『DANCE CONNECTION 2017 守破離』

旧年中に更新できず失礼しました。

 

劇団ひまわりの『ダンコネ』に聖良ちゃんが出演するとの事で観に行ってきました。12月の22日19時、23日12時、24日15時半の3回。場所はいつものシアター代官山。

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夏の『ダンス フェスティバル』の方はチームも出演者も多く、それぞれ1曲か2曲披露という感じでしたが、こちらの『ダンコネ』は4チームで複数曲を合わせて20分強ずつって構成でした。全体としては1時間30分ほどの公演時間。

 

 

聖良ちゃんは2番目に出演するチーム「DANCE LARGO」に参加。全体としては8曲で、聖良ちゃんはそのうち4曲で踊っていました。

1曲目の『Working song』、最初はしゃがんでいて、順番に立ち上がって踊り始めるという幕開け。ダンスの動きや曲調がなんとなくアラビアっぽい雰囲気で不思議な感じ。

2曲目の『The first steps』は眠っているところから目覚めて、4人でバレエの様に優雅に。

6曲目の『Red plogue』は1、2曲めの時の白い衣装から一転して黒い衣装に赤いポイントが入って。曲調はとても重く、ダンスもアングラの様な感じで力強く、動きを止める時もピシッと。

8曲目の『Rise』は鮮やかな赤いドレス、ちょっとムード歌謡的な雰囲気もまとって、大人なセクシーさも醸し出している感じでした。

 

『プリパラ』や『GO,JET!』など、演劇としての舞台の中で聖良ちゃんのダンスは観る機会も時々はあるのですが、ダンスだけをたっぷり観賞できる事はまれですので、思いっきり堪能できました。セリフに頼らず全身の動きだけで表現するという点においても役者としてとても意味のある事だと思いますし、こちらでもしっかりと実力をつけてきているのだなと実感。しなやかさ、体幹やバランスという身体能力、共演者との間の取り方、優雅さと激しさの緩急、生き生きとした表情。そうした物を間近で連続で観られて、とても楽しかったです。ストレート演劇でも、こうしたスキルは強い武器になると思います。

 

 

他のチーム。1チーム目「fun fun funnys」、こちらは他のチームよりも小さい子が多かった印象で。6曲のどれも和風か、衣装に和の要素を取り入れていた感じですね。とてもキラキラしてヒラヒラして華やかでした。

 

3チーム目「nest」、こちらは大人っぽい印象の人が多かったかなと。9曲、ストリートダンス系でカッコいい感じ。それが最後の曲中に衣装の変化があり、一気に華やかに。この演出はとても観応えがありました。

 

4チーム目「でぃめんしょん」、私はチームとしてはこちらが一番好きでした。曲数こそ5曲と、他チームより少なめですが、こちらの意表を突く意外な構成で、どう魅せてくれるのかワクワクしてくる、こちらを楽しませようとするエンタメ性を強く感じました。衣装は小さい男の子はマリオやルイージだったりドラキュラっぽかったり。女の子たちはガールズアイドルやちょっとメイドっぽい可愛い衣装で。それでああいう動きをするのか!と初見では驚きました。

これはどのチームもそうですが、同じ振りを踊っていても個々人で表情や指先に表現解釈の違いが見られるのですが、特にこの「でぃめんしょん」ではその個性を強く感じました。

 

 

観ていて楽しくて、テンション高まって、年末にふさわしいイベントだったと思います。聖良ちゃん以外にも何人か良いなと思った出演者がいて。ツイッターとか見つからないので、とりあえず名前をおぼえておこうかなと。いつかまた「ユニフェス」などのイベントや他の舞台などでお目にかかる事もあるかもしれませんので、みなさん、がんばってほしいですね。

 

というわけで、2017年の推し事納め、聖良ちゃんに会えた最後のイベントでした。

2018年も聖良ちゃんのご活躍に期待し、応援させていただこうと思います。

 

 

 

『まわれ!無敵のマーダーケース』チームP

山下聖良ちゃんの出演している舞台、ラ・セッテ×イヌッコロ コラボ公演『まわれ!無敵のマーダーケース』を観てきました。今年の春公演を少し形を変えての再演という事の様です。場所は新宿御苑のサンモールスタジオ。Wキャストで聖良ちゃんの出演するのはチームP。

10月15日17時、16日15時(追加公演)、18日19時、20日19時の4回観劇。全てチームP。18日と20日には終演後にアフタートークイベントもありました。

 

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一応これも書いておいた方がいいのかなというのがチケット争奪で。

私はもう完全に舐めてて、チケット発売日の夜にのこのこと接続してみたんですね。そしたらチームPが完売だらけで、なんとか1回分だけ一般席を確保しました。チームKの方はどの回も残ってたのでPの方の出演者のどなたかが集客とんでもなかったんでしょうか?

で、カンフェティの方が数日後に支払期限が来るので、その直後のタイミングでキャンセル分が復活すると狙ってて1回分確保。さらに聖良ちゃんが「時々(カルテットの方で)チケット復活してるみたいです」とツイートされてたのでそちらも定期的にチェックして1回分確保。そして後で追加公演も出たのでこちらは難なく確保。

チケット発売前は「特典あるから2回はスペシャル席だな」くらいに悠長に構えてたのが嘘みたいで、結局全部一般席に落ち着きました。追加公演のキャンセル復活時にスペシャル席を見かけてるのですが、その回は既に一般席を取ってましたからあきらめ。

さらに困った事に、今回はチームPには土曜公演が無いので、私の固定休日(毎週土曜なのです)が活用できず、シフト希望休みを全振り&観劇後に急いで帰って出勤という条件で、4回行ければいっぱいいっぱいだなという感じでした。まあ、それでも聖良ちゃんの出演するアフタートーク回を両方押さえられたのはラッキーでした。

はい、舐めてましたね。ここまで人気だとは。人気があっても即日完売などは全く予想外だったので。公演始まるまで当日券が出る事は告知されてなかったと思うので、あるのか無いのかわからない当日券に賭けるより他の公演の予約しちゃいますよね。だから聖良ちゃん目的のピュア紳士界隈の観劇仲間もほとんど行けてなくて、私の知ってる限り当日券で1人だけですね。他にフォロワーさんがたぶん2人と、他の劇場で見かけた事あるフォロー外の人が2人。それから聖良ちゃんのお仕事仲間である女優さんが3人くらいかな。私のアンテナにかかってきたのはそのくらい。

 

前置きが長くなりました。では、改めて。公演終了してますので多少のネタバレは含まれています。あらかじめご了承ください。

 

 

開演の暗転からいきなりの映像パート。作家の藤澤智彦先生密着特集番組という設定。ここで藤澤先生の性格と担当編集者の末國との関係性が少し伺えます。それに加えて、ドラマ化された『東京の中心でラブをバケーションする(通称とちゅラバ)』のダイジェスト映像。津田寛治さんとか藤田玲さんとかの出演、映像パートのナレーションも須賀貴匡さんだったりと、ライダーファンとして歓喜物。内容も大爆笑必至で楽しい物でした。イメージ的には90年代のトレンディドラマな感じ。『東京ラブストーリー』とか『ロングバケーション』とかをツッコミ所満載に仕上げた風な。で、このドラマのイメージが実は藤澤先生の心に傷跡を残している…というのが映像と舞台との大事なつながりで。(藤澤先生や末國がダブルキャストなので映像パートもチーム別、こちらのチームPの映像にはチームKのキャストさんも出演されています)

映像パートが終わるとスクリーンが回収され、藤澤先生が登場。軽いイントロダクションからの舞台パートが幕開け。

 

舞台は大まかに分けて4つのパートに分かれています。

 

藤澤先生のペンションに友人たちが招かれてパーティー。携帯の電波も届かない、道も土砂崩れで遮断され、ペンションは陸の孤島状態に。近くで起きた未解決の連続殺人事件、その殺人鬼がペンションに現れ、次々にその凶刃の犠牲となっていく… そこで藤澤先生の「カット!」の声。

実は藤澤先生が新作としてサスペンスを書くため、その創作のインスピレーションのヒントになるためという理由で3人の知人にドッキリを仕掛けようという趣旨。末國以外は依頼した劇団員たちで、ここまではそのリハーサル場面。

まずは台本通りという事で、緊迫した空気もかなり出ていましたし、その後の打ち合わせへの流れでキャラの性格なども把握できるようになっていて、つかみバッチリでしたね。

 

そして、本番。1人目のターゲットは作家の小山田先生。作家の観察眼とかツッコミ性とかがしっかりと出て、そのおかげでシナリオの序盤からことごとく台無しにしていく。ああ、もうね、藤澤先生の作品の中に別の作品の主役が乱入して全部持ってっちゃう感覚。あれほどスムーズに流れていたリハーサルが完全に否定されていく展開が最高に笑えました。携帯の電波が届かないと聞いて自分のスマホを確認したり、窓の外の警官役の登塚の存在や固定電話に気づいたり、観ていて爽快感すらありました。

 

で、仲間に加わった小山田先生が台本に修正を入れドッキリ続行。藤澤先生がトイレのために不在、リハーサル中に2人目のターゲットの斎藤さんが現れドッキリを知られてしまう事に。

しかたなく斎藤さんにはドッキリにかかった演技をしてもらい、藤澤先生に逆ドッキリを仕掛ける方向に。

一方、藤澤先生と末國はペンションを訪れた本物の殺人鬼と出会うも、そうとは知らずに代役だと思い込んで応対。

2回目のドッキリがスタート。今回はグダグダな流れ、チラチラ台本を見たり「ヤバイ!」しか言わない斎藤さんの不自然さがとてつもなく良い味を出していて、小山田先生の時とは全く異なった笑いの持って行き方。ここまで気持ち良く思い切りのある棒演技はとても難しいんじゃないかと思います。斎藤さん役のゆかわたかしさん、凄いなと。

で、この斎藤さんパート、ドッキリとしてはスムーズに運んで成功したはずですが、藤澤先生はすんなり納得できず。

 

2回目にダメ出しを加えつつ打ち合わせ、そこに本物の殺人鬼が再登場。みんな感違いしたまま受け入れ、殺人鬼役だった谷川は管理人役へ。

そして3回目のドッキリ。今回は藤澤先生の従姉妹のさとみさん。現役の女刑事。

最初は笑顔だったさとみさんでしたが、場の不自然さに表情が曇り、末國が刺された後の会話のチグハグさに不審、「ドッキリでしょ⁉︎」と藤澤先生に追及、激昂して部屋を退出。

次々と犠牲者が出る中、実は事態を察していたさとみが戻り、藤澤先生の機転もあって何とか事件を終わらせる事ができたという流れでした。

 

 

間の2つがかなりコメディ色を強くして、それを前後のサスペンス色強いパートで挟み込む、とても観応えのある舞台でした。

 

まず、脚本と演出がとても優れ物だと思うんですよ。同じ事を繰り返しつつも前とは違った展開を描く、所謂「ループ物」の変形なのですが、それを観客に飽きさせずダレずに観せていく。その都度、伏線を撒いておいたりそれを回収したり。ドッキリが失敗する様々な理由。キャラが感違いするための会話の齟齬と誤解とズレ。後の行動につながるキャラ間の関係性と認識。初見では見過ごしていた部分でも、キャラクターたちがしっかりと意味ある行動をしていた事に気づけたりもする。とにかく練りに練られたお見事な作品でした。4回観たんですけどね、もっと観ていたかった。このくらい満足できる作品なら全通する価値あるなと思えるほど。

そうそう、演出面でね、照明の使い方とか、窓を効果的に使って外にチラッと見えたり、逆に窓の外からこちらを覗かれていたり、その辺の演出がヒッチコックとかブライアン・デ・パルマっぽく思えました。

 

 

演じるキャストさんたちもね、皆さん本当に素晴らしかったです。

 

桑野晃輔さん演じる藤澤先生、ツイッターでも言いましたがとにかく萌えキャラでした。勝手で情けなくてダメっぷりで、でも芯は捨てないでいるからこその最後の活躍が活きて。本当に可愛いキャラでした。末國や小山田先生との接し方も良いし、劇団員たちがレモンを取り出して媚びアピールしたり逆にレモンを捨てた時の反応とか。そして殺人鬼さんとの対話も。

 

佐野大樹さん演じる殺人鬼さん。シリアスな面とゆるくなった面との落差、それぞれの魅力が本当に愛おしい。怖い時は本当に怖くて、そうでない時は本当に可愛くて、それがスイッチの様に切り替わる。この作品の中で一番好きなキャラでした。まるで西尾維新作品の零崎みたいな雰囲気が出てましたね。

 

作家と編集者との関係性がとても活きていた末國さん。三者三様の個性が際立っていたターゲットの小山田先生、斎藤さん、さとみさん。広野さん、今北さん、成田さんの劇団員たちはそれぞれが要所要所で存在感を発揮し。谷川さん、登塚さんのヘッポコっぷりダメっぷりはコメディとしての味つけに無くてはならない要素。オーナー、この人も本当に緩急の切り替えが素敵で、殺人鬼さんとの関係も納得でした。

チームKの方は観れてないのでキャラ解釈の違いとかはわからないのですが、どのキャラもこのキャストさんならではという配役だと思えました。

 

 

さて。山下聖良ちゃん演じるさとみさんを改めて。

安藤さとみさん。女刑事。コメディ色の強い作品の中で唯一コミカルな描写がほぼ無いキャラ。大人の女性役という点では過去に『蜘蛛の巣』のクラリサや『御手洗さん』の妾などもありましたが、一番クール系で「大人」を感じさせる役でしたね。衣装もダメージデニムをはいていてアクティブ感ありましたし。はっきり言って私の好みのタイプでした。強気で凛々しくてカッコいい。

役としては、例えばセリフが無くてちょっとした表情や目線で演技しなくてはならないところがいくつもあって、しかもそれが伏線になってもいるわけで、大変だったと思います。観劇2回目以降で、登塚やワインにしっかり反応してる事がわかりましたね。(いや、本音を言えば初見で気づきたいところなんですけどね。何回観ても、やっぱり見逃してるところはたくさんあるんだろうなと。毎回が唯一無二の本番なのに)怒って部屋を出て行くところも、2回目からは誇張された演技なのだとわかりますけど、でも演技だというわざとらしさが前面に出ちゃったら台無しなわけで、加減が難しかっただろうなと。

それと、1人だけブレの無いシリアスキャラという事で、他のキャストさんとの空気感や温度差も違う部分あったでしょうからね、役を仕上げるのに苦労した点もいろいろあったのかもしれません。

あと、銃を構えて殺人鬼を威嚇してる場面。ちゃんとそれらしく見えましたし、小道具の銃がどれだけの重さかわかりませんが、あの姿勢を維持したままの会話はけっこう大変だったんじゃないかと思います。

いい役でした。3年くらい前の時点では聖良ちゃんがこういう役をこなせる日が来るとは私も想像してなかったですし、この数年間での女優としての成長と、聖良ちゃん自身が大人っぽくなってきている印象がとても映える役でしたね。

それと、舞台の出演者的に観客の8割以上が女性客だった感じだったのですが、そういった層にも聖良ちゃんの印象が良かったという反応をツイッターでもいくつか見かけて、ファンとしても嬉しいかぎりでした。

たぶん今年の最後の舞台になるのだと思って、こんなにいい役で締められて、本当にありがとうございましたと。今年の出演の4舞台、どれも良かったんですけど。

 

アフタートーク。聖良ちゃんは2回出演し、そのどちらも観る事ができました。どちらも聖良ちゃんらしさが出ていて、ゲストへの質問に対しての司会の佐野さんから美味しいコメントをいただいたり、畠山さんへのバースデイサプライズの前振りで「棒演技」を久々に観れたり。本当、この回のチケット取れて良かったです。

 

 

とにかく、楽しい舞台だったなと。たっぷり笑えて、背筋ゾクゾクして、脚本の出来も良くて面白くて、出演者の皆さんがとても素敵で。

そして何より、推しの山下聖良ちゃんが素敵で。最高で。その舞台を演技を観られて、本当に良い女優さんだなと思えて。次も観たいなと期待できて。

贅沢を言えば、多くの聖良ちゃんファンにも、私の観劇仲間にも、もっと多く観て欲しかったのですけどね。

『まわれ!無敵のマーダーケース』、ありがとうございました。

 

 

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物販ではパンフとTシャツを買いました。Tシャツ、2色あるうちのチームPの方の黒。心臓の位置にハートが描かれ、そこにナイフを。可愛いデザインですよね。

 

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今回、劇場のスペースの関係からスタンド花がNGでしたのでアレンジメント花を贈らせていただきました。白とピンクでのハート型を。ただ、狭くて密集してる事もあって実際にロビーに置かれてる状態では埋没してしまってますね。なので、お花屋さんから送っていただいた画像も載せます。

配達後に、聖良ちゃんからメッセージカードを宛て札に付けていただいてました。しっかり回収させていただきました。本当にこういうご好意は嬉しいです。ありがとうございました。

それと、お花の大きさもそうですが、アレンジ花だと宛て札も小さくてロビーで目立たせるという点ではやっぱりスタンド花だなと思いました。このキャストさんにはスタンド花が届いてる、ってのは観客や演劇関係者に「山下聖良」という名前を憶えてもらうのに有効なんですよね。今回みたいなのだとそれの期待値が下がってしまいます。

 

『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班

山下聖良ちゃんの出演する舞台『GO,JET!GO!GO! PARADISE LIVE!3』A班の公演を観てきました。トリプルキャスト構成なので公演自体は全部で24公演、加えてトークイベント回とスペシャルライブ回が1度ずつ。私はそのうち、A班公演8回中7回とトークイベントに行ってきました。公演期間は8月10日の初日〜20日の千秋楽までの11日間。場所は東日本橋のアクアスタジオ。公演7回はいつも最前席を確保。トークイベントの時は3列目の席でした。

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さて、『GO,JET!』シリーズはメイン話と番外編的な話を合わせて10作以上ありますが、私が過去に観ているのは聖良ちゃんが出演した『vol.7』と、
dyna-indigo.hatenablog.com

七海絢香ちゃんが 渚役で出演した『vol.10』です。『vol.10』の方は感想記事は書いてません。

そんなわけで、シリーズ作品をほとんど観ていないにわかが書いた感想ですので、的外れな点などあるかもしれません事をご了承ください。

 

ストーリー面など

物語の舞台はいつものバーで。南の島にリゾートに行きたい、でも結局は誰も行けない、という話題から「せめて沖縄の雰囲気だけでも」とガールズの歌唱。

その歌声に惹かれて今回のゲストキャラの蛍と桜が登場。2人は小笠原の南にある神古島から親善大使としてやって来ていて、島のリゾート施設で働いてくれるスタッフを探していると。その話にメグと大地が乗っかり、さらに秋絵さんも登場して、ガールズ以外は神古島に行けるという流れになり、そこで渚の「神のお告げ」があり不穏な空気が漂い始める…というストーリーでした。

 

さて、めでためでたでほぼ良かったで終わっている様にも思えますが、私は初回を観終えた時から千秋楽までずっと引っかかっている事があります。

神古島は本当にあれで良かったんだろうか?蛍と桜は本当に幸せになるんだろうか?と。

リゾート開発をされる事で外部からの文化流入は加速するでしょう。「2億なんぞすぐ取り返せる」と言っている事からもそこに無茶が通る事になりそうで。秋絵さん、「金の匂いがプンプンするぞ」なんて言っちゃう人だしなぁ。

島民は優しい人ばかりで、記録に残る限り犯罪が無い、そんな神に守られた島は…失われるだろうなと。

 

 

ストーリー面だけで観てみると、これは他の舞台演劇などと比べると、弱いと言うか薄いです。だから、そこを期待してしまう人にはダメなんでしょう。反面、劇中でのライブパートは12曲、そこを込みで楽しめる人ならコスパは良い。キャラ付けもコミカルにされていて観ていて楽しいので、シリーズのファンになれたら何度でも通いたくなる作品だと思います。あるいは、誰か出演者のファンであれば、その人の演技、歌、ダンスを総合的に堪能できますので、来て損は無いと思います。気になる出演者が何人もいるならなおの事。

 

 

劇中に披露される楽曲は12曲ですね。本編の前後にガールズの曲、ガールズそれぞれメインが1曲ずつ。蛍と桜のソロ曲がそれぞれ2曲ずつ。渚、JET、大地のメインがそれぞれ1曲ずつ。

JETメインの『Surfin. U.S.A.』はトークイベントの時にC班あかね役の伊田麻友香さんによる振り付け講座がありまして、できる人は一緒に踊るの推奨でした。私はがんばってみましたが(聖良ちゃんが嬉しそうな顔をするので、踊らない選択肢はありません)最前席で横目で見える範囲では、あまり踊ってる人はいなかったかな。

あと、『vol.7』の時はペンライト(サイリウム、キンブレなど)は本編終わった後の2曲だけ振っていいって事だったのですが、今回は本編でもOKだと言われまして。初日は様子見だったのですが、2回目から蛍と桜のソロ曲で振ってみて、徐々に増やしていって、千秋楽では『Surfin. U.S.A.』以外の曲は渚や大地のメイン曲も含め、全部振ってみました。最大4本持ちで。

とは言え、後ろの席の観劇の邪魔にならない様に高さ的には自分の胸くらいですし、左右の方への遠慮もあったので、劇ドリの時ほど本気は出さず。

ペンライトも蛍と桜には何人か見かけました。他にはミッツへの青と渚への赤を見かけたくらい。ここの常連ファンの人の感覚とペンライト応援文化は合わないのかもしれませんね。

そんな感じでライブパートにも積極的に参加していく事ができるので、私としてはとても楽しい要素でしたね。

 

 

山下聖良ちゃん:桜役

さて、聖良ちゃんが演じるのはゲストキャラの1人、桜。真っ白なワンピースの儚げさ。閉ざされた神古島から30年振りに外界へ出てきた女の子。つまりそれは外の文化や人々と直接に交流するのが生まれて初めてという事で。最初に店に現れた時は蛍の背後に隠れ気味だったり、相手と目を合わせるのが苦手だったり、ちょいおどおどした感じで。

それがソロ曲披露を経て、神古島の話にみんなが興味を持ってくれて、みんなと一緒に歌って踊って遊んで、どんどん明るさが前面に出てくる。そして終盤では自分の意見をはっきりと主張する力強さ。

聖良ちゃんにこの役を振ってもらえて、本当にありがとうと思えるほど美味しくて、そして実力が試される役だったと思います。

 

桜のソロ曲は2曲。まずは原田知世の『天国にいちばん近い島』、神古島のイメージからの選曲でしょうね。同名映画の主題歌。最初は試し試しで歌い出していたのが周囲の反応で次第に乗ってきた感じで。途中、ガールズが親衛隊モードに入って本気応援し始めた辺りではかなり照れからの笑顔が見られるようになります。この変化がとても可愛い。

歌詞の「♩心の海 渡る船が 迷わないようにと Love星が降る Loveその場所に 甘いテレパシー あなた導いて」の辺りがストーリーに少し引っかかる感じかな。

 

そして2曲目は斉藤由貴の『MAY』。こちらも歌っている途中で桜の表情が変化していくのですが、こちらの方が重要。歌詞を聴いていくと桜の心情とリンクしていく。

「♩だけど言えない… どんな言葉もみんなウソなの」「♩でもこれ夢だから 醒めると困るからダメ 教えないわ」「♩ばかね私 あなたを喜ばせたい なのに この夢から出られない 少し うつむいて微笑むだけ…」「♩世界がふるえるほどに いつか この鳥カゴをこわして」

そして、歌っている間に桜自身がこの歌詞にある言葉に気づいて、顔をくもらせ、泣きそうになりながら、蛍をチラチラうかがいながら歌っていく。ここの演技が本当に素晴らしくて。今回の聖良ちゃんのベスト場面は個人的にここですね。

どちらの2曲も元気に歌い上げる曲ではないので、聖良ちゃん自身の素を抑え込んでしっとりと歌う。なかなかに難しかったのではないかと思います。

 

7回観たうち、最初の2回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時はそこばかり追いかけていましたが、3回目からは桜が歌っている時も他のキャラに視線を移して色々な事をしてるのを見比べながら楽しんでました。

そうそう、初日で話がわからなかった時は『天国にいちばん近い島』→映画公開後のニューカレドニア島の独立運動のイメージがあったため、そして「蛍」と「桜」という名前が「死」や「儚さ」をイメージさせる物だったため、もう島は無い、2人も幽霊なのだと予想してました。全然違ったw

 

泉ほたるさん:蛍役

桜とコンビになる神古島のキャラ。桜の目を見てうなづく場面も何回もあるなど、強い意志を感じるキャラでした。ブレない。時には戸惑う桜と違って、ウソをつく事も隠し事も島のために必要な事だと、自分を抑え込んでいるのだと2回目以降はよく伝わってきました。蛍のソロ曲ではその感情をちょっとだけ表したかのような選曲になってますね。

1曲目は菊池桃子の『BOYのテーマ』。後の場面で「愛はいりません」と主張する一方で「お母さんになるのが夢」というセリフ。それが「♩まだ見ぬ人にときめいていた」「♩願いが届くまで あなたを待っていた」と。たぶんもっと幼い少女時代から抱いていた想いなんだろうな、それを今はこの歌を歌って何を思っているんだろうなと。そして相手がBOYなのですから歌ってる主体としてはGIRLなわけです。まだ純粋。

それが次の曲では…

2曲目は薬師丸ひろ子の『Woman』、映画『Wの悲劇』の主題歌で『W』が『Woman…女性』ですので「女性の悲劇」という意味を劇中でほのめかしてる気がします。蛍と桜のソロ曲は4曲とも映画の主題歌なのですが、その中でわざわざ映画のタイトルを出しているのはこの曲だけでしたから、そこに強調したい意図があったのではと思えます。

歌詞の「♩ああ 時の河を渡る船に オールはない 流されてく」「♩行かないで そばにいて」辺りを歌っている時の蛍の心情はどうだったのでしょう。観ていて、とても悲しげに見えました。

蛍というキャラ、桜と対照的で、とても観ていてしっくり来る関係性でした。

 

ここからは台本にあるキャラ並びでいきます。

永井兼介さん:JET役

今回のJETはストーリーにそんなには関わってこないのですが、ライブパートや上手でのガールズたちの場面などで、けっこう色々なことをしてます。桜をメインに観に来ている事もあって、カウンター付近での演技はとても味がありました。騒がせキャラが多いこの作品の中でこういうキャラがいるのは清涼剤として重要ですね。そこをしっかり押さえていたと思います。

あと、何日の公演でしたか、蛍のソロの時に桜に青いペンライトをそっと渡してるのはいろいろな事に気配りできるキャラ感があって良かったです。

それと、『Surfin. U.S.A.』のメインですね。あれはカッコ良かった。

蛍と桜に作ったカクテル。台本には名称が書いてなかったので本人にたずねてみたらオリジナルで考えてるそうで。道理で検索しても出てきませんでした。5回目くらいまでは「ハグミーキスミー」、6回目はたぶん「ラブリーラブリープリティー」、7回目は「スプラッシュなんとか」、千秋楽は「ビトゥイーンなんとか」だったと思います。ちょうど、早紀のセリフがかぶるところなので最後まで聞き取れないのでした。

 

吉田遼さん:あかね役

こちらもJETと同じであまり本筋に深く関わってこないキャラ。でも、同じくカウンター周辺でかなり良い味を出していました。それと冒頭のロハスのくだりのつかみ。

それから終盤ですね。桜の「お母さんになって幸せ?」という問いへの答え。短いですがすごく大事なセリフ。その後の場面で、泣きそうになっているメグにそっと寄り添って肩を抱き寄せてる姿。

実はキャラの中で私が一番好きなタイプで言えば、あかねさんなんですよ。スカジャンにポニテにジーンズのホットパンツ、最強に可愛いです。

 

二宮響子ちゃん:早紀役

過去に2パターンのガールズを観てきて、その印象があったので、今回は何だかすごく美人さんだなぁと思いました。何と言うか、クールビューティー感。でも、舞台が進んでいくうちにそこに混ざってくるへっぽこ感。そして暴力キャラ。そのギャップが新鮮でとても良かったですね。

「聞いてあげようじゃないの」からの身体が動き出して親衛隊モード全力、そこから戻ってきた時の疲れ切った姿とか。

ガチャチェキ、渚衣装の響子ちゃんを引けて、もう見惚れました。巫女服がとても似合うお顔。

 

清家怜緒奈ちゃん:夏代役

ナッツと言うと、私としては聖良ちゃんのイメージ。そして『vol.10』で観た鈴村あすかちゃんのイメージが強すぎなのですが。今回、怜緒奈ちゃんのナッツを観て、すぐ気に入りました。笑顔が可愛くて、泣きそうな時も笑いを取るため変顔気味になる時も、とにかく表情が多彩で魅力的で、観劇中は他のキャラよりも優先的に多く観ていた自覚があります。『vol.10』では別班の渚役だったんですね。

ちょっとこれからも注目していきたいなと思いましたので、聖良ちゃんが出演しない時に『Go,JET』を観に来る機会があれば、怜緒奈ちゃん扱いにする事も多くなると思います。

今回も聖良ちゃんの次に面会しに行ったかな。

あ、イベントの時のジェスチャーゲームで聖良ちゃんとペアを組んだのも怜緒奈ちゃんでした。

 

増野彩夏ちゃん:美月役

今までに観た2回ともミッツは前原未晴ちゃんだったので最初はちょっとイメージ違うかな。聡明で綺麗なお姉さんキャラって感じだなと思って観ていたらどんどん味が出てきて。この人もとても表情の作り方が良くて、セリフの抑揚、立ち居振る舞い、すごく舞台映えする人だなぁと思いました。「あっかんべー」でずっこけるところとか、渚に目を合わせないように壁に張り付こうとしてるところとか、「何かがおかしいんだぉ」の時の表情とか、桜が「MAY」を歌ってる時にとても乙女な事をしてたり。

とにかく要所要所で印象に残る人でした。以前にどこかで観た記憶がかすかにあったのですが、『vol.10』でのメグ役だったと後で気づきました。

 

菅野大地さん:大地役

何と言うか、今回のA班でのMVPじゃないかってくらいインパクトがあって舞台に貢献してたと思います。

ガールズが歌ってる時に下手側、カウンターのところではっちゃけて踊ってるところとか。それに気づいて笑顔がこぼれてしまうナッツの反応も含めて、とても観ていて爽快感がありました。それにところどころで「チリチリ」をアピールしてきたかと思ったら最後に爆発w あれはある意味、本当に「卑怯」だなぁとw そんなおバカキャラなんだけど、「俺が行く」の場面なんかはどこかしらカッコ良くて。ダンスもキレがあるし歌も上手いし、とても良いキャラに仕上がっていたと思います。

 

白尾梨奈ちゃん:メグ役

この子もとても良い表情をいっぱいしていたと思います。印象強いのは登場してすぐの大地のバイトのくだりでの思いっきりの良さと、最後の別れの場面なんでしょうが。大地やJET、あかねと同様、他のキャラが歌ってる時のカウンター周辺での演技とかが楽しかったですね。

別れを告げられる時、大地のソロ曲の時、あの泣き顔と、その後に安心しきっての「いいよ、あげるよ、こんな男」。別れが無くなったとわかったからこそのあのセリフと態度。良い笑顔でした。

 

比嘉ニッコさん:秋絵役

出番こそ他のキャラより少ない感じですが、この人が登場すると物語が展開する印象、重要なキャラ。そして大地と同じくらいにキャラが濃くて、舞台上の空気を全部持って行ってしまう。「動」あるいは「乱」、渚とのキャラ関係性も対照的で観ていて本当に楽しかった。あとは、「金」で動くという濁り感も適度に出ていて、この作品に良い感じでスパイス効かせてくれていましたね。

アフタートークの時だか、イベントの時のトークだったかで聖良ちゃんが「他に演じたいキャラ」として秋絵さんを挙げていました。観たい!

 

桜庭百々天ちゃん:渚役

渚としては七海絢香ちゃんのイメージがあったので、最初に観た印象は「小動物のような可愛さ」でした。基本的に無表情なキャラともあって初日はそれほど注目もしていなく。その時点では歌が上手いなくらいの感じでしたが、決め顔からの落差とか、うつむき加減で歩いてたり、カウンターに座っている時にもけっこういろんな事をしてるなと気づいてから、演技上でも気にかけて観るようになりました。演技に感情を込める事を制限されているキャラですから、難しい事も多々あったんじゃないかと思います。意識し出してからは魅力的で、初舞台という事でまだまだ未熟でもあるだろうし荒削りなんでしょうし、これからの伸び代への期待値という点で、今回のA班キャストで他の舞台などでいろいろな役を観てみたいと思ったのはこの子が一番でしたね。

曲で歌って踊ってる時もポーカーフェイスなのですが、客席に背を向けた時、百々天ちゃんと向き合った人がだいたい笑い出しているので、きっと緊張解いて笑ってるんだろうなと思いましたね。すぐ客席側に顔を向けた時にはまた無表情に戻ってますが。

舞台上ではなかなか伝わらないかもしれませんが、面会時に見せてくれる満面の笑顔や目力はめっちゃ可愛いと思いました。

なので、これからも期待して、舞台や何かしらのイベントへの出演に、私の予定が合えばまた観に行きたいと思います。がんばってほしいです。

 

 

基本的に聖良ちゃんを観に来てるわけで、回数が少なければそこに集中しての観劇になってしまうのですが、今回は余裕があった事もあって、後半の回は聖良ちゃんが舞台上に出ている時にも他の人に注目して観ている事もけっこうありましたね。

面会も『vol.7』の時は聖良ちゃんだけ、『vol.10』も絢香ちゃんだけにごあいさつしてたのですが、今回は全員にはできませんでしたが、毎回いろんなキャストさんとお話しさせていただきました。

回数を観てれば親しみも愛着もわきますし、他の班を観ていればそちらでも同様に思ったのでしょうが、私はA班キャストさんが全員好きですね。観れて良かった。出会えて良かったと思います。機会があれば、『Go,JET』や他の舞台などでお会いしたいです。

さて、今回はスケジュール調整や生活リズムの点でそれなりに無茶を通しての観劇でした。今後は1回の公演でこれだけの回数リピートできる機会はそうそう無いかと思いますが、とても楽しく充実した日々でした。

 

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物販ではA班全キャストのサイン入り&集合写真付き台本を購入。それと、今回もガチャチェキがあったので運試しの意味で毎回チェレンジしてみました。全部で20枚ほど回して、聖良ちゃんが写ってるのはあかね衣装のスカジャンと、A班全体の2枚を引きました。全体チェキの方の文字は百々天ちゃんだそうです。

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こちらは聖良ちゃん扱いでチケットを予約すると面会時にいただける特典の日替わりブロマイド。8公演+イベント回分で全9枚、私はそのうちの8枚まで集めました。(ちなみにこのブロマイドを撮影したのは、劇団ひまわりの二階堂姫瑠ちゃん)

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今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。

この時期はやっぱりひまわりだろうと。キャラのイメージがわかっていればピンクや白を混ぜる事もできたのですが、前もって発注するとなかなか難しいですね。

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そして今回も花の宛名札に聖良ちゃん直々にメッセージを書いていただいていました。本当にありがとうございました。

音楽劇『御手洗さん』

山下聖良ちゃんの出演している舞台、音楽劇『御手洗さん』を観てきました。劇団ひまわり・シアターカンパニー「Smash」と表記。脚本・演出のなるせゆうせい氏による作品を劇団ひまわりキャストを中心に再演という形。

4月8日19時A班、9日13時A班千秋楽、同17時B班千秋楽の3回観劇。場所はおなじみシアター代官山。

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大まかな物語は…。小さい頃からイジメられ続け引きこもってた御手洗さん、大手美容関連会社に採用されるも、彼女をイジメてきた九頭龍冴子営業部長と再会、反撃を決意。そして矢継ぎ早に怒涛の展開(以下略)という感じ。

「音楽劇」という事で、随所に御手洗さんを中心に歌唱が入る、ミュージカルみたいなものだと思えばそうイメージにズレはないです。

まず観ていて感じたのは、御手洗さんを筆頭に登場人物は性格破綻してたり歪んでたりするキャラばかり。名前のあるキャラでまっすぐなのは発展途上国のリッチちゃんくらいですかね。あと経理の一二三さんもかな。一見まともな熱血くんも「イジメをやめないとイジメるぞ」とか言っちゃうキャラだし。

主役の御手洗さんは特に前半はとことんクズで(心の中の天使と悪魔が出てきて葛藤する場面で、天使1人に対し悪魔3人だしw)、でも対する冴子さんの酷さも描かれてる事から御手洗さんには感情移入できちゃう感じですね。それに後半は御手洗さんは美人に見えてきて性格も改善されてきてるように思えますし。

 

何度も笑って、ちょっと泣いて。2時間という上演時間が全く気にならないほど舞台に気持ちが入り込んで楽しめた作品でした。最後は良い話で終わってるように勘違いして清涼感ありますが、冷静に考えるとかなり酷いストーリーだよなと。お下劣なネタも暴力描写もかなり過激で、劇団ひまわりのイメージ的にどうなのよ?と思うレベルでしたが。

それでもすんなりとアクの強い作品世界に入っていけたのはテンポ良い脚本や演出の巧さと、キャストさんたちの演技がマッチして、良い結果が出たのだろうと思います。とても楽しめた舞台でした。

 

 

AB班のWキャストですが、出演者のほとんどはアンサンブルも含めて両方に役を変えて出演していますね。パンフを確認してみると片方だけなのはA班熱血くんの柴田さんくらいでしょうか。

御手洗さんや栄CEOなんかはそれぞれの個性が際立っていてまるで別キャラのようにも感じました。

私はA班を先に2回観た事もあって、配役のイメージ的にもこちらの方がしっくり来ますね。B班も受ける印象はかなり違って別物だったのですが、好みではどちらかと言えばA班。

 

 

さて、聖良ちゃんです。A班では目の見えない妾、B班ではアンサンブルでの出演となっています。A班で妾さん以外だと、冒頭の面接志望者(?)、窓際課のOL、新商品発表会でのマスコミ。B班ではそれ以外に、TVでの新商品紹介担当女性、発展途上国の女性、夜のお店での女性、といったところでしょうか。

 

妾さんの出演場面は終盤近くなので、初見の時には一体いつ登場するのかと少し戸惑ったくらいでした。

妾さんを演じるに当たって聖良ちゃん的には初めてだろう事が3つあって、かなり大変だったのだろうと思います。

まず、和服。普段から着慣れている洋服と違って立ち居振る舞いなども大変だったろうと思います。動きも制限されるでしょうからね。

次に目の見えない事。サングラスなどで隠せているわけではなく目をさらしているわけですから、対峙する相手に視線を合わせない事、視線を揺らさない事、それらが不自然になっては目の見えない設定に説得力が出ませんから。

そして、ネタバレで明かせませんが◯◯する事。近い状況は『Juliet』でもありましたが、とうとうやっちゃった。

それらの事柄もあり、出演時間こそ長くはありませんが、妾さんは演じていてとても面白い役だったのではないかと思います。

まず静かな演技、そしてチラチラと見えてくる隠していた「毒性」、感情の吐露、他人に対して自然に出てしまう尽くす態度、抑えていた物が外れた時の激しさ。

WキャストでB班の妾さんは桃井絵理香さんが演じていて、地に堕とされた様な幸薄さや生々しさを感じさせる妾さんで、そちらも素晴らしかったのですが。

聖良ちゃんの妾さんは、いろんな物を諦めてしまっていて、でも御手洗さんと出会えた事でちょっと光が射した様な、影が薄い透明感のある妾さんでした。

桃井さんと比較できた事で、両方良かったですし、聖良ちゃんがどういう方向に役作りしたり拘りを込めているのかとか、そういう部分が感じ取れた気がして満足できました。

 

 

あとは、そうですね。桃井さんもそうですし、矢野くるみさんとか、その他にも以前にユニフェスで観て名前と顔をおぼえているキャストさんが何人もいたので、そういう部分も楽しかったです。

知らなかったキャストさんの中ではA班九頭龍冴子さんの織上真衣さん、キレイで表情も良かったです。

今回のキャストさんたちも印象に残った人は記憶しましたので、またどこかで観劇の機会があればと楽しみにしたいと思います。

 

 

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無料配布のパンフはフルカラー8ページと贅沢な作り。全キャストさんの「“美”とは?」の質問に対するコメント。稽古中の写真もたっぷりあって聖良ちゃんも何枚か写ってますね。

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そして、物販でブロマイド販売。ユニフェスの時と違い販売しているキャストさんは少なかったのですが、聖良ちゃんは4種類。A班での妾さんとB班での夜のお店の女性でした。

 

今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。場所が場所だけに劇団ひまわり関係者の多くの人の目に入りやすいんだろうと、かなり内心ドキドキしてました。

 

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『舞台 サイレントメビウス』

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サイレントメビウス』が舞台化されました。3月29日〜4月2日の5日間、全9公演。場所は新宿のシアターサンモール。

告知された時から悩みに悩んだ末、チケット一般販売されてすぐ購入、観てきました。

原作もアニメも私が20代の頃だったと思います。当時はかなりの人気で、ストーリーはそんなに優れているとは思わないのですが世界観の雰囲気やキャラクターが好きで、私もそれなりにハマってた作品でした。

好きな作品ですので、舞台化の告知を見た時にはやっぱり不安でした。キャストさんもアイドルだらけじゃないですか。で、総合演出の松田壱岱氏も正直あまり好きではないし、プロデューサーの小林諸生氏も『ホス探』で名前おぼえてましたので、これは地雷かな?…と。でも、脚本・演出として名前が挙がってる細川博司氏、中園彩香さんの出演した時に何回か観に行ったバンタムクラスステージの代表の方なので、それなら大丈夫かなと。それでチケット購入を決めました。4月1日ソワレ、指定S席、前から3列目一番下手側。

 


サイレントメビウス オープニング映像

 

トーリーとしては物語の導入部を少し改変という感じですね。ルシファーホークの暗躍、磯崎とラムの加入、香津美がグロスポリナーを手にし、一度は捕らえたガノッサに逃げられると。続けようと思えば続編公演も作れる構成。

 

舞台セットは一見シンプルですが中央の壁が開いて中から可動式の舞台がスライドしてきます。これは主にセカンドAMP(所謂オペレーター)のデスクとして使われる事が多かったです。

それと、最近よく使われるプロジェクションマッピング。これで降雨を表現したり、大きな月がぽっかりと空に浮かんでいたり、あるいは電脳世界の視覚化や宙に描き出される魔法陣など効果的に使われていました。あとは殺陣の時に剣から発せられる斬撃のエネルギー波の効果にも使われてましたが、こちらはちょっとチャチっぽく見えました。あとは変化したルシファーホークの姿とかですね。

それと照明の演出も結構良くて、赤いスポットライトを点滅回転させて表現したパトライトとか、雰囲気出てました。

 

衣装や小道具の類もすごくこだわってるのが感じられて、なかなかここまで作り込んでる2.5次元舞台もそうそう無いんじゃないかと。パンフとか眺めてると惚れ惚れしますね。

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キャストのみなさんはとても良かったです。アイドル系だからとなめてかかってました。

香津美役の元AKB岩田華怜さんはメインキャストの中で少し落ちるかなとも感じましたが、以前に観た他の舞台に出ていた某アイドル系キャストさんに比べれば全く気にならないレベルでしっかり舞台女優されてました。

キャラクターとして一番好きなキディ役の飛鳥凛さん。ちょっとウィッグの再現度が残念だったのと、もう少しガッチリとした体型が欲しかったのを除けば素晴らしい。ピアスとの格闘殺陣、かなり身体が動いてました。脚も高くシュッと上がってキレがある。そして何より綺麗。

綺麗と言えばレビア役の鈴木咲さん。この人も演技的に心配してたのですが杞憂でした。立ち居振る舞いからセリフの抑揚まで本当にレビアっぽかった。流石に名前は知ってましたが自分とは全く関係ない世界のタレントさんだと思ってたのですが、このレビア役を観てちょっとファンになってしまったほど。

ラム役の関谷真由さん。一番アクション的にガンガン動いてて、そして可愛かったですね。

那魅役の八坂沙織さん、由貴役の有澤睦生さん、磯崎役の船岡咲さん、ラリー課長役の鳳恵弥さん。みんな本当に原作から抜け出てきたような再現度を感じました。

それと、メインキャスト以外だと敵のモーバ役の霜月紫さん。この方、とても存在感があって華があって、殺陣での動きも素晴らしくて発声もゾクゾクするほどでした。

 

演出の細川氏、とにかく原作再現という部分に気を使ってたと思います。だから細川氏らしさが色濃く出てるのはメインキャラよりもその周辺。セカンドAMPの女の子たちや刑事や機甲特機部隊ら一般キャラの何気ない会話だったんじゃないかなと思いました。

殺陣の場面もかなり多かった印象ですね。ここなんかは松田氏の好みなのかなとも感じましたが。

香津美やキディの殺陣が映えたのも、相手となるモーバやビアスのキャストさんがしっかりと堅実にこなしていたからでもあるんでしょうね。それにアンサンブルのみなさんも。

OPのダンスも振付担当はエリザベス・マリーさんで、それぞれのキャラのイメージもしっかりと出ていたと思います。

ダンスは各キャラの特徴を短時間でプレビューするのには効果的ですね。今どき流行りの2.5次元系の様にキャストの歌唱を劇中に盛り込んでのミュージカル風にしなかったのも作品世界の雰囲気を守るという点で良かったと思います。正直、それを一番心配していました。

 

というわけで、予想以上に満足度の高い舞台でした。

この舞台を観た感覚。例えるなら舞台ドリクラ初演を観た時の印象に近いんですよ。演出もキャストさんも本気で取り組んでるのがわかります。原作への愛もしっかりと感じました。

2.5次元舞台って言っちゃ悪いけど最近は「下手な鉄砲」になってるじゃないですか。

もちろんクオリティの高いのもあるにはあるんだろうけど、粗製乱造のイメージ。

だから、この舞台もね、アイドル系キャストだという事もあるし、ちょっと前に不評だらけで終わった「なんちゃら島戦記」みたいな出来になるんじゃないかと不安だったんですよ。いや、本当にごめんなさいでした。素晴らしかった。

当日は予算もそれほど用意してなかったので先行予約はしませんでしたが、DVDが一般販売されたらぜひ購入しようと思ってます。

同じキャストさんを揃えるのは難しいかもしれませんが、続編公演が実現したらまた観に行きたいですね。

 

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物販はかなり賑やかな事になってました。缶バッジのガチャとかもあったし。

ブロマイドは各キャラ4枚1セット1000円のが3〜4種類ずつだったかな?キリが無いのでキディ、レビア、由貴、那魅を1セットずつ。それとパンフを買うに止めました。

あと、S席指定扱いしたキャストさんの大判ブロマイドとメッセージカードをもらえました。私は巫由伽役で特別出演した声優の松井菜桜子さん(アニメ版では香津美役でした)を。

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あと、物販で6000円を超えたので握手券2枚ゲット。飛鳥凛さんも鈴木咲さんも可愛かった。

握手会の進行をプロデューサーが務めていたのですが、『ホス探』の時より時間短く10秒くらいでハガシ介入がありましたね。やっぱりアイドル系キャストさん多いからか。それでもAKB界隈とかで話題になるほどのシビアさはなかったので粘ってる人は粘ってましたが。まあ、私は推し相手というわけでもないのでさっさと退散。本人への直接の感想は「良かった」程度しか言えませんでしたが、間近で微笑んで握手してもらえただけで満足。

たかが劇ドリの終わり

2017年3月9日〜12日に劇団ドリームクラブとしての舞台最終公演が開催されました。

タイトルは『舞台ドリームクラブ~涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!~』、場所は築地のブディストホール。4日間で全6公演。

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私は11日のソワレと12日ソワレ(大楽)を観劇してきました。

実は11日に観た当日の時点から(早ければ千秋楽を終えた時点で早レポ記事を更新するつもりでもいました)ずーっとブログ記事をまとめる予定だったのですが、下書きを打ち込んでは消しを繰り返しズルズルと2ヶ月ばかりが過ぎてしまいまして。

もう書かなくてもいいかなとも何度も思ったのですが、やはり私にとって劇ドリは大きな存在なので最後にちょっとだけでも書いておこうと。

ただし、舞台内容に関してはおたぽるさんの記事や

ゆみのしんさんのブログ記事

夢の中で 夢みてるような 夢を見て - ゆみのんのんびより!~毎日がMy groovy days and pure days~

が詳しいのでそちらを読んでいただければと思います。

 

 

さて、では何を書くかと。まずはちょっと劇ドリの流れを自分の主観で振り返ってみたいと思います。

 

過去記事にも書きましたが、私は2013年の最初の舞台ドリクラを否定から入りました。元からドリクラが好きだった事もあって、原作ゲームとは全く関係ないキャストによる3次元化を肯定する理由が無かったからです。同じような理由で劇ドリを拒否しているピュア紳士たちも今でも大勢いますね。ただ、私の姿勢として「無視」ならまだしも「否定」をぶつけるには実際に自分の目で見て評価してダメな部分に根拠をつけて批判したかったので、1度は観る事にしたのです。ドリクラほど好きな作品でなければここまで思わずに黒歴史扱いして黙殺してたでしょうね。

で、実際に舞台を観て絶賛。その後に気まぐれで玲香さん役の小板さんがコンパニオンをした痛車フェスに行き彼女のファンに、自分では空気みたいな薄いファンとして劇ドリに接するつもりがいつの間にか複数のキャストさんに名前と顔を認識されるようになって何となくガチ勢に。

当初は劇ドリが続くとは思っていなかったのですが、何人ものホスガ不参加のままでライブを続け、2期メン加入やディナーショーを経て2015年の春に活動休止。ちなみにこの間、初期は小板さん推しだったのですが2014年の秋くらいには推し変していて、ホスガとしては玲香さん推し、キャストとしては聖良ちゃん推しというめんどくさい事になりました。そのためディナーショーの時のチェキは聖良ちゃんアイリを切って小板玲香さんになんて事も。

話を戻しまして。REX店の時に小板さん卒業。玲香さん不在となったためにこれからは劇ドリではアイリを応援しようと決めた矢先に聖良ちゃんも卒業、そして劇ドリ活動休止と。それからしばらく劇ドリには動きは見えず、私としても劇ドリは終わった物として気持ちに整理をつけていました。活動休止の際にいろいろとゴタゴタも見えていた事もありましたから。

そして2015年末に3期オーディション告知。この時点では正直気持ちも冷めかかっていましたし、大きな期待もしていませんでした。再開しても前ほど熱くなれないだろうと。なので私はまた空気に、場合によっては他界も考えていました。

そしてキャストが発表になり、魅杏、ナオ、魔璃が続投を知る。まあ、残るならこの3キャストさんだとなんとなく予想はしていましたが(劇ドリ以外の舞台でも深寅さんと繋がっているため)残ってくれた事はとても嬉しく、これが私が劇ドリファンを続ける事にした1番の理由でした。

また、新キャストの中に以前に劇団エリザベス公演で舞台を観て知っていた2人、嶋垣くららさんと桜羽萌子さんがいた事、この2人なら大丈夫だろうと。これが2番目の理由。

おそらく玲香さん役じゃないかと私が予想した澁谷えりか(現、新井ふゆ)さんが歌唱力も高くて素敵な人だった事、これが3番目の理由。

そんな何やかんやでまた劇ドリにハマる事になりました。

とは言っても、実際にはあまり熱心に参加できていなかったり。

「ライブ#1」は昼のみ。「ライブ#2」は昼夜。夏の対バンライブは8月7日の「無敵アイドル祭」と8月20日の「雨情バースデー」のみ。TGSは9月17日の夕と、18日の昼夕。「ライブ#3」は昼夜。12月10日の電子万博。12月30日と1月28日のSTORIA。そして築地。SHOWROOMもキャストさんたちによって連日配信されていましたが、私は夜勤という事もあって夜は無理、昼間も寝てしまってる時間帯とかが多くてあまり顔を出す事はありませんでしたね。

ブログにも「#2」までしか記事にしていませんし、ツイッターでもそんなにリプは送ってませんしね、3期に対しては私はガチではなかったと自覚しています。TLも追いかけきれてない、SHOWROOMで出た話題にもついていけない。自分は外縁から中の様子を伺ってる、そんな感覚でした。

そして、特にTGS以降ですか、新規のピュア紳士勢がバーンっと増えて。自分が前に出て行かなくても劇ドリを盛り上げてくれる紳士がこんなにいると。玲香さんファンとしても自分が応援していかなきゃという使命感も最初はあったのですが、えーちゃんファンらしき人を何人もツイッターで見かけるようになって、ステージ上の玲香さんに対してはともかく、えーちゃんに対しては自分はモブ的なファンでいいから後ろに下がっていようと。それで「私の推しは聖良ちゃん1人だけ」とかこの時期に主張してましたね。

 

そうそう、もう活動終了した後だから正直に言います。最初に提示された「1万人動員」という条件。私はあれを信じていませんでした。活動初期の段階でそれを本気で目指すという動きが全く感じられなかったので、最初から舞台公演までの1年間というキャストさんとの契約及び活動予定で、新曲も確定済み。もしよっぽどの営業的伸び代があれば期間延長というのが最初から決まっているのだと思ってました。SHOWROOMの500万ポイントも(こういう事を言うとがんばってたキャストさんや課金した紳士勢に失礼かもしれませんが)同様に思っていました。

 

 

キャストさんたち。劇ドリ1期メンにとっておそらく最初の舞台のみの予定で以降のライブはイレギュラー、だからスケジュール的な面も理由でしょうし、キャストさんそれぞれに舞台をやるのかライブなのかで意識に差があって参加不参加が分かれたのだと思います。

2期メンにとっては活動を続けていく意志はあったのだと思います。ただ時期が悪く運営側の不安定さから活動休止も重なっての不運。

それに比べて3期メンはもう一度劇ドリを成功させようと、その強い気持ちが伝わってきました。SHOWROOMもそうですし、対バン時の物販での対応もです。キャストさんそれぞれが自分のホスガのキャラを大切に思い、その言動を崩さないようにしっかりと役作りをしてなりきっているのを感じました。比較するのも無粋ですが、1期や2期以上に3期はその感覚が強かったと思います。だからこそSTORIAでの人狼イベントは神がかったレベルにまで昇華したし、そのキャストさんの魅力に惹かれて新規ファンもどんどん増えていったのでしょう。先代たちの実績が確かにあり、劇ドリに対しての親和性がある古参ほど先代のイメージに捉われてしまう。そうした重圧があるであろう中で3期メンは完成度を高め、私たちの期待に応えてくれました。

 

まあ、そういう風に掘り下げて考えなくても、純粋に3期メン加入以降のライブは楽しかったのです。キャストさんもピュア紳士も心から楽しんで、みんなでステージを盛り上げていこうという気持ちであふれていたと思います。そして「#1」から「#2」「#3」と歌もダンスもMCもどんどんクオリティと密度が向上していった事もはっきりとわかりました。だから1年間はアッという間だった気もする一方でとても濃く充実して熱かった日々だったとも感じています。

新規の紳士勢がイベントの時にいつもニコニコしてて楽しそうに幸せそうに「良かった」と口々にしているのを見て聞いて、本当に嬉しかったです。

でも、そうした中で次第に終わる日が近づいている事、残りのイベントは何回あるのか、お別れの日を感じ続けていました。

 

 

そして3月。劇ドリとしての最終公演。

詳しいレポや感想は書きません。

最高でした。少なくとも私にとっては最高でした。

楽しかったです。笑いました。

そして、泣きました。最前席で舞台側からもみっともない顔を見られてるのもわかってて、それでも涙は流れました。3期メンの1年間の成長と、2期メンを知ってからの3年間と、1期メンによって劇ドリが始まってからの4年間。そういった、今まで積み重ねてきた物があふれてきそうになって。

そして、思いました。私は劇ドリが好きだったんだなって。キャストさんたちが好きで、劇ドリを一緒に体感できるピュア紳士淑女の仲間が好きで。

 

例えば原作のゲームのドリクラが好きでも劇ドリは認めないピュア紳士だって大勢いる。そもそもドリクラなんて知らない人、舞台にも興味ない人。世界はそういう人たちであふれている。そんな大多数の人たちにとって、たかが劇ドリという小さなコンテンツが終わったところでそよ風が吹いた程度の影響すらない。

でも、いい年をした大人が泣いた。私にとっては本当に最高だった。

劇ドリに出会って、意識も変わった、趣味も変わった、大切な推しもできた。

たかが劇ドリに私は大きく影響され、ここにいる。

でも、そうだ。たかが劇ドリが終わっただけ。1期から3期までの30人を超えるキャストさんたち、運営スタッフ、そして私たちピュア紳士淑女にとってこれからも毎日は続く。

 

劇ドリが終わって。

ドリームクラブという作品の中で各ホスガはそれぞれ自分の夢を追いかけている。ハッピーエンドを迎えると、ホスガたちはお店を卒業してホスガネームから本名に戻って夢の道を歩む事になる。

劇ドリも同じ事。キャストさんたちは劇ドリを卒業して、アイドルや女優などそれぞれの道へ帰っていく。それぞれの進みたい道を。夢を。同じなんだと。

だから、全員をとは言わない。劇ドリでキャストさんたちを知ったピュア紳士淑女の皆さんは誰か1人でもいい、自分の気に入った人の今後の活動を見守って応援してあげてほしい。できればイベント現場に足を運んで。みんながドリイチだ。

私も私の手の届く範囲でこれからも応援を続けたいと思う。

 

ありがとう、劇ドリ。さよなら、劇ドリ。

『ライブミュージカル「プリパラ」み〜んなにとどけ!プリズム☆ボイス2017』

毎度の記事更新遅延で申しわけないです。

 

 

「プリパラ」ミュージカル、昨年の舞台の再演。聖良ちゃんが出演するという事で楽しみにしていました。1月28日19時の回と29日15時(大楽)の回。場所はZeppブルーシアター六本木。

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トーリーとしてはなんやかんやで過去にタイムスリップしてユニットを再結成させる話です。私はアニメは1期の途中までは視聴していたので、それを追体験する感じで舞台世界やキャラにすんなり入っていけました。

この舞台の一番の売りになると思うんですが、主要キャスト6人をアニメの声優さんそのまま同じ人が演じているので全く違和感が無いのですな。で、そのキャストが歌う、踊る。まさに2.5次元系舞台としては1つの理想形なんじゃないかと思いました。

「ライブミュージカル」となってますが、普通のミュージカルの様にキャラの心情やセリフを歌にして演じる形ではなく、劇中にライブパートがちょくちょく入り込んでくる形ですね。だから「ホス探」よりは「劇ドリ」に近い感覚。

ライブパートでは小道具を組み合わせてメイキングドラマを再現したり、サイリウムチェンジもありました。サイリウムチェンジの方は衣装までは電飾ゴテゴテは無理で、そこはキラキラの照明を当てる事でイメージを出していた感じです。

また、ライブパートでは観客側もサイリウムやキンブレなどの光る棒を振ったりコールしたり可能な参加型。私の周囲は小学生くらいの女の子から、訓練された大きなお友だちまで客層様々でしたが、皆さんかなり盛り上がってましたね。

(ちなみに、後述しますが聖良ちゃんのイメージカラーは今回はオレンジだったので、私も1本はオレンジ固定、もう1本は状況に合わせて色変更対応してました。主要キャラにオレンジがいないので空気読めない感が出ちゃうかなー?とも思ってたのですが、どうやらキャストさんの1人が中の人的にオレンジだったらしく全然浮いてなかったようです。)

 

あとは何度か花道を通ったり客席いじりをしたり、上手下手傍にある小さな舞台を利用したり、ちょっと多面的な演出もありました。本音を言えばこういうのは個人的にはあまり好きではないのですが(例えば前方の席からだと花道が見えない、あちこち振り返ったりしないと観れないため舞台世界への没入感が削がれるなど)、28日は下手側花道から数席後ろという座席で、花道を通った聖良ちゃんを近くで観れるという恩恵を受けたので良かったなと。

 

さて、聖良ちゃんです。今回はアイドルダンサーズの1人という役。オレンジの衣装とリボン、だからイメージカラーもオレンジという事で。

まあ、アンサンブルですね。基本的にはライブパートでバックダンサー的に歌ったり踊ったりなんですが、ピンクのはっぴを着てそふぃ様親衛隊の1人だったり、パン持ってるモブだったり。あとはライブパートでメイキングドラマで小道具を持って演出を彩ったり。花道を通るのも2回ありましたが、どちらもこのメイキングドラマ時でした。

聖良ちゃんはモブとはいえ女優色が強いのか自己主張が出て舞台上でもけっこう目立っていたのですが、特にバトントワリングを披露する場面は輝いてましたね。流石、特技として挙げているだけの事はあります。「ホス探セカンド」の時にも少しステッキさばきで片鱗を見せてくれましたが、今回は拍手したくなるレベルのパフォーマンスでした。

いやあ、聖良ちゃん可愛い。アイドルダンサーズは9人いて、ダンスのレベルではもちろんPrizmmy☆の2人が群を抜いてたんだけど、それ以外ではかなり印象に残る感じだったのではないかなーと、ファンのひいき目抜きにしても思います。

 

 

観に行けて良かったと思える舞台でした。観客の反応を見てもファンに愛されてると感じましたし、スタッフやキャストさんにも大切にされている作品なんだなと思いましたね。繰り返しになりますが、アニメやマンガなどの原作あり舞台化としては理想形かと。

聖良ちゃん出演舞台としては小劇場系ではなくメジャータイトルなので、DVDがAmazonや小売店で一般流通します。興味のある方はぜひぜひ。