『ライフパスファインダー』


9月13日、初台にある新国立劇場の小劇場THE PITで観てきました。『Motion Rock Opera 2014 The Fate of… Life Pathfinder』です。
いや、劇団ドリクラ出演者関係では全くありません。この作品を知った経緯はちょっとややこしいのですが、ある映画に出演している女優さんに注目してTwitter上でフォローしまして、そこから彼女が出演するこの舞台を知ったと。で、作品概要…ストーリーや作品の特徴などを読んで興味を持ち、チケット一般販売を待って早速購入した次第です。


第3セクター「グランドシップ」内にある、人類支援型ヒューマノイド開発チーム。そこで開発された最新型ヒューマノイド「TARO」。彼が開発チームや周囲のクルーたちとの交流を通し、「自分らしさ」とは何かを手探りしていく物語です。
出演者は29人で、TARO、TAROの開発チーム、旧型のジョージ、ジョージの開発チーム、所長や管理官などの管理職、警備班、清掃班などに分かれていて、それぞれがTAROに影響を与えたり、お互い同士で交流したり、あるいは一丸となってトラブルに対処したりと、次々に色々なエピソードが起きて飽きない構成になっていましたね。
TAROに恋愛感情を抱く開発者の女性、TAROとジョージの意識のズレ、開発から警備に移った男性と自分の仕事に限界を抱く女性、男性と女性の意味を問いかけるジェンダーの男性、ジョージと旧開発チームのつながり、管理職の苦悩、などなど。そうした出来事から様々な物を吸収し、誕生から1年。シップに起きた事故に対してTAROが最後に選んだ行動…。


私は元からアンドロイドテーマや創られた生命や人工知能などが好きですので、この作品を観ている間にも繰り返し胸に突き刺さってくる印象を受けましたね。実際に2つの場面ではマジ泣きして観ていました。
ドリクラのアイリと重ねて観てた事もあるかもしれませんね。


この舞台は初演が2008年だったそうで、それから細部をバージョンアップしつつ6回目の公演になるんですね。
出演者が多い事もあってか、舞台も高所あり、場合によってはバルコニー席のすぐ横にもキャストが陣取って演技する様な形で、とにかく立体的で動きがあって観応えありましたね。エピソードの中心となるキャラ以外でも、画面のアチコチでそれぞれがキャラらしい演技や表情をしている事が多くて目で追うのが大変でした。
そして「Motion Rock Opera」と銘打ってるだけあって、音楽は舞台の正面奥にドラムセットを設置してのロックバンドによる生演奏。公演の要所要所でキャラたちが熱唱しだすというライブ感。歌もダンスもふんだんに織り込まれていてとても楽しかったです。
光を使った演出もカッコ良くて、ステージ自体はラボというよりは宇宙船のガレージ内部の様な鉄骨で足場を組んだだけの様な物ですが、それがとても無機質な感じを出していて良かったですね。
OPの演出も、出演者たちが手にした懐中電灯の灯りが会場中を乱れ走ったと思えば一点にピタっと集まって、スポットライトの様に特定のキャラを浮かび上がらせるのを繰り返したりとか。
中盤でジョージが暴走するイベントがあるのですが、そこで使われたのがマッチ。逃亡と追跡を演出する中で出演者たちの手に次々に小さな炎が灯って、それが流れる様に消えていく演出は鳥肌出るほどカッコ良かったです。


あとは小さな事ですが、「終演」ではなく「終焉」と表記していたり。開場から開演までの時間が普通の公演なら30分とかなのに、これは46分だったり。1幕と2幕の間の休憩が10秒、2幕と3幕の間の休憩が12分。で、公演時間は142分。この不自然な時間設定、たぶんこれって何かの数字に関連付けているんですよね?
それから出演者の何人かが客席案内や物販を務めていたりとか、開演前の諸注意案内にやたらとネタが仕込まれていたりとか。とにかく観客を楽しませようとするこだわりを随所に感じました。来年も公演あるならまた観に行きたいですね。



さて、私が今回この舞台を知り、観に行く目的となった女優さんは嘉悦恵都さんでした。旧開発班の加賀心寧さん役。旧開発班というポジションもあってあまり目立たないかと思ってましたが、とんでもない。とにかく何かにつけて細かく動いていて小動物の様で観ていて楽しかったですし、恵都さんは声楽科の出身という事もあってか、実際に歌を聴いてて歌唱力が高いと感じましたし、それで舞台上には8本くらいマイクがあったのですが、だいたいいつもその前でメインボーカル組に入っていましたね。
終演後、ロビーで恵都さんにあいさつして、少しお話とサインをいただきました。恵都さん、マジで可愛いです。映画などのお仕事も続いている様で、何か情報が入る都度、TwitterでRT拡散して微力ながら応援させていただきたいと思います。
そうそう、恵都さんはバーガーキングのイメージガールもされていまして、You Tubeの公式チャンネルにいくつか動画が挙がってますのでよろしければご覧ください。→BKChannel


で、私はTVとかホントにあまり見ないので、観た映画とかに出てる役者さん以外は疎すぎるくらいなのですが。この舞台にもステキな出演者さんがたくさん出ていまして。管理官役の小野妃香里さんは演技にも迫力あるし歌もかなり上手いなと思っていたら95年から02年までセラミュに出ていた方だったり。そもそもヒロイン役の小原春香さんは元AKBメンバーだったり。TARO役の咲山類さんも有名で人気な方なんですね。塩月綾香さんも元宝塚。…観た後にTwitterで「嘉悦恵都さん以外は不勉強で名前を存知ない人ばかり」とつぶやいてしまって大恥をかいてしまいました。(汗
そんな中で、一番印象に残ったのがエリザベス・マリーさんという方で。この人も後で調べて知ったのですがベッキーの従姉妹で、TVなどにも出てるんですね。
エリザベスさんの演じた須磨英理という役は清掃チームなのですが、幕開けの時などにチーム4人で前に出て来て観客を作品へと導く役割も務めてました。10秒の休憩の時には一緒に伸びをしたりね。
あるいは作品の中でも場をリードする事があったり、ある案件で決を取る時にも自己主張したり。青いツナギに腰にタオル、手にモップ。キャラ性は姉御系、でもダンスや歌はとてもキレがあって素敵。けど朝の体操的ダンスの時にはキャラを活かしてやる気なさげなダラダラした動きだったり。
この作品の中で一番好きなキャラでしたね。エリザベスさんの事もちょっと気になったので、早速Twitterでフォローさせていただきまして、積極的に追いかけるとまではいきませんが、何かの機会があればエリザベスさんの出演する舞台やステージをまた観たいと思いました。