「恋とニュースのつくり方」


28歳のベッキー・フラーは人件費カットが理由で地方TV局をクビになった。必死の就職活動の結果、ニューヨークのibsテレビのプロデューサーとして採用される。彼女が担当を任されたのは低視聴率に悩む朝のワイドショー「デイブレイク」。番組を建て直すために彼女が最初にしたのはメインキャスターをクビにする事だった。代わりに抜擢したのは、数々の賞に輝く伝説の報道キャスター、マイク・ポメロイ。だが契約書を盾にされ経歴やプライドを傷つけられた彼の態度は番組の空気を更に悪化させ、視聴率はガタ落ち。とうとうベッキーは番組の打ち切りを宣告されるが…。


監督が『ノッティングヒルの恋人』、脚本が『プラダを着た悪魔』の人だと予告やポスターで大きくアピールされてますね。特に『プラダ』の方は私も好きな作品でしたので、これは期待かなと。
で、主演のレイチェル・マクアダムス。『消されたヘッドライン』でラッセル・クロウの相棒、『シャーロック・ホームズ』でアイリーン・アドラー、その他にも『きみに読む物語』や『きみがぼくを見つけた日』などで魅力的な演技を見せてくれて、以前から注目していた女優です。
さて、そんな期待の中で実際に観賞してみると。まあ、脚本は普通だったかな。ベッキーのキャラ設定も一貫していないようで、プロデューサーとしての才能を見せる部分に説得力が無いよな。普段の言動に仕事ができる雰囲気が無いもの。これは恋愛に関してもそうで、才能のある先輩がベッキーを好きになる理由が全く描けてなく、そういう唐突な描写が多すぎるかなと。
とは言え、レイチェル・マクアダムス目的で観た私にとっては、表情がコロコロ変わって楽しかったし、今までの作品と比べてもある種の魅力を堪能できて満足でした。
そして、期待以上だったのが脇を固める他のキャラたち。演技が下手で、アクション性にしか魅力のなかったハリソン・フォードにこの配役はどうなのよ?と思っていたのですが、かなり良い味を出してましたわ。
マイク・ポメロイと犬猿の中となるコリーンを演じたダイアン・キートン。嫌みたっぷりなんですが、自分から体験取材に名乗りを上げて、様々なレポート映像を見せてくれるのですよ。ネタバレになるから詳しく書かないけど、いやあ、これは観てほしい。彼女も表情が豊かで観ていて楽しいですし、こんなタイプのダイアンを観れるのも希少ですよね。うん、素敵すぎます。
あとは番組スタッフ役の人たち。みんなそれなりに雰囲気が出ていて味があって、面白かったですよ。


作品としては凡作かなと思います。特に突出した物も無いですし。たぶん女性誌などで多く紹介されている作品だと思うんですが、実は恋愛要素も比重が少ないんですよね。邦題は『恋とニュースのつくり方』ってなってますが、原題は『Morning Glory』ですし。その点では宣伝の仕方と実質にズレがありますね。
私は10点満点評価としては7点つけますが、これはキャラを楽しめたからのボーナス加点で、一般的には6点レベルかな。まあ、話題作がたくさん上映されているこの時期に、この作品をわざわざ選ぶ人も少ないでしょうけどね。レンタル出たら気軽にどうぞって感じです。