「英国王のスピーチ」


観てきました、昨日。予告編を観た時から面白そうな雰囲気が漂っていたんですよね。で、アカデミー最有力候補と紹介されていて。ああ、わかる。そんな感じだよなと。んで、発表されたら混んで大変だろうなと思い、ギリギリのタイミング、海のむこうで授賞式が開催されている中でスクリーンに足を運んだ次第です。月曜日の朝一はそんなに混んでいないのですが、この作品は違いましたね。年配客を中心に4割くらいの席は埋まっていたんじゃないですかね。両隣に間を開けずに人が埋まっているなんて事も珍しいですよ。


吃音癖を抱えるヨーク公(後の英国王ジョージ6世)は、しかしその立場上、少ないながらも人前で発言する事を強いられた。特に式典のスピーチは彼を苦しめ、その吃音癖を矯正する必要を感じていた。何人もの言語聴覚士にかかるも改善はされず。
ある日、妻エリザベスに伴われてヨーク公はスピーチ矯正専門家のライオネルというオーストラリア人を訪ねる。それまでの専門家たちとは全く違ったやり方に疑問に思いながらも従っていたヨーク公は、とうとう我慢できずにカウンセリングを打ち切ってしまう。
だが、最後に渡された自身の朗読レコードを聴いて、ヨーク公は考えを改め、再びライオネルの元を訪ねるのだった…。


題材自体はとても地味です。即位やドイツとの開戦など要所要所でドラマが生じますが、基本的にはヨーク公とライオネル、あるいはエリザベス妃との3人を中心に淡々と描いていく作品です。
キャストの演技も堅実で、全編ユーモアに包まれていて、そして雰囲気もいい、音楽も舞台もいい。そして優しさと感動でほろりと。
派手さは無いけど、満足度は高い。ある種の作品の様に「ちょー感動したぁっ」ってタイプの作品ではないので、観賞後も地味に浸ってください。そんな作品でした。確かに審査員受けするわ。
ヨーク公もライオネルも、あるいはチャーチルだとか大司教だとか、いい配役はいっぱいいましたが、一番良かったと思うのはヘレナ・ボナム=カーター。ここ近年、ナナメ方向にズレた様な役ばかりだった印象ですが、今回のエリザベスは良いですな。
10点満点評価で8.5点って感じですか。観ておいて損は無いです。