。その構造間で事象が影響しあって、深い階層ほど体感時間が長くなって。そういう設定がとても見事に活用されてましたね。しかも同時進行で描く演出の上手さ。夢ならではのありえない状況を使ったアクション場面も楽しかったですし。
そうしたガジェット面だけでなく、主人公のコブと彼の奥さん、ターゲットと彼の父親の関係は心にジーンと来ましたし。
いや、何と言ってもですね。脚本のここは粗いだろとか、ここはダメだなとか、そういう減点部分を全然感じなかったんですよ。多少不明な部分は考察の範囲かなと思える程度で。見逃してる伏線なんかもありそうですしね。


10点満点評価で9点。他と比べて第3階層の印象が少し弱かったのがね。それから、やっぱり上映時間の長さがネックかと。
私は高得点を付けますが、人を選ぶなぁとは思います。実際、私が観てた劇場では何人も寝ていた様子ですし。物語の序盤で、設定や状況を理解しようと意識しないと、流れに乗れなかった観客にとっては厳しいかもしれません。だから人によって評価は両極端になっちゃうかな。
そうそう、エレン・ページは可愛くて良いです。『Xメン』の時から可愛かったけどね。
渡辺謙は、彼が出演しているハリウッド映画の中で、今作が一番存在感と魅力が出ていたかと思います。
あ、パンフはなかなか良かった。