「ザ・タウン」


初日最終で観てきました。
「数十年に一度のクライムムービーの傑作」という評価はともかくとして、予告編を観た時からとても面白そうだと感じていた作品。


ボストン北東のチャールズタウン、銀行および現金輸送車強盗が世界一多い街。今日も銀行が襲われた。
ケンブリッジ銀行を襲撃した4人組は手際の良いプロ集団だったが、その朝は予定外の自体が発生した。無音警報に逃亡を焦った1人が、女性支店長のクレアを人質として連行した。逃亡は成功し、彼女自身は無事に解放されたが、奪った彼女の免許証からクレアが自分たちの近所に住む事を知り危険を感じる強盗団たち。
クレアの口を封じようと先走るジェムを押さえ、自分から監視役を買って出るリーダーのダグ。コインランドリーでクレアに接触してしまったダグは、カフェや食事を繰り返し共にする中で彼女に魅かれていく。
だが、街の元締めからは次々に強盗の仕事を回され、FBIも彼らの周囲を嗅ぎ回り始めた。
そんな中、足を洗い街を出ようとするダグは最後の大仕事に向かう…。


ダグ役で主演も兼ねているベン・アフレックの監督第2作目。
3回の襲撃、カーチェイスなどの逃走、FBIや警官隊との銃撃といった場面はテンポも迫力も説得力もあり、とても見応えのある物となっている。
配役も味のある演技派揃いで、特に犯行以外での場面での人間関係描写に光る物を感じ、そうした地味な時間帯も飽きる事無くスクリーンに惹きつけられる。
親の代から犯罪者で、人脈も含めて丸々継いでしまう犯罪の街。そして主人公からは犯罪に対しての罪悪感が感じられない。そういう部分が作品の根底にある重い現実なのだろうけど、そこに一般人とのロマンスを混ぜるのであれば、もう少し作品として描きようがあったのではないかと思う。
満足度は高いが観賞後に何かが足りない感が残る。傑作ではあると思うのだが、その足りない何かって点が、アカデミー賞ノミネートを逃した根本なのかな。
10点満点評価で7点というところ。娯楽性もあり、作品としては十分でしょう。でも、予告やCMや雑誌記事などで事前にハードルを上げすぎてしまいました。過度の期待をしなければ満足できます。