パッション


久々の更新になるカテゴリーです。レイチェル・マクアダムス出演作品を全レビューすると意気込んでいたにも関わらず、なかなか進められなくて申し訳ないです。
この作品ですら、劇場に観に行ってから既に1ヶ月以上経過している始末でして。もう、変な汗が出てきますわー


さて、この「パッション」という作品は今年の10月4日に日本公開で、劇場数もそれほど多くなく映画好きな人の目にもなかなか止まらなかったタイトルじゃないですかね。私もこの作品が近日公開というところまではチェックしてたのですが、気づいたら既に公開始まってたという感じ。あわてて日比谷のみゆき座まで行ってきました。
あ、このレビューではネタバレしちゃってますのでご了承を。


広告代理店コッチ・イメージ社ベルリン支社の女性プロデューサー、クリスティーン。その部下であるイザベラは新型スマートフォンのプロモーションで優れたアイディアをひねり出し、プロモーションを成功させる。ところがその功績はイザベラの物ではなく、プロジェクトチームの物とされ、それを指揮したクリスティーンの評価とされてしまう。ニューヨーク本社への復帰のため、クリスティーンが自身の手柄としたのだった。
それをきっかけにイザベラの中でクリスティーンへの不満が蓄積されていく。そしてプロモーションのオリジナル画像をネットにて配信、それによって評価とニューヨーク栄転はイザベラの元へ転がり込んでくる。
クリスティーンのイザベラへの態度が一変、パワハラが続き、イザベラ自身は情緒不安定から薬物依存をする様に…
そんなある日、クリスティーンが自宅で殺害されてしまう。イザベラが容疑者として拘留されるが、やがてアリバイが判明し、容疑はクリスティーンの元恋人であるダークに移るが…


さて、この作品でのレイチェルはクリスティーンを演じています。仕事ができるキャリアウーマンというキャラとして登場しますが、次第に広告のセンスなどは才能に欠けていて、部下の仕事を自分の物として横取りしてしまう。交渉やハッタリ、あるいは肉体を使ってこの地位に昇ってきたのだと想像できるキャラです。そして悪女キャラではあるのですが、レイチェル自身がそういう役を演じる事に向いてないのか、キャラ自体から小者臭が漂うのか、それほど凄みが無いんですね。「ホームズ」のアイリーン・アドラーの方が遥かに魅力的だと感じました。
実際、この作品に於いてのクリスティーンは中盤で殺されてしまう事もあり、主役の片方という印象は薄いです。
ただ、小者としてはネチネチとした性格や派手好きな行動、性的に奔放な生活などが描かれていて、これはこれでレイチェルのファンとしてはおいしい作品ですね。なかなかこういうキャラって珍しい感じなので。
さらに、イザベラが基本的にブラック系スーツばかりで地味なのに対して、クリスティーンは作品中で10着以上は着替えてるんじゃないですかね。それに加えて下着姿も何シーンかありましたし、もちろんそれぞれ違った下着で。
だからレイチェルファンとしては押さえておきたい作品だと思います。
エロス的には性行為シーンがある物の肩から背中辺りまでしか映ってませんし、シャワーシーンもやっぱり肩から上だけなのですけどね。イザベラの方は映ってますが。
あ、レイチェルが殺害されるシーンってのは珍しいかもしれないですね。


この作品の監督はブライアン・デ・パルマ。個人的にけっこう好きな監督で、「キャリー」、「ファントム・オブ・パラダイス」、「カジュアリティーズ」、「スネークアイズ」、「ミッション・インポッシブル」辺りは観てる人も多いのではないでしょうか。
映像が色使いとか綺麗で、フィルムの長回しとか、画面分割とか、なかなかに凝ったカメラワークが特徴ですね。あと、やたら覗き趣味的な視点も多くて、今作でもそれはありました。
まあ、デ・パルマ監督作品としてはそれほど出来の良い方では無いですねー。
ああ、この「パッション」では途中から気づいたのですが、画面に青いフィルターがかかってる様なシーンが繰り返されてまして、たぶんそれはイザベラが薬物の影響を受けてる事を表現しているんじゃないかなと。でも、それだとストーリーをそのまま受け入れる事はできなくなるんじゃないかな。青いフィルターはイザベラが幻覚を見ているとしたら、作品の中で実際に何が起こって何がフェイクだったか、それが変わってくると思うんですよね。場合によっては結末すらも。その辺りはBDが発売されたら購入してじっくり考察してみたいと思います。


そうそう、イザベラ役のノオミ・ラパスは「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」でもレイチェルと共演してますね。ジプシー女性のマダム・シムザ役。あちらの方がもう少し細身でギラっとしていて個人的には好きでしたが。
それと、恋人のダーク役のポール・アンダーソンも「シャドウゲーム」ではモリアーティの片腕のモラン大佐を演じてますね。
そういうリンクもありますし、次のレビューは「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」を書きたいと思います。