はい。『モンスターVSエイリアン』、観てきました。
一番最初に雑誌記事を見た時には、あまり魅かれる感じが無くてスルー予定だったのですけど。先月、劇場で何度か予告を観ている内に、もしかして良作なんじゃないかと思ったんですな。
川口のMOVIXでは無謀にも2Dと3Dの2シアター上映。3Dの方は2000円と割高になる上、モーニングやらレイトやらレディやら、招待券やらが一切使用不可。きっちり金額回収しますんで仕様です。ランチ1食分程度には差が出ちゃうんで少し迷ったんですが、せっかくなので3Dを堪能する事にしました。
流石に平日の午前中にモーニング料金を放棄する人はいない様子で、入場すると誰もいない貸し切り状態でした。ラッキー!と思っていたらおばさんが一人入ってきたので残念でしたが。


物語はこんな感じ。主人公のスーザンが結婚式の当日に空から落ちてきた隕石に激突。運良く怪我も無いと思っていたら、指輪交換の時に身体が緑色に光り、そして巨大化。タイミング良く現われた軍隊に捕獲され…気がついたら広々とした施設の中。そこは世界中のモンスターを捕獲監禁する軍内部の秘密組織の基地でした。他のモンスター同様、スーザンは研究体として一生外の世界には出られない運命なのか? その頃、謎のエイリアンの巨大ロボが出現。大統領がコンタクトを試みるも、ロボは攻撃を開始した…


まぁ、わかりやすく例えると「X星人の送り込んできたキングギドラから地球を守るため、ゴジラモスララドンの地球怪獣が協力して立ち向かう」ってな話です。で、その地球側が巨大美女に、半魚人に、ゴキブリ男に、一つ目スライムに、モスラの幼虫と。
元ネタが40才前後じゃないとピンと来ないかもしれないので、そこが評価的に厳しいですね。例えば大統領のコンタクトシーンなんかも、『未知との遭遇』『スタートレック』『ビバリーヒルズコップ』『E.T.』等のネタを使ってますし、若年層やお子様では楽しみが半減してしまうかもしれません。
それと。海外の3DCG系アニメ作品って、日本の普通のアニメファンの好みとはズレてますよね。どちらかと言えばお子様中心のファミリー層。ディズニー系に近い感じの。で、人気の出る作品の傾向としては、やはりハートフルな感じ。で、この作品はそうじゃないんだな。もっとマニアックで。怪獣映画やB級モンスター映画が好きな層向け。だから、その辺に食指が動かない人には全く面白くないんじゃないかと。
だから、コケますわ。『ハリー・ポッター』と同時期で、すぐ後に『ボルト』が待機している時期に客なんか呼べませんて。残念だけどね。


映像的には結構凄いです。ボブのゼリー体とかムシザウルスの毛のふさふさ感とか。モンスターチーム初陣となるサンフランシスコの街並みや金門橋での戦いとかね。金門橋のロボは、まんま『ウルトラセブン』のクレージーゴンだったなぁ。
敵宇宙船内部で壁をブチ破って進むスーザンには笑った。ジャガーノートかと。
キャラクターは、ちょっと日本人受けしないようなキモ系なんですよね。スーザンも、巨大化する前のシーンなんかでは目などの表情がやたら変化しまくってて、あまりカワイイとは思えませんでした。中盤以降は慣れもあるんでしょうが、気にならなくなり、むしろ萌えも感じたりもするんですけどね。
あ、私が観たのは吹替版でしたがタレントの吹替の下手さは気になりませんでした。
そうそう、軍司令部での会議中に閣僚の一人が「ジャック・バウアーならどうするか聞いてみたい」というセリフがあり、その後でモンスターを管理する組織のモンガー将軍が登場するのですが。パンフを見ていて気付いたんだけど、字幕版だとモンガー将軍の声ってキーファー・サザーランドなのね。さりげなく中の人ネタだったのか。


で、評価としては10点満点で8点。ただし、怪獣映画などのジャンルが好きな人向けの評価。逆に、こうした物にピクリともしない人なら6点くらいでしょうか。3Dでの割高料金分も加わるともっと評価低くなるかも。まぁ、予告やCMや雑誌を見て、この手のジャンル物が向かない人がわざわざ地雷踏みに来るとは思えないので。一部のマニア層は評価するけど、結局お客さんは入らなかったよね、って終わり方をすると思います。


マニアなお父さんが子供に観せて、さらに元ネタ作品を観せてマニア育成を目指すスターターという方法はありかもしらん。