『ホス探へようこそ ~ザ・セカンド/アンチ・アレス~』

記事を更新するのがかなり遅れてしまいました。ちょっと後半に作品に対して厳しい事も書いてます。ご了承ください。

 

山下聖良ちゃんの出演するミュージカル『ホス探へようこそ〜ザ・セカンド/アンチ・アレス〜』を観てきました。8月24日の初日と、26日ソワレ、28日の千秋楽で3回。場所は前作『ファースト』の時と同じ横浜のO-SITE。

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『ファースト』の続編としての2作目、次回公演の『サード』で原作部分は完結、今年2月の舞台オリジナルエピソード『The Last Valentine』の再演が予定されています。(当初は12月に予定されていた『サード』が延期で時期未定、来年2月の『The Last Valentine』も現時点ではどうなるかわかっていません。)

 

公演後ですので、今回も聖良ちゃんの演じた役についてのネタバレがありますのでご注意を。

 

サブタイトルに「アンチ・アレス」と付いていますが、これは今回から登場するライバル店。明智のライバルホストである黒月とその仲間のホストたちが一気に登場。冒頭から「明智の裏切り」「許さない」「宣戦布告」と重要な事をほのめかしてはいますが、実際には今回は顔見せに少し毛の生えた程度、ストーリー上で核心に触れてくるのは『サード』までおあづけになります。

 

 

オープニングで前回と同じく忍がレディー・キラーに加わるまでを描き、本編は今回も短編3本のオムニバスとなります。

1本目は前作でも少し話題に出た忍の実家の話、彼が実家を出た理由とその解決。

前作で華子さんを演じた田代さやかさんが忍の亡き実母の真美役(原作では登場しない舞台オリジナルですね。もちろん故人なので実体ではなく幽霊というか霊体という感じ)、同じく前作で理恵子さんを演じた山本美紀子さんが義母の響子役。

忍(行)が真美の残した謎を解明し、響子との関係性の回復という流れ。

このパートはタンゴや子守唄などミュージカル要素も印象に残ります。

 

 

2本目は明智の妹で高校教師の優奈が登場、演じるのは『The Last Valentine』でも出演していた河東杏樹さん。明智とお互いにシスコンブラコンという関係なのですが、その辺も含めて描写不足で、『セカンド』の主要女性キャラの中では一番印象が薄くなってしまった感があります。このキャラは『サード』でも登場するので挽回に期待したいところです。

そして優奈が探しているのが行方不明となった女生徒の平口美奈子ちゃん。聖良ちゃんが今回演じるのはこの美奈子ちゃんです。

地味な女子高生の美奈子ちゃんが街中で自分を褒めてくれたアンチ・アレスのホスト榊にのぼせ上がってしまい、けれど未成年なのでホストクラブには通えない、その想いを榊に利用され、知らずに覚せい剤の売人にされてしまうという流れ。

公表されている美奈子ちゃんのビジュアルは制服におさげ眼鏡という地味な姿なのですが、実際にはオープニングと写真画像でしかその姿は登場せず(カーテンコールでは眼鏡なし制服)、本編では素性を隠してラーメン屋でバイトしてるため私服の上に調理白衣にバンダナで眼鏡なしという姿。公式ビジュアルはフェイクだったわけですね。これに関しては原作を読んでいれば予想できるのですが。

 

さて、美奈子ちゃん。ぶっちゃけるとキャラの印象としては『ファースト』のユキちゃんに負けると思います。今回は持ち歌もありませんし。情念や行動の面からも薄い。

その一方で、ラーメン屋バイトでの生き生きとした演技、真相を突きつけられて退場するまでの刻々と変化する表情の妙。そうした部分がユキちゃんと比較してかなりはっきりと出ていたと思います。実際に聖良ちゃんの事を言及している感想ツイートなどを幾つか目にしましたが、表情の良さを挙げている人が何人もいましたね。

そうでしょう、そうでしょう。聖良ちゃんのファンになった初期から私は彼女の表情の演技の素晴らしさを主張していますが、やっぱりその魅力は伝わるんですよね。

表情だけではなく、舞台上での立ち回りとか指先もなかなかに細かい演技をしていて役へのこだわりを感じました。

キャラの印象が薄いというのは動機づけの説明がセリフとそれに合わせた美奈子ちゃんの表情だけで表現されているからで、ここをしっかり回想シーンで再現して描き込んでいたらまた違ったのでしょうけど。ただそれには場面転換と衣装着替えが必要なので演出も難しいのかもしれません。

 

そして3本目。時雨の固定客であるゴス系の客たち。その中で唯一名前が明らかになっている麻耶を演じるのは『ファースト』でもえ役だった真島なおみさん。その仲間のゴス客たちは役名はありませんが女性キャスト全員で演じています。

このパートは序盤から時雨の元に続けて送られてきた3枚のタロットカードの謎解き。その真相である麻耶の婚姻&懐妊祝いのパーティ。ゴス客たちによるドール的なダンス、榊役の石田達成さんがこちらではピエロ役として登場してマジック系のパフォーマンスを披露、かなり観応えのある派手なパートでした。

聖良ちゃんはここでは目元をマスクで隠し、ステッキを持った女性役。セリフこそ無いものの、仲間やホストとの絡み、ホワイトレディを美味しそうに飲み干す姿(ホワイトレディは度数も高いカクテルなので、あれを一気飲みできるなんてどれだけ酒豪なのかとw)、ステッキを振って曲スタートのきっかけ役、ピエロに対してのリアクションなどかなりあちこちで目立ってましたね。ゴス客全員による「タロットカードPart2」という曲では1フレーズが聖良ちゃん担当でした。そしてもちろんダンス。

正直言ってファンとしての新しい発見性としては美奈子ちゃん役よりもこちらのパートの方が比重が大きかったとも思えます。

聖良ちゃんは背も高めでスラッとスタイルも良いのでこういうゴス服が見栄えしますね。しかも不思議ちゃんっぽい雰囲気も出ていて、とても良かったです。

 

アフターイベントとしてはトーク&ソングショーこそ観られませんでしたが、初日舞台挨拶&撮影会、握手会、千秋楽挨拶で聖良ちゃんを堪能しました。特に千秋楽挨拶で感じたのですが、他のキャストさんのコメント時にもけっこう反応して表情コロコロ変わったり身体が動いてたり隣の山本美紀子さんとちょこちょこ会話してたり、ながめてて楽しかったです。素の時のリアクションやアドリブ面の柔軟性なんかも魅力なんですよね。なかなかそれを観られる機会も限られているんですが。

 

 

 

 

『ホス探へようこそ〜ザ・セカンド/アンチ・アレス〜』、正直言いますと私はあまり出来の良い舞台作品だとは思いませんでした。

追加された楽曲は良かったと思います。

随時タロットカードを投入した事で全体的な筋ができてはいましたが、結局のところは短編3本が独立してしまった構成。サブタイトルにも掲げられたアンチ・アレスの面々も美奈子ちゃんの事件にこそ間接的には関わってきましたが顔見せで終わってしまった感。黒月役の林野さんはとても存在感あってレディーキラー側の主役たちを食ってしまうほどの迫力があったんですけどね。

 

 

あとは、これ、私の好みから外れただけという事なんでしょうけど、演出面でなんとなくダメでした。まず、過去の戻る演出。場面転換ではなく時間を巻き戻す演出をしているところ。(聖良ちゃんのクルクル回る姿を観れたのは美味しかったですが)それの条件がアドリブというかホスト役のキャストさんによる一発芸ってところ。

その辺りでキャストさんの素の面が出てきてる点。時雨のキャラもやりすぎ感がありました。竜胆の「にゃん」にも抵抗感。乙洲のゴスとヴィジュアル系の違いのくだりもちょっと。

まあね、メイン客層(男性キャストファンの女性客)が楽しんでいるならそれが最適解なので私の受けた印象からの感想は雑音なのでしょうけれど。

観客の笑いを誘う場面も多くはそういう感じでほとんど男性キャストでしたし(女性キャストでは真美さんとゴス娘たちでちょっとあったくらい)、そういう作劇なんだというのは理解してます。

実際、作風としては『ファースト』と比較してもかなりエンタメ方向に振ってきてましたし、観客を楽しませようという意気込みは感じました。

私の好みとしての演劇は、キャストさんにはきっちり役を演じきってほしい、そのための役作りにこだわってほしいので、キャストさん自身が役を超えて前面に出てしまったりメタな演出は抵抗あるのです。同じような理由で、客席いじりとか、観客側も曲に合わせて一緒に手振りするというのは私が演劇に求めてる物とは違うなと(私もちゃんと振ったけど)。役の上でアイドルという設定で、ライブを舞台上で再現という演出ならまた話は別なんですけど、ホストはアイドルじゃないしライブ開催してるわけでもないからなあ。現実のホストクラブに行った事ないから、実際にそういうステージイベントやってるかどうかも知らないで言ってますけど。

アフターイベントを充実させるってのもリピーターを増やす手段としてなんだろうけど、ソングショーとかは違う気がするんですよね(聖良ちゃん出演なら観たいけどさ)。稽古は全力で臨んでいるのでしょうけど、アフターと分散している配分を本編に全部注いでほしいですし、その分で本編の脚本の密度を濃くしてほしかったなと。

でも、こういうのって2.5次元系の舞台ではよくあるパターンみたいなんですよね。だからそういう物なんだろうなと受け入れてはいるのですが。好みか否かってのはやっぱり大きいので、続編に聖良ちゃんが出演しない場合は私は観に行く事は無いだろうなと。

2.5次元系舞台って、小耳に挟んだ話では今年だけで100タイトル以上あるらしいですし、興行的にも観客のキャパを超えてしまってるようにも思えるのですよね。一部の有力タイトルだけが成功して、多くのタイトルは綱渡り状態。

演劇に歌にダンスにと美味しいとこ取りに思えて、実質はそれぞれに特化した舞台に比べればどうしても見劣りしてしまう感があって。いろいろ詰め込んだ分、それぞれのレベルが中途半端に感じてしまいました。(規模の違いもありますから単純に比較はできませんが、私個人の舞台作品としての評価は『雪の女王』の方が上です)

『ホス探 サード』もどういう理由で公演延期になったかは想像の域を出ませんが、公演を継続していくのは難しいのかなと。

『ファースト』の時と比べて本編以外でも、アンケート用紙を用意したりパンフの内容や文字が良くなったり改善されている点も幾つかあって運営側も続ける気はあったのでしょうけどね。結局のところ観客を動員できなければ興行は維持できないですからね。

『サード』に聖良ちゃんが続投するなら深雪というキャラが美味しい役で、ぜひ彼女に演じてほしいと思っていたので期待してたのですが。(仮に1月に『サード』があるとしたら『プリパラ』があるから聖良ちゃんは無理だし…)

聖良ちゃん本人はこの作品を好きだというのはものすごく伝わってくるので続投できるなら応援したいのですけどね、どうなんでしょう。

 

 

 

 

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さて。美奈子ちゃん。右側の大きいのがパンフ。左側下、左と真ん中がチケット予約ランダム特典(ロゴありと無しの2パターン)、右の横向きがリピーター特典3回分。それより上の8枚が販売ブロマイド4枚セット×2種。右側の小さいサイズはトレカ2種(34種ランダム)とレア封入(聞いた話では公演各回でキャストさん1人1枚封入されたとか。つまり聖良ちゃん全8枚中5枚を私が集めちゃった事に)のサイン入りです。

実は予約ランダムもトレカも私自身では1枚も出してません。『ファースト』の時に面識のあった方が私が聖良ちゃんファンだという事を憶えてくれていたり、他のキャストさんファンの皆さんに声をかけていただいてご好意で譲っていただけました。本当にありがとうございました。

 

そう言えば、このブロマイドなどでキャストさんたちはタロットカードを持っているのだけど聖良ちゃんは「Strength(力)」、これって聖良ちゃん自身が選んだのかどうなのか? 何か意味が込められているのか? 握手会の時にでも本人に聞いてみればよかった。

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こちらは響子さん。聖良ちゃんと同じ劇団ひまわり組の山本美紀子さん。予約ランダム特典のロゴありと無し、1枚は交換、1枚は自分で。サイン入りトレカも自分で引き当てました。彼女は来年1月のミュージカル『プリパラ』でも聖良ちゃんと共演されますね。

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今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。

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そして今回も花の宛名札にメッセージを書いていただいてました。ありがとうございます。

『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』

山下聖良ちゃんの出演するミュージカル『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』を観てきました。6月22日の初日と、26日千秋楽のマチソワの3回。場所は横浜のO-SITE。

聖良ちゃんの演じた役についてネタバレがありますのでご注意を。

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原作は立野真琴さんの少女マンガで、今年2月に『The Last Valentine』というエピソードが上演され、そちらが好評だったためにシリーズ化。今回は誕生編となる『ファースト』、今後『セカンド』『サード』と続き、来年2月に『The Last Valentine』の再演となる予定のようです。

 

物語としては、主人公の小林少年が探偵に憧れて明智探偵事務所に。しかし探偵だけでは生活できないので夜はホストを副業に…と言うか、むしろホストの方がメイン。探偵の方の仕事も浮気調査のような物ばかりで、ホストクラブのお客さんたちが主な依頼主。そういう設定です。

 

今回の『ファースト』は誕生編という事で、嫌々ながら始めたホストという仕事を、小林君がホストと同じくらい好きになるまでを描きます。実際には独立した3つの短編をつなげた構成になりますね。

 

聖良ちゃんの役はユキ。ストーカーに悩んで仕事を依頼しに来た理恵子の同僚で親友役。ストーリー上では2番目のエピソードのみに出演です。今回は地毛を金髪にしているので今までとは印象もガラッと変わりますね。来ている衣装も身体のラインが出る系なのでレア感があって新鮮でした。

さて、ユキちゃん。ぶっちゃけると、ストーカーの犯人でした。

初日終演後の握手会の時に聖良ちゃんに「犯人ってわかりました?」と聞かれたのですが、このエピソードの登場人物が少なすぎるので他に怪しいキャラがいないんですよね。なので怪しい男に変装している場面も、体格などもヒントになりましたがすぐに聖良ちゃんだとわかりました。

「困ってる理恵子が自分に頼ってくるのが気持ちよくて」というのが犯行の動機でしたが、一方では理恵子の事を好きなのも本当だと思うのですよね。魔除けのお守りを理恵子に渡す事も、後で語られる「自分の中の魔を祓いたかった」につながりますし。その辺りのユキちゃんの二面性が短い出演時間の中でもしっかりと伝わってきたと思います。

その犯行を「誰かに止めてほしかった」と語られますが、真相が明らかにされていく場面でのユキちゃんの表情。戸惑い、不安、そこからあきらめと、少し笑顔が浮かんでくる。こういう演技が聖良ちゃんは本当に上手くて魅力的です。私が聖良ちゃんのファンになった初期から表情の魅力はずっと主張してきましたが、やっぱり改めて実感します。

そしてミュージカルですから歌もあります。真相が明かされた後、理恵子と2人で『ビリーブ』という曲。聖良ちゃんの歌声が聴こえてくると、その声の張りと伸びに聴き惚れました。ファンのひいき目も入ってるとは思うんですが、他の出演者のみなさんと比べてもかなり上位の上手さなんじゃないかと。

それと、女性出演者全員によるバーレスクダンスにもユキちゃんは登場します。これもセクシーで扇情的でとても良かったですね。こういう聖良ちゃん、なかなか他では観る事ができません。初日の席では他の出演者の陰に隠れてしまってあまりよく観れなかったのですが、千秋楽マチソワではほぼ正面の位置からバッチリ堪能しました。

 

他には初日終演後に初日挨拶と、舞台上の集合写真を撮影できる写メ会、物販購入特典の握手会。千秋楽マチネ後の歌謡ショー。千秋楽ソワレ後の最終挨拶で聖良ちゃん充しました。

 

さて、今回のような舞台、メインキャストたちが男性で観客層の主流が女性客、こういう場合の女性キャラって余剰な気がするのですよね。観客の興味外と言うか。ましてメインキャストと恋愛的な展開がなされたりするとかなり視線が痛く刺さる事になって演技がやりにくいんじゃないかと思ったりもします。

でも実際に観てみると男性キャストとはそれほどからまないですし、理恵子との関係だけで完結してるので女性客受けも良かったんじゃないかなと思いました。女性キャラは何人もいますが、印象白紙状態でどのキャラを聖良ちゃんに演じてほしいかと考えたら、やっぱりユキちゃんという役が一番美味しい気がします。

 

さて、この『ホス探へようこそ ~ザ・ファースト~』、私は聖良ちゃんの出演する部分だけで十分以上に満足しましたし、作品全体としても楽しかったのは確かなのです。私が女性だったらもっと男性キャストの良さを堪能できたかもしれませんが、同性でも魅力は感じました。

ただ、以前にミュージカル座の『ロイヤルホストクラブ』という作品を観ているのでどうしても自分の中で比較してしまう気持ちがつきまといまして。

ミュージカル要素、ダンスパート、出演者、舞台セットの豪華さ、ホストクラブとホストとお客さんたちの描写、何よりストーリーの巧みさ。そうしたあれこれがどうしてもこの作品は見劣りしてしまうなと。

『ホス探』はまず探偵部分が弱いんですよね。事件の小ささは仕方ないとしても、この3つの謎を解決した先に小林くんが探偵とホストを両方同じくらいに好きになるって展開、そこに説得力を持たせるにはストーリーが弱いと思うんですよ。「誕生編」だから軽くて、続編で次第に盛り上がっていって『The Last Valentine』は大きな山になるのだろうとは思いますが。

それと短編3つがほぼ独立してるのが。一応最初と最後に華子さんが出るとは言っても。

これ、せっかく舞台になってるのだから3つの話を前後に干渉させても良いんじゃないかなと思います。ちょっとでいいから3つ目の伏線を最初から出すとか。ユキちゃんのその後を最後にちょっとだけでも描写するとか。その辺が弱いと思うんですよね。

それと、コミカルな要素のほとんどが瞬間的に笑いを誘うドタバタ系かビジュアル面の物になっていて、そこがもったいないかなと。その辺をしっかり作るのは難しいとは思うし、観客の主流がそれを望んでいるならそれも方向性だとは思うけど。

 

さて、ユキちゃんは犯人として退場してしまいました。原作はまだ読んでいないので、その後が描かれているかはわかりませんが、普通に考えたらもうユキちゃんの登場は無いのかなと。舞台なのだからいくらでも脚色して何らかの形で登場させる事は可能だとは思いますけど。理恵子と和解させて、またお客さんとして来店するなど。

でも、たぶんユキちゃんの再登場は無いなと。他の役を演じる形で聖良ちゃんの続投はあるかな? 個人的な印象ではもう続編への出演の可能性は低いような気がします。

 

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ユキちゃん。左側の大きいのがパンフ。右側が物販のブロマイドセット4枚と、左下の口元にバラのがリピーター特典3回分。(ちなみにリピーター6回で大きいサイズのブロマイド、8回全通で聖良ちゃんとの2ショットチェキが撮れました。劇ドリを切り捨てていたとしても5回しか行けず断念。チケット代の問題もあるけど、仕事あると平日含めて8回ってかなりハードル高いですよねー…)

左側の小さいのがトレーディングカード。主要キャラ12人×2種と直筆サイン入りのレアがランダムで1枚という物。他のお客さんのご厚意で譲っていただけました。

これらの写真と違って、実際の聖良ちゃんの金髪はもっと黄色いです。

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今回も聖良ちゃん宛てにスタンド花を贈らせていただきました。時期的にもピッタリだったので、劇団ひまわりに合わせてひまわりだけで華やかに作ってもらいました。

それと誰よりも聖良ちゃんを応援しているという意味で、ひまわりの花言葉「あなただけを見つめる」も込めて。

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お返しに、スタンド花の宛て札に聖良ちゃんからのメッセージとサインをいただきました。ありがとうございました。

 

『ホス探へようこそ』の原作、聖良ちゃんも読んで好きになったとの事なので、ファンとしては私もいずれはきちんと読みたいなと思います。

『ユニット・ボーカルフェスティバルVol.3 2016 Summer』

山下聖良ちゃんの所属する劇団ひまわりの主催する『ユニフェス』。そこに聖良ちゃんが出演するという事で、5月27日と29日に観に行ってきました。

会場は劇団ひまわりの事務所に隣接するシアター代官山。

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このイベントは劇団ひまわりに所属する人たちがユニットを組んで、自分たちで選曲、振付、衣装、小道具などを選んで演目をゼロから作りだしていくという趣旨ですね。

小さい子から成人まで出演者の年齢層は幅広く、それぞれのパフォーマンスもバラエティに富んでいて、楽しいイベントでした。

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聖良ちゃんは平山沙絵ちゃんとの2人ユニット「ロマンスクール」での出演。2人は昨年秋の舞台「雪の女王−あなたに伝えたい−」のB班とBSP班でそれぞれカレン役を演じていました。

「ロマンスクール」の演目は「セーラームーン」のミュージカルを再現するという物。聖良ちゃんがうさぎ、沙絵ちゃんが亜美ちゃん。亜美ちゃんの留学、未来へ向けての気持ち、2人の絆、そういったテーマを織り込んでの約10分。歌にダンスに演技にと密度の濃いパフォーマンスでした。

沙絵ちゃんのステージは初めて観たのですが良かったですね。「雪の女王」の時に観ておけばと今更ながら残念です。

普段はそれぞれ別のお仕事ですし、内容自体もそうそう他では観る事のできない物なので、また今後のユニフェスにも2人で出演してほしいところです。

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 物販で「ロマンスクール」のブロマイドを全種購入。2ショット、聖良ちゃんピン、沙絵ちゃんピンでそれぞれ3種ずつでした。

『Juliet』

山下聖良ちゃんが出演する舞台、劇団空間演人プロデュース「Juliet」A班を両国のエアースタジオで4月27日、30日、5月2日と観てきました。初日、中日、千秋楽です。

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何年も何度も繰り返し上演されている作品なのですが、思いっきりネタバレで書きますのでご注意を

 

真っ暗の中にナレーションが流れ(実はここでこの作品の重要な真相が語られている)、灯りが点くとそこは高校の演劇部。部員たちが「ロミオとジュリエット」の稽古をしている。

聖良ちゃん演じるのは彩。

ここで部員たちの個性が描かれる。ロミオ役の雄太とジュリエット役の彩が実際に恋人同士で、二人のキスシーンが話題となり、そして稽古が終わって解散。

 

暗転して彩のナレーション。数年後、彩と雄太が結婚している。だが、そこに不穏な雰囲気が流れ…。

再開する彩と元部員達。彩の元に雄太とジュリエットの結婚招待状という気味の悪い物が届き、その事について相談する。

そして、高校時代の回想シーンに違和感を覚え、あの場にもう一人いた事を思い出す彩。部室の片隅に誰かの存在感。

その人物について議論する部員たち。そこに雄太もやってきて、そして今まで登場しなかった女性「恵美」も現れる。

緊迫する舞台上。「恵美」が実は本当の彩で、聖良ちゃん演じる彩は実は本当は恵美だった事が明かされる。自分を彩だと思いこんでしまった悲劇。

 

一転、この後の回想シーンでは冒頭と同じ「ロミオとジュリエット」の稽古なのですが、本当の彩役として福富ゆきさんがジュリエットを演じています。聖良ちゃんは部室の片隅から二人を辛そうに見つめ、プロンプ役務めている恵美。

雄太の事が好きな恵美。彼に恋人がいるのが辛い。だからこそ二人がロミオとジュリエット役を演じる事に苦しむ。自分ならもっと上手くジュリエットを演じる事ができる。彩なんかよりも自分の方が。そういう想いがひしひしと伝わってきます。

 

暗転してまた現代に戻って。どうしても変えられない運命。気持ちが抑えきれず、ナイフを持ち出し雄太への想いに殉じる恵美。

 

ラストは智子と網代がやりきれない表情で会話して終幕。

 

ドタバタ感のある稽古シーンから始まって、観客の気持ちを掴んでから一転してミステリー感漂う不穏な空気。高校時代と成人後を交互に描く演出。

成人後もコミカルな会話が続きますが、これは真相を知っていたみんなが恵美の心を刺激しないように外堀から攻めていた事が繰り返し観ているとわかります。

コミカルとシリアス、喜劇と思わせて悲劇。冒頭で「ロミオとジュリエット」を最初は喜劇だったと語る事が、終幕後ずっと心に余韻を残しました。

繰り返し再演されている事が納得できる、とてもよくできた観応えのある作品だと思います。

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さて、聖良ちゃんの演じる恵美(彩)、実は上演前にロビーでもらえるチラシに役名が記載されているんですね(笑)。私、ネタバレだとは露ほども思わず、初回を観る前にこれで聖良ちゃんの役名をチェックしてしまいまして…。なので、冒頭の稽古シーンで「あれ…?」と違和感が。

 

全員が高校生と社会人の演じ分け。そして劇中劇としての「ロミオとジュリエット」を演じる3人。出演者にとって難しくて楽しくてやりがいのある舞台だったと思います。

 

聖良ちゃんはさらに高校生の時も彩と恵美の演じ分けもあって、ジュリエットも入れると実質5役なのですよね。

高校生彩の時の楽しそうな幸せそうな演技。明るくて。自分たちの事が話題になってるのを飲み物を口に含みながら「ん?」と気にしてる表情とか、バナナを食べてる時とかメッチャ可愛い。

成人彩の翳りのある不安そうな表情。

そして恵美。高校生の時の胸が張り裂けそうな演技。さっきまで彩として演じてた回想とのギャップが強い印象を訴えてきます。

聖良彩のジュリエットの演技が上手かった分(これも恵美自身が捏造した回想なので、実際の恵美の演技が上手いのかは不明なんですよね)、拙い福富彩のジュリエットの演技も演出上で重要ですね。これがあるから余計に恵美のやりきれなさに深みが加わります。

 

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私の観てきた限り、聖良ちゃんは真っ直ぐなキャラを演じてきた傾向にあるので、今作品の様な変化球…精神的に追い詰められてサイコ化、そして自殺という役は新鮮でした。本当に観て良かったと思える舞台でした。ファンとしての喜び。

「劇団ドリームクラブ ホストガールオンステージ#2」雑感

6月25日に新生劇ドリの2回目のライブに行ってきました。

今回の会場も前回と同じ渋谷のRUIDO.K2。

また山下聖良ちゃんの出演する舞台と日程が被ってしまったため、当初は1回のみの参加を考えていましたが、いろいろスケジュールを悩んで昼夜ともに参加する事になりました。

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今回はセッちゃんとマリリンが欠席。それでもホスガ14名+ゲストが揃うのは圧巻でした。

昼と夜では構成やMCに違いがあり、魅杏とナオのソロでは途中でカワオケに変化する演出。

ライブの前半ではほとんどのホスガが自分の持ち歌以外の曲を披露。後半はほぼ持ち歌。ユウエルは「アイドル宣言」のバックと「Noko-ism!」以外に5号店曲の「DragonLady」も初披露でした。

玲香さんは前半ではあすかの人気曲「あなたのそばにいたいのに」を、後半は持ち歌の「ステキなmagician」を。MCでも今回は玲香さんらしくボウリングネタを投入したり、全員並んでる時も隣のノノノや亜麻音ちゃんとよくからんでいて雰囲気出ていました。

 

今回はゲームのホスガ声優さんがシークレットゲストとして出演すると事前にアナウンスされていましたが、それはアイリ役の児玉明日美さんでした。

昼では前半ラストの「コイヲシテイマス」に乱入。夜はMCタイムの後で後半1曲目の「TimeTraveler」をアイリ&ノノノと一緒に歌うという至福のステージでした。

アイリは児玉さんがゲストだという事も相まって、MCなどでもちょこちょこといろんな事をしていて目立っていました。今回の一番のメインホスガだったと言ってもいいんじゃないですかね。

そしてラストのMCタイムの時には当日が亜麻音ちゃんの生誕日という事で、全員でバースデイソングを歌い、セッちゃん特製のケーキでお祝いするという演出。

 

総じて、密度の濃い充実したライブでした。前回で感じた構成の雑さはかなり改善されていて、展開に緩急が付いていましたし、良いライブにしよう、みんなを楽しませようという意思は強く感じました。2ヶ月でキャストさんたちの成長もあちこちに感じましたし、この勢いの先は期待できると思います。

ただ、今回のライブ単体で評価すると、休止前に感じられたライブを続けるだけの停滞感からは脱していませんので、B評価。100点満点で80点には届いてないかなというのが私の評価です。そして、今回のいろいろと盛りだくさんのさらに上を行くのは難産だとは思います。でもきっと完成度を高めて楽しいライブに作り上げてくれる事を期待していますし、上の評価とは別に、ホスガの皆さん今回は本当に良かったです。

 

さて、7月8月は対バンを積極的に行うらしいです。つまり他の地下アイドルイベントなどにゲスト出演してアピール活動をすると。動員1万人のためにはより知名度アップが必要なのでがんばってほしいところです。

そして定期ライブとなるはずだった8月はお休み。#3としては10月開催になるらしいです。その代りに9月は特別な会場でのイベントが予定されているとの事で。詳細は明らかにされてはいませんが、2年前にやったアレですね、たぶん。

 

 

今回もピュア紳士有志一同でお花を贈る企画がありましたので、私も参加しました。

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物販。前回とは違う新作ブロマイド。玲香さん、玲香さん役の澁谷えりかさん私服、アイリ、アイリ役の桜羽萌子さん私服の4セットを購入しました。

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そして、夜の部のMCに影響されて、理保役の寿々木はるかさんのCD「コロナループ」も購入しました。

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「劇団ドリームクラブ ホストガールオンステージ#1」雑感

また更新が滞ったまま時間経ってしまいました。簡単にではありますが記事にしておきたいと思います。

 

さて、昨年の春から劇団ドリームクラブの活動が一時休止していましたが、3期メンバーのオーディションが告知され、活動再開が近いと期待されていました。

そして3月の中旬に配役が伏せられた状態での3期メンバーと、活動1発目となるライブの開催が発表されました。

続投したキャストさんは魅杏役の柳瀬晴日さん、ナオ役の青木満理子さん、魔璃役の柚木成美さんの3人。13人が入れ替わるという大幅な変更が行われたわけです。

3期メンの中で2人は以前に舞台で観た事がありますが、それ以外の人は全くの初見なのでイメージがつかめず。まあ、その辺は最初の舞台の時の1期メンと一緒ですね。

で、3期メンが発表された日の時点でパッと見で受けた印象だけで、この人が玲香さんだったらいいなと思ったのが澁谷えりかさん。当たりました。小板さんの時も当てましたが、玲香さんにだけでもアンテナが働いてホッとしました。他はあすか役の鈴原紗央さんしか当てられなかったんですけどね。

 

で、当日。いつもは昼夜公演両方に参加するところなのですが、山下聖良ちゃんの出演する舞台と日程が被っているために昼のみの参加となりました。夜の方だと先代セッちゃんの姫野つばささん&先代みおさんの黒須みらいさんの卒業挨拶イベントも付いてきたのですけど、片方観るなら一番最初を見届けたいなと思いましたので。

 

さて、今回の会場は渋谷のRUIDO.K2。同じ系列だからかREXと似た印象。客席側はあまり広くなく、もしチェキ会をやるなら待機場所などかなり狭く感じるだろうなと。

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さて、ライブ開演。歌われなかった楽曲は4曲のみ。ほとんどのホスガが全員曲以外に2曲以上披露。加えて今回も5号店楽曲から「ノコイズム」も。

ライブとしてはボリュームたっぷりでしたが、その反面で詰め込みすぎな感もありまして、息つく間も与えられずに矢継ぎ早に展開される構成は正直言って喉も腕も疲れました。この辺りはもう少し緩急が必要だと思いましたね。

3期メンの印象は良かったです。元から劇ドリの運営側の眼は信用してるので、それほどイメージ狂う事は無いだろうとは思っていましたが。ただ、やはり先代たちと比較してしまう感覚もありまして。そこは先代たちも繰り返しの公演と長い時間をかけてイメージを積み重ねてきたわけで、ある程度の長いスパンで3期メンの成長を見守りたいですね。

 

澁谷玲香さんは素敵でした。他のキャストさんと比べて長身なのと、メイクの感じや立ち居振る舞いが小板玲香さんに似てるようにも感じました。2次元から3次元へのイメージの落とし込みはどうしても近くなるのかもしれないですね。

歌は申し分ないどころか、かなり上手くて聴き惚れました。客席に対するMCもけっこうできてたと思います。振り付けは多少ぎこちなかった気がしました。

2代目玲香さんとして期待できるので、これからも微力ながら応援していきたいと思います。

 

さて、新生劇ドリとして活動予定も発表されました。定期的なライブ活動を続け1年後にはミュージカル公演を目標にすると。そこでは新曲も投入。ただしミュージカル公演を実現するためにはそれまでのトータル動員数1万人達成が条件と。達成できなければ劇ドリはそこで解散と。現状ではそこまで持っていくにはハードルが高い気もしますが、いい方向に結果が出ればいいなと思います。

 

今回もホスガ全員宛てとしてピュア紳士有志によるスタンド花を贈る企画が立ちましたので、例によって私も賛同させていただきました。

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物販。玲香さんとアイリのブロマイドセットを購入。1回500円で回せるランダムのドリガチャはセッちゃんのチェキ2枚、るい先生のチェキ1枚を引きました。

『蜘蛛の巣 〜SPIDER’S WEB 〜』


両国のAir studioで劇団空感演人プロデュースの舞台『蜘蛛の巣〜SPIDER'S WEB』を2月20から22日の3日連続で観てきました。
私がイチ推ししている山下聖良ちゃんがトリプルキャストのA班に出演していました。
原作はアガサ・クリスティーの戯曲で、一部に変更やカットがありますね。例えばサラ・バーチ判事は原作だとヒューゴー・バーチという男性だったり、クラリサが煙草を吸ってたり。セリフもあちこち削られてる。

物語の舞台は外務省役人の邸宅。そこで主人ヘンリーと離婚した元妻の再婚相手オリバーの死体が発見される。死体を発見した後妻のクラリサはある理由から事件との関係を隠蔽する事に。知人たちを説得して死体を運ぼうとした矢先、殺人事件通報を受けた警察がやってくる…という話。
殺人事件を中心にしたミステリーではあるのですが、第3幕までは誰が真犯人なのか?、その動機は?など深く追求される流れにはなりません。第1幕では事件自体を無かった事にしようとしますし、第2幕では事件への関与を否定して警部の事情聴取をかわしていく様子が中心になります。
そのため、証拠隠しのドタバタと警部との間の駆け引き的会話劇が、時にはコミカルな味付けもされていて、各キャラの発言がそれぞれに影響を与えて二転三転して連鎖していく様子がとても面白い作品でした。まさにラストでクラリサが引用するウォルター・スコットの詩から引っ張ってこられた『蜘蛛の巣』というタイトルがピッタリな展開でした。
初見の時は第3幕であるキャラがある行動を取るまで真犯人はわからず、別のキャラが犯人だと思っていました。けれど真相がわかった上で2度目に観た時には、もう序盤から真犯人が怪しい行動や反応を見せてるのがわかりましたね。そのあたりの緻密な伏線や小道具の配置は流石クリスティーです。2時間近い上演時間を短く感じさせてくれるほど、中だるみもせず、どの場面も楽しく観る事ができた作品でした。


聖良ちゃんの演じたのはクラリサ。ポジション的には主役と言っても良いと思います。頭の回転が速く、想像力豊かで、いたずらっぽい性格で。でもしっかりしていて、前妻の娘ピパへの優しさにあふれていて、とても魅力的なキャラでした。
そして圧巻だったのがクラリサのセリフ量。多くの場面で畳み掛ける様にセリフを発し、物語の流れをどんどん変えていく影響力。この舞台の中でのクラリサというキャラの魅力は(私のひいき目があるのを差し引いても)結構な比重があったのではないかと思います。
少し気になったのはセリフが早口気味になっていたので、そこをその時の状況で緩急が付けられていたらとは思いました。でも、前述した様にセリフ量が多いので、勢いとリズムが損なわれるともしかしたらセリフを続けるのが難しくなっちゃうのかもしれないですね。この辺りはシーンごとに撮影できる映像と、全て通しで一発演技の舞台との違いなのかもしれません。
聖良ちゃんの舞台を観るのは昨年の『雪の女王』以来ですが、その間に事務所のレッスンで女優として一段と成長したのを感じました。特に今回は出番もセリフも多く、純粋に演技力が必要な役だったので一層その事を感じる事ができたのだと思います。他のキャラを翻弄したり、ピパに対する思いやりやヘンリーに対する愛情。オリバーに対する毅然とした態度。事件に動揺した時。警部を翻弄する時。真面目な時。「もしも」に浸っている時。そういった場面場面での役作りがしっかりと出来ていて表情も多彩でした。これだけセリフや出番が多ければ精神的重圧も大きいでしょうに、それをやり切ったのは流石です。あらかじめセリフは入れていたでしょうが、実際の稽古が10日ほどだったそうで。その短期間でここまで仕上げるのは本当に大変だったでしょうし、大きな経験にもなった事と思います。


劇団ドリクラをきっかけに聖良ちゃんと出会ってから1年半ほど。どんどんその魅力に引き寄せられて、今では一番期待していて応援していきたい女優さんです。
他の劇ドリのキャストさんたちも今がんばっていて、メディアに名前が出てきたり大きなお仕事をつかんだりけっこう知名度が上がってきている人が何人もいるのですけど、そんな中で聖良ちゃんは着々と土台を作っていて。
今回の観劇の時に劇場ロビーで「主役って聖良って子?知らなーい」って会話を実際に耳にしていますが、その一方で聖良ちゃんの事を「初めて観たけど良かった」って感想をツイートで見かけたりもしました。チケットの集客や面会は私みたいに必ず足を運ぶファンや知り合い主流なのかもしれませんが、でも確実に少しずつでも広く評価はされてきていると思うのです。
1つ公演を観るたびに以前より良くなっているところが感じられて、今回も良かったと思えて、次も観たいと思わせてくれて。
舞台というのはその作品の脚本や演出に感想が引っ張られていくのだと思いますし、この「蜘蛛の巣」もそこは重要でしたが、山下聖良という若手女優のポテンシャルを引き出してくれたこの作品に出会えて、そしてこの難しい役に挑戦してやり遂げた聖良ちゃんは本当に素晴らしかったと思います。
千秋楽の翌日からまた事務所のレッスンに参加しているとの事ですし、まだまだこれからも経験値を積んで成長していくのだと思います。それを楽しみにできる事はファンとしてとても幸せです。ありがとうございます。


今回、ピュア紳士仲間で有志を集ってスタンド花を贈らせていただきました。